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映画『昭和歌謡大全集』

 映画『昭和歌謡大全集』を観ました。原作は村上龍の同題作品です。
ストーリー.jpg
 わけのわからないままに少年対おばさん(6人対6人)の殺し合いが始まり、使用する武器がどんどんエスカレート。最後には原爆が投下されます!
昭和歌謡大全集.jpg 現実世界を舞台にしていながら、非現実的な登場人物、そしてストーリーをどっぷりと楽しませてもらいました。
 昭和の歌謡曲が随所に挿入されているのも嬉しいですね。以前に観た『狂わせたいの』もそうですが、その当時のことを思い出して、懐かしさを覚えます。

 いやあ、邦画って楽しいなあ。ほんと、これまであまり観ないで過ごしてきたことを悔やんでいます。
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『ゴッポンニ』

 昨日深夜放送のテレビ番組『ゴッポンニ』を観ました(録画で)。「ちゃんとした日本語を話そうよ。日本語を見つめ直そうよ」という趣旨の番組です。
 野田元総理の「念頭に描いて」で番組はスタート。「総理が言っているから、間違いとは思っていない」なんて発言もありましたが、「総理=頭がいい=日本語能力が高い」――こういう先入観は持たないほうがいいですね。実際、歴代総理の日本語能力は決して高いとは言えないと思いますし……。私、しょっちゅう突っ込んでます(笑)。

 番組では昨日の記事に書いた「爆笑」も採り上げられていました。にんまりすると同時に、なんだか釈然としない思いも。
 片やこういう番組で間違いと指摘し、しかしほかの多くの番組では「そんなこと知るか」とばかりに、間違った意味で「爆笑」を使いまくっているのが現実です。テレビ局関係者が何を考えているのか、さっぱりわかりません。(まあ、何も考えていないのだと思いますが)
 この番組の出演者たちにしても、撮影が終了したらすぐに忘れて、今後も「爆笑」を間違った意味で使い続けることでしょう。
 もっとも「爆笑」に関して言えば、正誤はともかくとして、「大笑いすること」という意味を認めてもいいのではないかとも思います。たとえば「爆睡」なんて言葉も使われますが、これは「ぐっすり眠ること」で、「大勢の人が一斉に眠ること」ではありませんから。
爆笑.JPG
 こんな企画もありました。(以下、番組サイトより引用)

②「イラッとする日本語パトロール 歳末取締り会議!」
 天然ボケの“おバカタレント”として今年ブレイクしたモデルの鈴木奈々の言葉をチェックすべく、ニセのロケ番組を慣行!打ち合わせ風景から本番ロケに至るまでのVTRを全員でチェックしてみると・・思わずイラッとする今どきの「若者言葉」「ギャル言葉」のオンパレード。専門家だけでなく、ドランクドラゴンやももちからも厳しく突っ込まれ、思わず鈴木も涙目に・・。でも、その言葉。ついついあなたも使っているハズ!?

 チェックされたのは以下です。
イラッと日本語.JPG
 ははは。もはやアホらしすぎて、指摘する気にすらならない事例ばかりです。
 鈴木奈々が槍玉に挙げられていましたが、私に言わせれば、ほかの出演者も似たようなもの。こういった言語感覚、日本語能力の人たちがテレビで喋りまくっているわけで、まだ日本語に成熟していない若い世代が影響を受けてしまうのは、いわば当然ですね。
 なんとかならんかなあ。ふう……。

 ちなみに、私の「イラッとする日本語」を思いつくままに挙げてみると、「ぱねぇ」「ちげーよ」「きめー」「~じゃね?(~ね?)」……。
「ら抜き言葉」は慣れましたねえ。それより「さ入れ言葉」が気になります。「歌わさせて」とか「行かさせて」とか、あれは何なんでしょ。
 番組で採り上げられていた「ヤバイ」に至っては、「イラッと」というより「ボーゼン」として聞いています。高級ステーキも腐った肉も、食べたら「ヤバイ」と表現されるんですよね。
 これでいいのかなあ。ふう……。
ヤバイ.JPG
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『NHK高校講座 ベーシック国語』

 先ほど何気なくテレビをつけたら、日本語に関する番組を放送していました。NHK-Eテレ『NHK高校講座 ベーシック国語』です。
 こういうのは好きですから興味深く観ていましたが、あれ?
「悲喜こもごも」や「爆笑」の意味、この番組の制作者はわかってないな、きっと。
 番組サイトで確認してみたところ、「悲喜こもごも」や「爆笑」が間違って使われているのは、第5回「話が相手に伝わらない」とわかりました(本放送は8月15日)。
 今さら、この程度の間違いを(日常生活では)いちいち指摘しようとは思いませんけれど、こういう番組で間違って使うのはまずいでしょう。う~む……。このレベルの日本語能力の人がこういう番組を作るのは問題と思いますし、それを誰もチェックできないのは情けないです。しかも、NHK……(嘆息)。
 番組サイトでは過去に放送された番組も観られます(もちろん第5回も)。興味のある方はどうぞ。
 私? 興味はありますが、観ないことにしました。たった10分という短い番組。それを途中から観ただけなのに、2回も「あれ?」となったのです。全放送を観たら、何回の「あれ?」になるんでしょう(苦笑)。

 以下、Kotobankより――

悲喜(ひき)交交(こもごも)
悲しいこととうれしいことを、代わる代わる味わうこと。「―いたる」
◆一人の人間が喜びと悲しみを味わうことであり、「悲喜交々の当落発表」のように「喜ぶ人と悲しむ人が入り乱れる」の意で使うのは誤り。

ばく‐しょう 〔‐セウ〕 【爆笑】
[名](スル)大勢の人がどっと笑うこと。また、その笑い。「ギャグに―する」
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『テレビまんが主題歌のあゆみ』

 昨日、レンタルビデオショップでDVDを借りたところ、CDレンタル2枚無料クーポンをもらいました。ふだん、CDを借りることは滅多にありませんが、せっかくなので店内のCDコーナーを散策。
 あれこれ迷った末、2枚を選びました。そのうちの1枚(というか2枚組ですが)は『テレビまんが主題歌のあゆみ』です。
 私が小学生のころに観ていたアニメの主題歌がずらずらずら~~~~。
 先ほどから流し始め、ノスタルジーに浸っております。海外アニメ『みんなのアニメ100本立て』もいいけれど、それよりも心に染み入るなあ。
曲目.jpg
*画像クリックで拡大。 
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『みんなのアニメ100本立て』

 近所の書店に行きましたら、「うはっ」と思わず声が出ちゃうDVDを見かけ、買いました。
『みんなのアニメ100本立て』コスミック
みんなのアニメ100本立て.jpg 子どものころに楽しく観ていた海外アニメてんこ盛り。DVD3枚組、計738分!
 収録されている番組は『トムとジェリー』『ベティ・ブープ』『ミッキーマウス』『ドナルドダック』『ポパイ』『バックス・バニー』『子リスのジンジャーと仲間たち』です。よく覚えているのは、『トムとジェリー』『ミッキーマウス』『ドナルドダック』『ポパイ』といったあたり――なかでも『ポパイ』ですね。
 その『ポパイ』を観ながら、この記事を書いています。懐かしすぎて、なんと言えばいいのか。
 気が向いたとき、少しずつ観ようと思います。
ラインナップ.jpg
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映画『BALLAD 名もなき恋のうた』

 映画『BALLAD 名もなき恋のうた』を観ました。

 私は恋愛の絡んだタイムトラベル・ストーリーが大好物です。といっても、私が惹かれるのは別の時代に生きる人間ゆえに生じる悲恋の物語なのでして、時間の掟に束縛されない悲恋ストーリーにはさほどの魅力は感じません。
『BALLAD 名もなき恋のうた』は「時間の掟に束縛されない悲恋ストーリー」です。タイムトラベル(この映画の場合、タイムスリップ)に新機軸があるわけでもなく、となれば、通常でしたら「つまらない」となってしまうのですが、面白かったんですよね、これが。乱暴な言い方をすれば、『戦国自衛隊』のライト・バージョン(笑)。こういうのも大好きなんですよ。
 原案となったアニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を観たくなってきました。

【追記】
 レンタルビデオショップに行き、『アッパレ!戦国大合戦』を借りてきました。さっそく鑑賞。
『BALLAD 名もなき恋のうた』の原案と思っていましたが、そうではなくて原作だったのですね。『BALLAD 名もなき恋のうた』はこのアニメの実写化であり――
『アッパレ!戦国大合戦』-ギャグ=『BALLAD 名もなき恋のうた
 となりますか。
 どちらも楽しめました。
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『みそっかす』

 数日前、古本屋で『みそっかす(全3巻)』講談社・ちばてつや漫画文庫(77)を見かけ、おお、懐かしい! と手に取りました。
みそっかす.jpg
 ちばてつやといえば、もちろん代表作は『あしたのジョー』でしょうし、私も好きですが、ほかにも好きな作品はたくさんあります。
 子どものころに読んだ本は全く残っていませんけれど、大人になってから、気が向くと適当に買っています。たとえば――
ハリスの旋風.jpgちばてつや全集.jpg
 当然のことながら、子どものころに夢中になって読んだ作品ばかりです。特に好きだったのは『紫電改のタカ』! 何回読み返したことでしょう(確か講談社コミックスで、全6巻)。
 ということで、読みかけの『魔界転生』を放置したまま『みそっかす』を読むのです。
 かびじょうあかれ。――懐かしすぎます。

【追記】
 読み終わりました。>『みそっかす』
 この漫画を読むのは、たぶん45年ぶりくらいだと思います。残っている印象の通り、いやそれ以上に面白かったです。名作!
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『魔界転生』

 先日、原作・山田風太郎/作画・とみ新蔵『魔界転生(全2巻)』SPコミックス(03)というマンガを読み始めました。原作小説を読んだのは遙か昔で、細かいことは忘れきっていますが、原作にかなり忠実にマンガ化されているような気がします。
魔界転生.jpg
 上巻を読み終えたところで、昔の映画『魔界転生』(1981年)を無性に観たくなりました。この映画は確か封切り時に劇場で鑑賞。原作にずいぶんアレンジが加えられていましたが、それはそれで面白かった印象が残っています。
 ビデオテープを探索。「ゴールデン洋画劇場」枠で放映されたもの(解説は高島忠夫)を発見しました。

 久しぶりの再鑑賞を楽しみ、さらに――
 近所のレンタルビデオショップに行ったら、『魔界転生』というタイトルが目に飛び込んできたんですよね。
 へえ、こんな『魔界転生』もあるのか。2003年公開か。知らなかったなあ。

 レンタルして帰り、さっそく観ました。
 前の映画ともまた違ったアレンジが加えられていますが、これはこれで面白かったです。
 まあ、原作は超傑作ですからね。よほどムチャクチャにしない限り、映画が面白いのは当然でしょう。つまらなくするほうが難しい。
 というわけで、『魔界転生』を満喫。もうゲップが出そうです。
 あ、発端となったマンガ、まだ半分しか読んでないです。ははは。

 ちなみに、「まかいてんしょう」と読みます。念のため。
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『ナポレオンズの家族で入門マジックワールド』

 マジック入門DVD『ナポレオンズの家族で入門マジックワールド』を観ました。ただマジックを披露するだけではなく、そのトリックおよび進め方を丁寧に説明するという内容です。
 11月25日の記事『魔術師たちと蠱惑のテーブル』に――

 ナポレオンズはよく知っていますが、そのひとりが星新一の大ファンだったなんて……。嬉しいですねえ。
> ショートショートの三条件(私が知ったのは石川喬司さんの文章からですが)新鮮な
>アイデア、完全なプロット、意外な結末――その三原則はなんとマジックを演技するのに
>必要なものとまったく同じだとのちに認識したのです。
 おお、なるほど~。見事に納得しました。マジックを知らない私でも、まさにその通りだと感じます。
マジックワールド.jpg
 このDVDを観て、改めて、その通りだと思いました。
 はたと、拙著『ショートショートの世界』を思い返せば――

 三要素のうち、完成されたショートショートを書く上で最も重要なのは「完全なプロット」でしょう。たとえ平凡なアイデアで意外な結末(オチ)がなくても、プロットさえうまくできていれば(つまり、優れた短編作家であれば)、面白いショートショートを書くことはできます。(29ページ)

「ショートショートを書く」を「マジックを演じる」に、「短編作家」を「マジシャン」に置き換えても、ほとんど違和感はありません。
 同じく『ショートショートの世界』で、私は次のようにも書きました。

最後の「意外な結末」を読んだ途端、ようやく読者には“裏の世界”が見えてくるのです。“裏の世界”の存在を知ってから、再度その作品を読み直すと、初読時には気づかなかった伏線にも気づくことでしょう。
 伏線が巧妙に張られた小説であればあるほど、再読時に“裏の世界”が鮮やかに見えます。(166~167ページ)

 マジックの解説(種明かし)を聞きながら、私はまさに「鮮やかな“裏の世界”」を見ている気分になりました。マジックの進め方や話術で観客を誤誘導する方法は、ショートショートにおける伏線の張り方とよく似ているんですね。
 いろいろな意味で堪能しました。
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『きまぐれ博物誌』

きまぐれ博物誌(文庫).jpg 角川書店・編集者さまから星新一の新刊『きまぐれ博物誌』角川文庫(12)を送っていただきました。星新一の2冊目のエッセイ集です。
 今回、私が解説を書いています。「若い世代への橋渡しを」ということで、昔を懐かしく思い出しながら、楽しく書きました。
 拙ブログを読まれている方の多くは初刊本あるいは前の文庫本をお持ちと思いますが、解説だけでもお読みいただければ嬉しいです。さらに買っていただきますと、嬉しさが倍加します。
 どうぞよろしくお願いいたします。(発売予定は今月25日)

 最後に、これまでの出版経緯を。
『きまぐれ博物誌』河出書房新社/1971年1月30日発行
『きまぐれ博物誌』『きまぐれ博物誌・続』角川文庫/1976年6月10日発行*最初の文庫化。このときは2分冊で刊行されました。今回は初刊本と同じく、全1冊です。
きまぐれ博物誌.jpg きまぐれ博物誌(2分冊).jpg
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ファンジンのレプリカ

 SFファンジンって、発行されたときに買っておかないと、あとで入手しようとしても極めて困難であることが多いです。ただ、商業出版物と違って、印刷や造本はそんなに凝っていないため、多くの場合、現物(あるいは画像データ)があれば、レプリカは容易に作れます。
 初めてファンジンのレプリカを作ったのは、1年くらい前だと思います。
「S-Fマカシテ」てんたくるず別冊/九州SFクラブ/1965年8月発行
 こんなパロディ誌、大好きなんですよね。深く考えることもなく、作ってみようかな、と。全ページを印刷してホチキスで留めただけですが、それなりの雰囲気は出ています。
 2冊目は――
「星新一氏健筆25周年記念号 ☆1957年→1982年☆」星新一氏健筆25周年を祝う会/1982年9月11日発行
 これを作ったのは今年の夏だったでしょうか。
 新聞や雑誌のスクラップを中心に構成されています。ショートショート研究の資料として貴重な1冊です。
SFマカシテ.jpg 星新一氏健筆25周年.jpg チャチャ・ヤング.jpg
 そして3冊目は――
 眉村卓編「チャチャ・ヤング=ショート・ショート」1971-№2/MBS チャチャ・ヤング/1971年11月1日発行
 これを作ったのは昨夜です。衆院選の開票速報を横目で見ながら(笑)。
 このブログでも何度か書いていますが、私の永遠の探求書の1冊です。ファンジンとは少し違いますが、似たようなものでしょう。レプリカとはいえ、やはり紙の冊子はいいですね。
 現物を手にしたことはないんですが、かなり近い体裁に仕上がったのではないかと思っています。
 第1号の画像データも、あることはあるんですが、ちょっとした問題があって、これでレプリカを作る気にはなれません。今後の課題に。

【追記】を読む。


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映画『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~』

『愛と誠』以来、三池崇史監督の映画が気になっています。
 ちょっと調べてみましたら、すさまじい数の作品の監督をされていることがわかり、まずはびっくり。そして、私も決して少なくはない数の三池作品を観ていることに気がつき、さらにびっくり。
『ゼブラーマン』も『着信あり』も……。えっ、『忍たま乱太郎』もそうだったのか。あ、『SILVER』はずいぶん昔に観たぞ。何より、ぐええ、『インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~』だあ! あの映画はすごかったなあ。そっか。三池崇史だったのか。岩井志麻子が恐すぎて(笑)、監督なんて、全然気にしてなかったなあ。



 いやしかし、三池作品は当たり外れが大きいですね。もちろん、私の好みの問題ではありますが、これだけ合う合わないがはっきりと分かれる映画を同じ監督が撮っているとは……。不思議な気分です。
 ということで、今夜は『神様のパズル』を観るつもりです。原作は小松左京賞受賞の機本伸司『神様のパズル』ですが、読んでいないので、原作と映画の差異はわかりません。
 まあ、原作云々はどうでもいいですね。大切なのは、私に合うか合わないか(=当たりか外れか)です。さて、どっちでしょう。

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「ショート・ショート20プラス1」

 ブログを始めて、よかったな~と思うことがあります。たとえば、和田宜久さんと知り合えたこともそのひとつです。
 そもそも私が「和田宜久」という名前を意識したのは、SF同人誌「NULL」№7(1977/4/30)を読んだときでした。この号に和田作品は2編も掲載されていて、そのうちの1本「ある朝」が抜群に面白く、深く印象に残ったのですね。
 この「ある朝」は、「奇想天外」1977年8月号の「筒井康隆選・ネオNULL傑作選」にも選出・掲載されています。久しぶりに当該号を手に取ってみましたら――「この掲載号でのトップ入選といってもよい(筒井)」とあり、おおおっ!
 あれから35年! 拙ブログに和田さんからコメントをいただいたとき(→この記事)には驚きましたねえ。嬉しかったですねえ。
 正直なところ、私は和田さんを「ネオ・ヌル」と「チャチャヤング」で秀作ショートショートを書いていた人、という認識しかなかったのですが、その後、ご本人の告白(笑)によって、ラジオのショートショート朗読番組に数多くの作品を提供していたと知りました。
「ショートショートファイブ」という月曜から金曜の帯番組で、スタート当初の寄稿メンバーは、和田さん以外に荒巻義雄、小隅黎、戸倉正三(週に2回担当)という面々。のちに塩谷隆志、草川隆らも加わったとか。――もはや、のけぞるしかありません。和田さんは28編もの作品を提供されたそうで、これはもうプロのショートショート作家ですね。
 恥ずかしながら、私はこの番組のことも和田さんの大活躍も全く知らず……。自らの不明を恥じるばかりです。
 そんな和田さんから本日、郵便が届きました。
 はいっていたのは――
「ショート・ショート20プラス1」私家版/1976年4月14日発行
 ラジオ番組「ショートショートファイブ」に寄稿した28編から選んだ21編を収録。おお、「ある朝」の原型も! 巻末には「和田宜久全作品リスト」も掲載されています。旺盛な執筆活動に、脱帽。
「ショートショートファイブ」
 ラジオ番組「ショートショートファイブ」で放送された和田作品のうち9編の朗読が収録されたCDです。おお、ここにも「ある朝」が!(しかし、最も録音状態が悪く、残念)
ショート・ショート20プラス1.jpg ショートショートファイブ.jpg
 和田さんのショートショートをまとめて読み(聴き)、改めて感じたのは「ショートショートをよくわかってるなあ」ということです。
 ショートショートの魅力を満喫させていただきました。ほんと、楽しかったです。
 貴重なものをありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
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『空飛ぶ円盤のあけぼの』

 日本SF界の草創期、SFと空飛ぶ円盤(UFO)は非常に近しい関係にありました。SF同人誌「宇宙塵」が日本空飛ぶ円盤研究会(UFOの研究団体)のメンバーを中心に誕生したことからも、それはわかります。
 私もSFファンになったばかりのころ、UFOにはかなり興味を持っていましたが、徐々に離れていきました。UFOって、虚実の間(はざま)の存在なんですよね。対して私が好きなのは「虚」が100パーセントの世界とわかったからです。

 さて。
空飛ぶ円盤のあけぼの.jpg 北村小松『空飛ぶ円盤のあけぼの ―北村小松UFO随想集―』日本初期SF映像顕彰会(11)を読みました。
 新書サイズ、226ページ。非商業出版ですが、商業出版と遜色のない装幀です。最近の同人誌の豪華さには、ほんと、驚かされますね。私が積極的にファンジンを作っていたころ(40年近く前)とは雲泥の差です。あ、いや、私の出していたファンジンは、当時としても安っぽい(要するに、お金がかかっていない)ものでしたが……(苦笑)。
 北村小松は日本SF界の先駆者の1人であり、もちろん名前は知っています。しかしよく考えてみると、はて? 何を読んだっけ? ずいぶん昔に古典SFのアンソロジーか何かで短編を読んだ記憶はありますが、ほかには……。
『空飛ぶ円盤のあけぼの』を読むと、北村小松のSFマインドを感じます。盲目的にUFOの存在を信じているわけではなく、「虚」の部分を楽しんでいるスタンスが伝わってくるのです。SF小説や映画にも触れられていますし……。さすが、日本SFの先駆者! 嬉しくなりました。
 巻末の解説(猫山れーめ)の最後には――
> 北村が空飛ぶ円盤をテーマにして書いた作品のうち、小説のものについては次巻を待って紹介したい。
 とあります。楽しみです。
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映画『スピーシーズリターン 種の終焉』

 あ。『スピーシーズXXXXXX 寄生獣の吐息』なんて映画のレンタルが始まっていますか。
 前にも書きました(→ここ)ように、私は映画『スピーシーズ』シリーズ(もちろん本家)が大好きです。タイトルに“スピーシーズ”と書かれているだけで、つい手に取ってしまい、ふらふらとレンタルしてしまいます。これまで、何回騙されたことか。まあ、騙されるとわかって観ているのですから、それでいいのですけれど。
『スピーシーズX』のシリーズはタイトルといいジャケット・デザインといい、これはもはや観るしかありません。当然、これまでの5作はすべて観ています。うち2作か3作はそこそこ面白かったような……。これはなかなかの高確率です。
 しばらく新作(と言うべきか?)のリリースがなく、5作で打ち止めかと思っていましたが、まだ続きますか。>パチモン『スピーシーズ』(笑)
 やっぱり借りてしまうんでしょうねえ(苦笑)。


 ふと、『スピーシーズリターン 種の終焉』を思い出しました。
スピーシーズリターン.jpg このタイトル、このスタッフですよ。期待するなと言うほうが無理ではないでしょうか。
スタッフ.jpg
 久しぶりにビデオテープをデッキにセットし、それをBGVにパソコンに向かっています。
 この映画は、まだ“スピーシーズ”という単語に騙され慣れていないころ(笑)に観ました。そのときの茫然自失感は鮮明に覚えていますが、いま観ていると、そんなに悪い出来ではないような気もしてきました。観る前にハードルを上げすぎていたのかも。
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「オルラ」

 私はツイッターには登録していないし、読みに行くことも滅多にないんですが、例外として北原尚彦さんのところだけは、ほとんど毎日覗いています。
 いま、読みに行きましたら――

神田の古書即売会「書窓展」、あきつ書店の棚で『西洋幽霊の話』という明治時代の英和対訳本を購入。モーパッサンの「オルラ」の古い訳でした。これが初訳だったりするのかなあ。
モーパッサン翻訳史に詳しい方、ご教示よろしくお願いします。

翻訳と歴史.jpg へえ。知らんけど、ちょっと調べてみようか。――と、「翻訳と歴史」22・23合併号(2004年9月/ナダ出版センター)を手に取りました。この号はモーパッサン特集で、(数多く翻訳されている作品限定ですが)詳細な翻訳書誌が掲載されているのです。
「オルラ」が載ってないわけがないだろう。
 と、ぱらぱら。
 もちろん、ありました。最も古い邦訳は――
>明治38年1月 有耶無耶の記 内田魯庵訳 学燈(~3月、6月)
 だそうです。
 お役に立てましたでしょうか。――って、ほとんどメールですな(笑)。

【追記】
 うちにあるモーパッサンの古い本はここに書きました。
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ラジオ・ドラマのシナリオ

 ゆえあって――大熊宏俊さんの掲示板をご覧になっている方でしたら、どのような「ゆえ」なのかおわかりと思いますが――私の小説を原作とするラジオ・ドラマのシナリオを取り出してきました。
 そんなに数多くはありませんが、私の小説もラジオ・ドラマ化(あるいは、ラジオで朗読)されています。うち3作品の放送ではシナリオを送っていただきました。
「シャドウ効果」NHKラジオ第一/1980年9月12・15・17・19日放送
「回収の日」NHKラジオ第一/1983年7月13・18・19・20日放送
「ダモクレス幻想」TBSラジオ/1996年8月19日放送
シャドウ効果.jpg 回収の日.jpg ダモクレス幻想.jpg
 今回、久しぶりにシナリオを手に取り、懐かしいのはもちろんのことですが、それとは別に、すさまじく感激しました。
「シャドウ効果」のシナリオに新聞(ラジオ欄)の切り抜きが挟まれていたのです。
ラジオ欄.jpg
 こ、これは……!
 余白に書かれた赤ボールペンのメモを見て、すぐにわかりました。宮崎惇さんの字です。片方には「信濃毎日新聞」とあり、間違いありません。
 私のために、わざわざ……。ほんと、宮崎さんには可愛がってもらったなあ。
 そんな思いを新たにしました。
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『ホビットの冒険』

 映画『ホビット 思いがけない冒険』が来週――14日に公開されます。原作は、言わずと知れたJ・R・R・トールキン『ホビットの冒険』です。(映画は3部作の予定で、今回は第1作目)

 映画化を知った当初、『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが監督と聞き、期待は大きく膨らみました。その後、いろいろとあってデル・トロは監督を降板。いささか残念ではありますが、それでも映画に対する期待、わくわく感は大きいです。
ホビット.jpg いやあ、好きなんですよね。>『ホビットの冒険』
 はっきりと覚えてはいませんが、私が小説を読んだのは中学生のときだったと思います。2年だったか3年だったか。学校の図書室で借りた、確か岩波書店のハードカバー。ほんと、ものすっごく面白かったです!(書影は『ホビット ゆきてかえりし物語』原書房(97)。数年前に買った本です)
『指輪物語』を読んだのは大学生のときです。これは読んだ本が手元にありますので、はっきりしています。評論社文庫の全6巻バージョン、その初版(1977年4月発行)です。新刊で買い、すぐに読んだ記憶がありますから、1977年4月発行ということは、大学入学直後ですね。
指輪物語1.jpg 指輪物語2.jpg 指輪物語3.jpg 指輪物語4.jpg
指輪物語5.jpg 指輪物語6.jpg 指輪物語・背.jpg
 これまた面白かったのですけれど、活字が異様に小さいことには閉口しました。適当なページをスキャンし、以下にアップします(クリックで拡大)。これが文庫本ですよ。こんなの、よくもまあ6冊(2000ページ以上!)も読んだなあ(苦笑)。
本文.jpg
 ふと――
 そういえば、『指輪物語』の映画化『ロード・オブ・ザ・リング』って、まともに観てないなあ。
ロードオブザリング.jpg と思いました。だいぶ前、ほかの用事をしながらテレビ放送をちらちらと観ていた記憶はありますが、その程度。
 いい機会だから、ちゃんと『ロード・オブ・ザ・リング』を観ようかな。映画『ホビット』の予習にもなるし。
 ビデオテープに録画してあったような気がして、がさごそ。――3部作すべてがありましたが、なんと、3部作計10時間弱! 一瞬で挫折しました(笑)。
 あ。アニメ『ロードオブ・ザリング 指輪物語』は何年か前に観ました。とっても中途半端な終わり方をしていて、消化不良。続編は作られていないようで、残念です。
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映画『スピード』

映画秘宝ex 鮮烈! アナーキー日本映画史 1959-1979』洋泉社MOOK(12)を楽しく読んでいます。一気に読むわけではなく、気が向いたときに少しずつ。
 ちょっと前に観た『新幹線大爆破』(←抜群に面白かったです)も採り上げられていて――
>後に「『スピード』(94年)の元ネタでは?」と騒がれることにもなった本作。
 と書かれています。
 へえ、そうなんですか。『スピード』って観たことないなあ。これは観なきゃ。
 というわけで、映画『スピード』を観ました。

 なるほど、確かに『新幹線大爆破』(1975年)が元ネタになっていると言われるのもわかります。これもハラハラドキドキ。エレベーターに始まってバス、そして地下鉄へ、まさにノンストップ! もう、お腹いっぱいです。
『狂った野獣』(1976年/バスジャック映画。これも『アナーキー日本映画史』で紹介)の影響も受けているのかな? とも思いましたが、まあ、そんなことはどうでもいいでしょう。――アクション映画の傑作ですね。ものすごく楽しかったです。

 勢いに乗って、続いて『スピード2』を鑑賞。
 第1作は舞台がバスでしたが、今度は豪華客船です。こちらも面白かったですけれど、シリーズと言われると、ん? と首を傾げてしまいます。共通しているのはヒロインと、ハラハラドキドキのアクション映画という点だけなんですよね。そのヒロインにしても、このストーリーだと別に前作を引き継ぐ必要はないような……。
 いやまあ、楽しく観られたのですから、細かいことは言わないことにしましょう。シリーズと銘打たれているから観る気になり、楽しめたわけですし。

 あ、そうそう。操縦不能になった豪華客船ということで、原作・宮崎惇/漫画・南波健二『豹マン』の第2部(ロボット船が暴走する話)を思い出しました。もちろん、『スピード2』のずっと前の作品です。
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「アルコン」

 お馴染み大熊宏俊さんのところでガリ版刷りの話題があり、私もコメントを寄せました。
 そのコメントで――
> 私が初めて作ったファンジンは、当然のことながらガリ版刷りでした。
>1974年9月10日発行の『ペルシダー・グロッサリー』です。
 と書いたのですが、大熊さんのレス・コメントに――
>切ったのは私ではなく、クラスメートの女の子に頼みました。
 と書かれているのを読んで、そういえば……と思い出しました。
 高校時代、私のメイン部活動は柔道部でしたが、クラスメートで同じく柔道部員のNくんが理科部の部長だった関係で、理科部(の地学班)にも中途半端に在籍していました。
 全く覚えていませんけれど、「会誌を出そうよ。ガリ版の輪転機は使えるし」なんて、私がNくんに提案したんでしょうね。理科部地学班で会誌を出すことになりました。
「アルコン」創刊号/1974年7月20日発行
 おお、『ペルシダー・グロッサリー』の2ヶ月前ではないですか。個人誌でしたら『ペルシダー・グロッサリー』が最初ですが、いわゆる会誌でしたら、これが最初ですね。
 うちにあるのは――
・第2号/1974年9月30日発行
・第3号/1975年2月17日発行
・第4号/発行日不記載
 ここまでです。完全に私の主導で始め、徐々に役割分担ができていったように記憶しています。第4号では、ほとんど私は関知していません(寄稿はしていますが)。
創刊号.jpg 第2号.jpg 第3号.jpg 第4号.jpg

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映画『ウルフマン』

 映画『ウルフマン』を観ました。1941年の映画『狼男』のリメイクとのこと。

 観ようと思った最大の理由は、「オリジナル脚本:カート・シオドマク」! 
 この名前を見たとき、あのシオドマク? それとも同姓同名? と思いました。
 あのシオドマクとは、もちろん『ドノヴァンの脳髄』ハヤカワSFシリーズ(57)や『ハウザーの記憶』ハヤカワSFシリーズ(68)のシオドマクです。読んだのはこの2冊だけと思いますが、強く印象に残っています。特に『ドノヴァンの脳髄』は面白かったですねえ。
 オリジナルの製作は1941年。このシオドマクの活躍していた時代と合致しているような気がしますが、確信は持てず……。調べた結果、同一人物とわかり――おおっ!
 ということで、リメイク版です。見所は特撮――狼男への変身シーンや残虐描写ですね。ストーリー的に古臭さは否めませんけれど、素晴らしい特撮映像を観ているだけでも楽しめます。
 オリジナルも、また機会があれば観たいと思います。
ドノヴァンの脳髄.jpg ハウザーの記憶.jpg ドッグ・ソルジャー.jpg
 狼男の映画といえば、すぐに脳裡に浮かぶのは『狼男アメリカン』とか『ティーン・ウルフ』とか『ハウリング』とか……。あ、私は『狼の血族』が好きでした。――って、古い映画ばかりでありますな(苦笑)。比較的最近(といっても4~5年前ですが)に観た映画では『ドッグ・ソルジャー』が面白かったです。

【追記】12月4日
『カースド』がめちゃ面白かったことを急に思い出しました。>狼男映画
 ウェス・クレイヴン作品です。
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ふしぎ文学館

 昨日の記事にも書きましたように、出版芸術社の〈ふしぎ文学館〉シリーズが刊行50冊という節目を迎えました。最初の1冊は小松左京『石』で、これは1993年2月の発行でした。あれから約20年……。20年も続く叢書というだけでもすごいんですが、いまだに絶版や品切れが1冊もないというのは、これはもはや奇跡ですね。
石.jpg 好きな作家の傑作選とかテーマ別作品集も嬉しいですけれど、なんと言ってもこの叢書の魅力は「わーい、単行本未収録だあ」「おおっ、この作家の作品をまとめてくれたか」「うひゃあ、こんな本を出してくれたか」と思います。ほんと、まさに感涙なのです。
 数えてみましたら、うちにあるのは43冊。かなりのファンと言っていいのではないでしょうか。そんな私がマイ感涙トップ5を選んでみました。内容云々ではなく、手にした瞬間、単純に心から「嬉しい!」と思った本たちです。

①星新一『気まぐれスターダスト』2000年
②今日泊亜蘭『まぼろし綺譚』2003年
③香山滋『月ぞ悪魔』1993年
④渡辺啓助『クムラン洞窟』1993年
⑤朝山蜻一『白昼艶夢』1995年
気まぐれスターダスト.jpg まぼろし綺譚.jpg 月ぞ悪魔.jpg
クムラン洞窟.jpg 白昼艶夢.jpg
 うわあ。5冊に絞るのがこんなに大変とは……。僅差の次点、目白押しです。ぜひとも新しいショートショート・ファンに読んでほしい山川方夫『歪んだ窓』とか、個人的に思い入れの深い式貴士『鉄輪の舞』とか……。鮎川哲也・芦辺拓編のアンソロジー『妖異百物語(全2巻)』も嬉しかったなあ。
 ほんと、いつまでも続いてほしいものです。
 あ。
 もし斎藤哲夫作品集が出たら、感涙トップ1に躍り出ます。
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