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『四角い魔術師』

 井上雅彦さんから新刊『四角い魔術師』出版芸術社・ふしぎ文学館(12)を送っていただきました。ありがとうございます。全26編収録。ショートショートを数多く含む短編集です。いや、ほぼショートショート集と言ってもいいかもしれませんね。
〈ふしぎ文学館〉シリーズの記念すべき第50冊目とのこと。――おおっ! もうそんなに出ていましたか。発刊初期からの愛読者として感慨を覚えます。
 この50冊のなかには、私の作品集『ダモクレス幻想』(1996年刊)も含まれています。ブログの常連・北原尚彦さんの『首吊少女亭』(2007年刊)もありますね。
〈ふしぎ文学館〉シリーズが末永く続きますように。
四角い魔術師.jpg ダモクレス幻想.jpg 首吊少女亭.jpg
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『黒衣の女』

 ちょっと前から、『ウーマン・イン・ブラック』という映画のタイトルが目に飛び込んでくるようになりました。
黒衣の女.jpg ははあ。『メン・イン・ブラック』のパロディだなと勝手に思い込んでいたのですが……。
 昨日、書店でのスーザン・ヒル『黒衣の女 ある亡霊の物語[新装版]』ハヤカワ文庫NV(12)を見かけて、あら懐かしや。手に取ってみますと、あらあら、『ウーマン・イン・ブラック』は『黒衣の女』の映画化だったのですね。『メン・イン・ブラック』とは無関係(苦笑)。
 私が読んだのは1987年、ハヤカワ文庫NV〈モダンホラー・セレクション〉の1冊として発行されたときですから、25年も前です。正直なところ、ストーリーはよく覚えていないのですが、かなり面白かった印象は残っています。
 映画は明後日――12月1日公開とのこと。レンタルが開始されるのを楽しみに待ちます。

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星新一・翻訳書リスト

 昨夜の記事を書いて――
 星新一の著作に関しては各種リストをアップしてきたけど、翻訳書リストはまだだなあ。
 と思いました。
 というわけで、星新一・翻訳書リストです。

◎フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』早川書房・異色作家短篇集(62)/早川書房・異色作家短篇集(05)*新装版
さあ、気ちがいになりなさい.jpg さあ、気ちがいになりなさい(新装版).jpg
◎ジョン・ウインダム『海竜めざめる』ハヤカワSFシリーズ(66)/ハヤカワ文庫SF(77)/福音館・ボクラノSF(09)
海竜めざめる.jpg 海竜めざめる(文庫).jpg 海竜めざめる(ボクラノSF).jpg
◎クリスチーネ・ネストリンガー『トマニ式の生き方』エイプリル・ミュージック(78)
◎ロバート・ブロック編『フレドリック・ブラウン傑作集』サンリオ文庫(82)
◎アイザック・アシモフ『アシモフの雑学コレクション』新潮文庫(86)*編訳
トマニ式の生き方.jpg フレドリック・ブラウン傑作集ほか.jpg
◎『竹取物語』角川文庫(87)*現代語訳/角川文庫(08)*改版
◎フレドリック・ブラウン『闘技場 フレドリック・ブラウン コレクション』福音館・ボクラノSF(09)
竹取物語.jpg 竹取物語(改版).jpg 闘技場.jpg
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映画『竹取物語』

 映画『竹取物語』を観ました。市川崑監督、1987年の作品です。

 公開当時から、いつかは観ようと思いつつ、その機会がないまま25年も経ってしまいました。
 25年前、なぜ観ようと思ったのか。
竹取物語.jpg『竹取物語』が好きだから? 違います。
 SFの元祖的存在だから? 違います。
 特撮映画だから? 違います。
 星新一は『竹取物語』の現代語訳をしていますが、実はその本(角川文庫/1987年8月10日初版)はこの映画の公開に合わせて発行されているんですよね。星新一が絡んでいると、な~~んか気になっちゃうのです。今も昔も変わりなく。
 なんて言いつつも放置していたくせに、何ゆえ今ごろになって観る気になったのか?
 答えは簡単。古い邦画を観まくっているうちに、あ、そういえば……と思い至ったのでした。
 ということで、肝心の映画ですが……。
 う~~ん、そうですね。画面に引き込まれるというほどではありませんが、気楽に楽しむには申し分のない出来と思います。かぐや姫(沢口靖子)も衣装もきれいですし、それを見ているだけでも楽しいです。公開当時(25年前)に観ていたら、また感想は違っていたでしょうけれど。

 かぐや姫というと、ファミコンRPG『桃太郎伝説』を思い出します。すっごく面白かったですね。各種ハードに移植され、また新作も作られ、そのほとんどをプレイしていると思います。
 TVゲーム・ソフトの多くは処分してしまいましたが、携帯用ゲームのソフトだけは残してあります。
 こんなのを手に取ると、ちょっとプレイしてみようかという気分になりますね。
桃太郎伝説.jpg
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『アナーキー日本映画史』

 行きつけの書店に行ってきました。最大の目的はラファティの新刊『昔には帰れない』ハヤカワ文庫SF(12)でしたが、店内を歩いても見当たらず……。店長(30年来の友人です)に尋ねると、入荷はしたものの部数が少なく、すでに売れてしまったとのこと。
 そっかー。取り置きをお願いしておけばよかったなあ。残念。
 最大の目的は逸しましたが、ほかにも買いたいと思っていた本はあります。たとえば――
◎東雅夫編著『世界幻想文学大全 幻想文学入門』ちくま文庫(12)
◎東雅夫編『世界幻想文学大全 怪奇小説精華』ちくま文庫(12)
 など。このあたりはどーんと平積みされていました。
 いやしかし、今日は――
◎『映画秘宝ex 鮮烈! アナーキー日本映画史 1959-1979』洋泉社MOOK(12)
 奥付を見ますと、今年5月の発行となっています。へえ、こんなムックが出ていましたか。まーったく気がつきませんでした。
 数年前まで、1960年代・70年代の邦画は完全に意識の外にありました。こんな面白い世界を知らずに過ごしてきたことは、まさに痛恨。遅ればせながら、できる限り観まくっています。
 目次には、採り上げられている映画のタイトルがずらっと並んでいます。
 おほほほほ。――数年前までは、数えるほどしか観ていません(というより、タイトルすら知らない映画多数)でしたが、いまは! どうでしょ。半分近くは観ているんじゃないかなあ。われながら、よく観たものだと思います。
 とはいえ裏を返せば、まだ半分以上は観ていないわけで……。ほんと、こんなカタログ本が欲しかったんですよね。
 この本を参考にして、がんがん観ていこうと思います。お楽しみはこれからだ~。
アナーキー日本映画史.jpg 幻想文学入門.jpg 怪奇小説精華.jpg

昔には帰れない.jpg
【追記】11月29日
 出かけたついでに近所の書店を覗いたら――
 おお、売ってる!
 というわけで、R・A・ラファティ『昔には帰れない』ハヤカワ文庫SF(12)を購入。帯に大きく「お待たせしました!」とあります。ええ、待ちましたとも(嬉)。

【追記2】11月30日
>半分近くは観ているんじゃないかなあ。
 本を読みながら、ちゃんと数えてみました。半分なんて、とんでもない。せいぜい3分の1でした。
 う~~~ん、先は長い。
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映画『地獄』

 しばらく前から石井輝男監督の映画にハマッています。『盲獣vs一寸法師』や『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』、あるいは『怪談昇り龍』のことは以前に書きました。ほかにも数多くの石井輝男作品を観ています。すさまじい作品が多くて、もう、なんと言えばいいのか(嬉)。
 ブログには書きませんでしたが、『地獄』にも度肝を抜かれました。

 もともと『地獄』という映画は1960年の中川信夫監督作品を嚆矢とします。その後、1979年の神代辰巳監督作品を経て、1999年の石井輝男作品へと続くのです。現世の業を背負った人々が地獄の責め苦を味わうという基本設定は同じですが、「現世の業」が違いますから、必然的にストーリーはそれぞれ独自のものとなります。
 神代辰巳版『地獄』は大昔に観ましたし、その後、DVDでも観ています。これもかなり好きな映画です。
 最後に観たのが中川信夫版なんですが、最も古いくせに、これが一番えげつない(笑)。

 さて。
 なぜこんなことを書いているかと言いますと――
 ほぼ20年周期で新たな『地獄』が作られていることに気がついたからなんですよね。この周期ですと、2019年あたりに4回目の映画化があるのではないか、と。
 もし4度目があるなら、ぜひ三池崇史版『地獄』を観たいなあ。すっごい『地獄』を見せてくれそう。――勝手に期待しちゃいます。『牛頭』『愛と誠』のぶっ飛び感覚は、まさに『地獄』向きと思うのです。
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『魔術師たちと蠱惑のテーブル』

 星新一公式サイト「寄せ書き」を楽しみにしています。最も新しい寄稿者はボナ植木(マジシャン・ナポレオンズ)で、そのタイトルは「あせることなく着実にご勉強なさることを期待します」です。
 ナポレオンズはよく知っていますが、そのひとりが星新一の大ファンだったなんて……。嬉しいですねえ。
> ショートショートの三条件(私が知ったのは石川喬司さんの文章からですが)新鮮な
>アイデア、完全なプロット、意外な結末――その三原則はなんとマジックを演技するのに
>必要なものとまったく同じだとのちに認識したのです。
 おお、なるほど~。見事に納得しました。マジックを知らない私でも、まさにその通りだと感じます。
 さらに――
> 宣伝になりますが、この歳になって人生初めての小説を出版することができました。
>『魔術師たちと蠱惑のテーブル』(武田ランダムハウスジャパン)という本です。―中略―
> その本はマジックがテーマのショートショートです。
 うっひゃあ。知らなんだ~。
 これは読まなければ! ということで、さっそく買いました。
 ボナ植木『魔術師たちと蠱惑のテーブル』武田ランダムハウスジャパン(12)
 ぱっと本を開くと、すぐに目に飛び込んでくるのは「ショートショートという無限の宇宙を創った尊敬する故・星新一さんに捧ぐ」という謝辞です。――おおおっ。
魔術師たちと蠱惑のテーブル.jpg ゆるやかなつながりのある連作短編集。各編はショートショートというには長いですね。
 しみじみ&ほのぼの系あり、トリッキーな話あり。小説的な技巧や文章力に関して、ちょっと気になりますけれど、アマチュアとしては充分に合格でしょう。そんな細かいことよりも内容ですよね。魅力的なストーリーで、楽しく読ませていただきました。
 マイベストは「あなたはしっかり私のもの?」でしょうか。途中からぐんぐん物語に引き込まれました。リドルストーリーっぽく進み、そして最後は……。いやあ、こういう話は好きですねえ。この作品が読めただけでも満足です。

【追記】
「寄せ書き」を読み直し、ふと気づきました。
>小学生の頃から星さんのショートショートを読み、時には自分でも星さんの見よう見まねで
>ショートショートもどきを書き、小4の時には学校文集に載ったこともあります。
 ボナ植木は1952年生まれです。ということは小学校4年のときは1962年。――星新一の児童書はまだ1冊も発行されていません(『黒い光』『気まぐれロボット』は1966年、『宇宙の声』は1969年の発行)。そもそも星新一の著作自体が『生命のふしぎ』『人造美人』『ようこそ地球さん』『悪魔のいる天国』『ボンボンと悪夢』の5冊だけ。
 つまりボナ植木は、小学4年(あるいは、それ以前)にして、こういった本を読んでいたのですね。星新一の作品は小学生にも楽しめますが、あの時代に星新一を手にしたことがすごい。――そう思います。
 ほんと、筋金入りの星ファンですね。脱帽。
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『きまぐれ星のメモ』

 今日、SFファンの友人と会いました。そしたら、
「高井さん、これ知ってます? さっき本屋に行ったら、こんなのがあったんですよ。高井さんが欲しがるかと思って、もらってきました。いります?」
 彼が取り出したのは文庫サイズの冊子。表紙には「レイ・ブラッドベリ」とあり……。すぐにわかりました。晶文社の販促冊子「レイ・ブラッドベリ Live Forever」です。
 おわっ。知ってる知ってる。持ってない持ってない。欲しい欲しい。
 こういう気遣いは本当に嬉しいです。感謝感謝。
レイ・ブラッドベリ.jpg きまぐれ星のメモ(新).jpg
 軽く飲んで帰宅しましたら、星新一『きまぐれ星のメモ』角川文庫(12)が届いていました。
 これも嬉しいですね。ありがとうございます。>編集者さま
 ファンの方ならご存じと思いますが、星新一の最初のエッセイ集です。角川文庫では1971年にも発行されていますので、41年ぶりの新版となりますね。
 これまでの出版経緯は――
 読売新聞社(68)*初刊本です。
 角川文庫(71)*旧版。旧版の解説は大坪直行、新版は大森望です。
 日本図書センター(12)*「人間の記録」の1冊。なんと初版の表紙は、書名が『気まぐれ星のメモ』と誤植になっています。扉や奥付では正しく『きまぐれ星のメモ』。重刷分から訂正されるとの話は聞いていますが、確認はできていません。
きまぐれ星のメモ.jpg きまぐれ星のメモ(旧).jpg 気まぐれ星のメモ.jpg
 日本図書センター版は今年2月、今回の角川文庫(新版)は11月の発行です。初刊から44年も経った本が、同じ年に新たな形で2回も出版されるなんて……。ファンとして嬉しい限りです。
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『Ebony and Irony』

 北原尚彦さんに送っていただいた本――第5弾です。
 長崎訓子『Ebony and Irony 短編文学漫画集』パイ インターナショナル(12)――原作付きのマンガ短編集で、原作のほとんどはショートショートです。
 これまでの本とは違って、一般書店で購入できます。にもかかわらず、なぜ代理購入を頼んだかというと……。
 この本が出る前、北原さんから連絡があったんですよね。
「『Ebony & Irony』って本、知ってます?」
「もちろん」
「買います?」
「もちろん」
「版元で直接買うと、特典冊子が付いてくるんですよ。私は注文しようと思ってます。よかったら、高井さんの分も買いますよ」
「へえ、知らなんだ。よろしく~」
 という次第です。いやあ、ありがたや、ありがたや。
EbonyandIrony.jpg 雑記集.jpg
 北原さんからの荷物が届いて最初に読んだのは、実はこの本でした。すでに読まれた方から「面白い」という話を聞いていて、読みたくて仕方がなかったのですよ。
 またたく間に読み終えて――
 うん、面白いです。絵の上手・下手はわかりませんけれど、すっごく「いい」です。造本も素晴らしいし、ほんと、これはお勧めできます。

 なお、収録されているマンガは――
 川端康成「化粧」――新潮文庫『掌の小説』所収
 太宰治「満願」――新潮文庫『奇想と微笑』所収
 倉橋由美子「天国へ行った男の子」――新潮文庫『大人のための残酷童話』所収
 夢野久作「きのこ会議」――港の人『きのこ文学名作選』所収
 星新一「冬の蝶」――新潮文庫『ボッコちゃん』所収
 ハンス・クリスチャン・アンデルセン「パンを踏んだむすめ」――西村書店『アンデルセン童話全集1』所収
 ブルターニュ幻想民話「マリーのものがたり 五人の死者」――国書刊行会『ブルターニュ幻想民話集』所収
 能「道成寺」
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「片影」第3号

 いやはや、参ったなあ。北原尚彦さんに送ってもらった本を消化し切れていないのに、楽しい本が届いてしまいました。
 文藝春秋編「東西ミステリーベスト100」週刊文春2013年1月4日臨時増刊号
 アンケートによる内外ミステリーのランキング本です。
 とりあえず、私が投票した作品がどうなっているか知りたくて、国内編と海外編のベスト100をチェックしました。
 え~、ランクインしていたのは国内編は1編、海外編は3編。う~~ん……。でも、私は好きなんだもんなあ。う~~ん、う~~ん……。
 気を取り直して――
 北原さんに送っていただいた本――第4弾です。
「片影 幻影文藝雑誌」第3号/2011年4月30日発行/片影会
東西ミステリーベスト100.jpg 片影.jpg
 この同人誌を買ってもらったのは、小野塚力「黄金律の探索者 星新一試論」――第1回日本SF評論賞の最終候補が掲載されていると聞いたからです。
 まずは、2段組で57ページというヴォリュームにびっくり。全130ページの雑誌の、ほぼ半分を占めているのですよ。
 確認してはいませんが、星新一のショートショート集(含、短編集)のほとんど(あるいは、すべて)を採り上げているのではないかしらん。ざっと目を通しただけなので、評価を下すのは避けますけれど、労作・力作であることは確かですね。あとでじっくりと読もうと思っています。
 評論といえば、Webちくまで連載が始まった浅羽通明「星新一の思想 とうにユートピアを過ぎては面白いです。ぜひぜひアクセスしてみてください。
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『廣告燐寸』

 北原尚彦さんに送っていただいた本――第3弾です。
◎橋本五郎『廣告燐寸』十三舎/2012年1月31日 初版発行
◎橋本五郎『廣告燐寸』十三舎/2012年11月20日 2版発行
 同じ本ですが、なぜ2冊も買ってもらったかというと……。
 まずは箱です。通常のマッチ箱と同じ大きさ。――というか、マッチ箱です(笑)。
廣告燐寸(箱).jpg
 左が初版、右が2版。ご覧いただければわかりますように、全く同じ。写真はありませんが、裏面も違いはありません。
 マッチ棒を取り出す要領で箱を開けると、なかには本(と本物のマッチ棒)がはいっています。
廣告燐寸.jpg
 左が初版、右が2版。なぜ2冊買ってもらったか、おわかりですよね。
「高井さん、例の『廣告燐寸』ですが、2版は装幀が違うんですって。いります?」
「欲しい欲しい」
 という次第。
 いやあ、こういうのは手元に置いておきたいですねえ。無駄とはわかっていますが、そういうビョーキなんだから仕方がない(苦笑)。――いやしかし、なんちゅうことすんねん。>十三舎(笑)
 ちなみに、この「廣告燐寸」は(400字詰原稿用紙)10枚にも満たない、すなわちショートショートで(嬉)、しかもリドルストーリーです(嬉)。

 豆本については、これまでにも何回か書いています。
◎半村良『深奥への回線』→ここ
◎吉田知子『病気』→ここ
◎結城昌治『ショート・ショート集成』→ここ
◎関根弘『路次裏のブルース』→ここ
◎渡辺温『兵隊の死』→ここ
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「S-Fファンジン」復刊2号

 北原尚彦さんに送っていただいた本――第2弾です。
「S-Fファンジン」2012年8月号(復刊2号)
 昨年発行された復刊1号(この記事)のタイトル・ロゴは「S-Fマガジン」初期の号(創刊号~18号。いわゆる丸背)を模していましたが、復刊2号は19号(1961年8月号)以降のものです。
「S-Fファンジン」復刊2号と「S-Fマガジン」19号を並べてみましょう。
SFファンジン.jpg SFマガジン.jpg
 うわ、そっくり。しかも両誌とも空想科学小説コンテストの入選作が発表され、その文字が表紙を飾っているのですね。(「S-Fマガジン」は、表紙では「S・Fコンテスト」となっていますが、目次や本文では「空想科学小説コンテスト」です)
 今回も、まずは座談会――「SFターミナルの青春」を読みました。出席者は大野輝之、難波弘之、波津博明、門倉純一、菊池誠、巽孝之、小谷真理、立花眞奈美。
 まだ私がファンダムどころかSFという言葉すら知らなかった時代の話です。皆さん、すさまじいパワーだったんですねえ。感心してしまいます。
リュウ.jpg ちょくちょく藤原龍一郎という名前が出てきます。座談会に参加予定でしたが、出張がはいってしまったとのこと。これは残念。古いファンジンを読んでいると、そこらじゅうで目にする名前で、彼が参加していたら、さらに楽しい座談会になったことでしょう。私は一度お会いしたことがあるだけですが、山本孝一さんは親しいんですよね。
 あ、そうだ。藤原さんが出されたファンジンを1冊、ご紹介しましょう。――「別冊ひゅうまんるねっさんす101号 リュウ」ハイ・ソサエティ(発行日記載なし)です。A7判(文庫本の半分の大きさ)、本文16ページ。藤原さんの小説「ちがう」(「SFマニア」17号より改稿転載)を収録。「ひゅうまんるねっさんす」だの「SFマニア」だの、わかる人だけわかってください(笑)。
 いやあ、それにしてもファンダムの先輩方は元気ですね。私も頑張らなきゃ。

【追記】
「SFマニア」終刊号(1971年12月1日発行)と「星群」創刊号(1972年2月1日発行)です。(コメント欄参照)
SFマニア.jpg 星群.jpg
 ブログの読者でこういう書影を喜ぶ人は何人くらいいるのかな。10人以上はいるような気がしますが、さて……。
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英国ゴシック文庫

 今月16日の記事に――
>思うところあって、同じくルイスの『ヴェニスの刺客』牧神社(77)を読み返したくなりました。
 と書きました。
 ふたつの「思うところ」がありまして――
 ひとつは、M・G・ルイス原作の映画『破戒僧 マンクのDVDレンタルが開始されていると知ったこと。観ようか観まいか悩んだのですが、結局、観ることに。幸い、近所のレンタルビデオショップにも1枚だけですが、置いてありました。さっそくレンタルし、鑑賞。
 う~~ん、ビミョーでしたねえ。映像はきれいだし、映画としては楽しめたんですが、小説を読んだときの強烈なイメージからはほど遠く……。
 観ないほうがよかったと思う映画はたくさんあって、しかし観ないといつまでも気になってしまいます。これもその1本ですね。ええ、観たということで満足しましょう。
 で、「思うところ」ふたつめです。
 北原尚彦さんとはしばしば連絡を取り合っています。情報交換したり、あれこれ代理購入を頼んだり頼まれたり。いちいち送るのは面倒だし送料も無駄にかかるので、ある程度溜まったら、まとめて送る(or 送ってもらう)ことにしています。
 ついさっき、北原さんからの荷物が届きました。ブログ検索してみますと、え~、前回は5月23日ですね。
 そこらの書店では買えないものがどっさり詰められていました。そのなかから、まずは英国ゴシック文庫を紹介しましょう。
◎マシュー・グレゴリー・ルイス『アナコンダ』英国ゴシック文庫(12)*改訂版
◎メアリ・シェリー『見えない少女』英国ゴシック文庫(12)
アナコンダ.jpg アナコンダ(紹介).jpg
見えない少女.jpg 見えない少女(紹介).jpg
 ちょっと前に――「こんなの買うけど、欲しい? 欲しければ、一緒に買っておくよ」「お願い」
 先週――「近いうちに入手できるから、ほかのものもまとめて送るよ~ん」「待ってま~す」
 このようなやりとりがあり、ルイスつながりで『ヴェニスの刺客』を手に取った次第。
 ということで、英国ゴシック文庫です。先ほど手にしたばかりで、まだ読んでいませんが、いい感じですね。こんなのを見ると、私も何か作りたくなってしまいます。
 実は、先日プリンタが壊れ、新しいものに買い換えたんですよ。さすが、今夏発売の最新機種。いろんな機能がついていて、凝った版下も作れそうです。あはは。
 ま、それはともかく。
 北原さんから送っていただいた本は、これから徐々に紹介していきます。お楽しみに。

 あ、そうそう。以下余談ですが……。
 本邦未訳の海外作品・私家版・文庫サイズ――3つのキーワードから、E・R・バローズ『科学者の反乱』(カイ書房)を思い出しました。創元推理文庫SFマークを模した装幀はファン心をくすぐります。(詳細はここ
 こんなの、大好きです。
科学者の反乱.jpg
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SFベストセラーズ

 昨夜に続いて、今夜も夜更かししています。
 今日は近所のブックオフ(何軒もあるのですが、そのうちの1軒)を散歩してきました。数年前ならいざ知らず、最近では「おっ」と思うような本を目にすることは滅多にありません。ショートショートの資料も、ブックオフで買えるような本はほぼ入手していますから新たな収穫は期待薄ですし、ブックオフへ行く最大の目的はDVDやマンガだったりします(笑)。
 本日、さほどレアではないと思いますが、懐かしい本を目にして、思わず手に取りました。
 鶴書房・SFベストセラーズの小松左京『見えないものの影』です。この叢書で初めて買ったのは、筒井康隆『時をかける少女』だったと思います。NHKの少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』に魅せられた中学時代。
 その後も高校から大学にかけて、けっこう読みましたね。全貌は知りませんけれど、うちにある最も新しい本は川又千秋『夢の戦士』で、1979年の発行。その巻末には――
SFベストセラーズ.jpg
 うっひゃあ。懐かしいタイトルがずらずら。もちろん、ほとんど読んでいます。SFベストセラーズで持っている本は一部だけですが、ソノラマ文庫とか秋元文庫とか角川文庫とかSFバックスとか、探せば出てくると思います。ほんと、面白かったですねえ。どれも夢中になって読みました。
 書棚から、うちにあるSFベストセラーズを取り出してきました。以下、書影を掲載します。
 帯が付いている本は、中尾明『いて座の少女』と瀬川昌男『眠りの星レア』以外は新刊購入です。『いて座の少女』はいつ買ったのか覚えていませんが、『眠りの星レア』はよく覚えています。瀬川昌男さんの追悼記事を書いて数日後、古書店の店頭100均コーナーで見つけたのです。運命を感じ、買わずにはいられませんでした。

書影を見る。


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映画『愛と誠』

 映画『愛と誠』を観ました。その劇場公開を知って以来、レンタル開始を心待ちにしていた映画です(この記事参照)。
 オープニング(愛と誠、運命の出会い!)はアニメで描かれますが、すぐに実写になります。
 時は流れ……。おお、舞台は1972年ですか。これは嬉しい。物語の舞台は現代に移されていると思い込んでいたのですよ。あの時代が舞台というだけで楽しくなります。(ちょっと調べてみたら、原作マンガの連載は1973年~76年。映画はその少し前の設定なんですね)
 愛と誠が再会し、物語がスタートしますが……。
 うっひゃあ。懐かしい唄やセリフがてんこ盛り! オヤジ心くすぐられまくり!
 あれもこれも、ある年代以上の人にしかわからないのではないでしょうか。私はもちろん「ある年代以上」、というか「ジャストフィット世代」です。いやあ、それにしても『狼少年ケン』には驚いたなあ(笑)。

 何もかもギャグにしか見えない、パロディ満載のお笑いミュージカル映画。――はっきり言って、私が好きだったマンガ『愛と誠』とは別次元の産物です。だって、原作はこんなに笑える作品ではありませんもん(笑)。
 最後はまたアニメ(オープニングの続きのシーン)で締めくくられます。
 いやもはや、ここまでいってしまうと、原作云々は関係ないですね。2時間あまり、ノンストップで楽しめました。面白かった~~~。大満足!

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映画『コナン・ザ・バーバリアン』

 映画『コナン・ザ・バーバリアン』を観ました。

 いやあ、好きなんですよね。>コナン
 コナンは、だいぶ前の劇場映画版ではアーノルド・シュワルツェネッガー、TV映画版ではラルフ・モーラーが演じていました(この記事参照)。今回のコナン――ジェイソン・モモアは、3人のなかで、筋肉の量は最も少ないような気がしますが、一番ハンサムかな。あくまでも「コナン役者3人のなかで」の話ですけどね(笑)。私が持っているコナンのイメージにかなり近く、いい感じでした。
「15歳未満 貸出・販売禁止」とあり、え? なぜコナンが? と思いましたが、映画を観て納得。血どばどば、生首ごろごろ、切り株満載(首も手首も)、もがれた鼻に指つっこまれてグリグリ。いやはや……。まあ、そういう世界の話なんですけれど、映像で見せられると、うげっとなります。いえ、決して嫌いではありませんが(笑)。
 調べてみますと、監督はリメイク版『13日の金曜日』や『テキサス・チェーンソー』のマーカス・ニスペル。――どちらも観ましたが、特に『テキサス・チェーンソー』は、さすがの私も辟易しました。あれと比べたら、『コナン・ザ・バーバリアン』はかなり抑えているのですね。うん、このくらいの残虐描写がちょうどいいです。
 アクションや特撮も楽しいですし、あれこれ総合すると、これまでに観たコナン映画で私的にはベストと言えそうです。続編に期待しちゃいます。

 ということで、記事の1001件を祝って、本日は3回も更新しました。
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『新アラビア夜話』

 1001件目の記事です。「1001」といえば、どうしても星新一のショートショート1001編を思い浮かべてしまいます。こんな、早いときには5分とか10分で書けてしまう記事でも、1001件に達するまでには4年近くかかってしまうのです。ショートショート1001編(それも、ある程度のレベルを維持した作品)なんて、とんでもない数字と思います。
 これは偶然なのですが、しばらく前から星新一公式サイト初出リストを大改訂する作業をしていて、本日、サイトに改訂版がアップされました。昨年の12月に公開して以来、新発見があればその都度データを修正していますし、今年の2月には大改訂を行ないましたが、今回は前回以上の大改訂です。しばしばリストをご覧になっている方なら、◆(初出不明マーク)が激減していることを感じていただけると思います。
 大変な作業でしたけれども、成果が形になると嬉しいですね。もっとも、◆がなくなるまで作業は終わらないのですが……。
 ご協力をお願いいたします。>皆さま

 さて。
 一般的に「1001」といえば、多くの人たちは『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』を思い浮かべるでしょう。私も幼いころ、最初に認識した「1001」は『千夜一夜物語』でした。しかし、ここで『千夜一夜物語』のことを書いても面白くなくて――
 ロバート・ルイス・スティーヴンスンに『NEW ARABIAN NIGHTS』なる作品集があることをご存じの方は多いと思います(「自殺クラブ」と「ラージャのダイヤモンド」の2部構成。前者には3編、後者には4編、計7編)。邦訳は『新アラビア夜話』とか『自殺クラブ』のタイトルで何種類も出ています。
 私はこの本が好きで、見かけて気が向くと購入しています。
 けっこう買ったよなあ。何を持っているんだろ。
 ふいに気になり、記憶を頼りに書棚をうろうろ。発見した本を抜き出してきました。ショートショート集ではなく、きっちりとリストアップはしていませんが、こんなところでしょうか。 

全譯 新アラビヤ夜話』日本書院出版部(24)*全7編+「海邊の假屋」「夜の宿」「マレトロア老人の家の門」「ギターの使命」を収録。あとの4編は、もともとは『NEW ARABIAN NIGHTS』に収録されていて、のちに外されたようです。(所有しているのは裸本のため、書影は扉)
 この4編のみを収録した邦訳本も出ています。私が所有しているのは『臨海樓綺譚 他三篇』新月社・英米名著叢書(46)だけです。
『寶島他三篇』改造社・世界大衆文學全集(28)*『寶島』『ヂェキル博士奇談』『新アラビヤ夜話(全7編)』を収録。
『新アラビヤ夜話』岩波文庫(34)*全訳ではなく、3編のみ収録。
全譯新アラビヤ夜話.jpg 臨海樓綺譚.jpg 宝島.jpg 新アラビヤ夜話(岩波文庫).jpg
『新アラビヤ夜話』八雲書店・スティヴンソン小説全集(48)*全7編収録。
『自殺倶楽部』日本出版協同株式会社・サスペンス・ノベル選集(53)*全7編収録。
『自殺クラブ』福武文庫(89)*全7編収録。
『新アラビア夜話』光文社古典新訳文庫(07)*全7編収録。
新アラビヤ夜話.jpg 自殺倶楽部.jpg 自殺クラブ.jpg 新アラビア夜話.jpg
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「Off-S"ake マガジン」

 1000件目の記事です。よく続きましたねえ。われながら感心します。
 大きな区切りの数字ではありますが、本ブログの場合、区切りはやはり「1001」とするべきでしょうね。
 そんなわけで、特に何ということもなく、いつも通りに……。

 昨日、ミュータンツ関連のファンジン「ふらいでぃ」のことを書きました。
 ミュータンツ・クラブでは数多くのファンジンが発行されています。
 正会誌「MUTANTS」24号(1977年8月発行)に、若尾天星編「ミュータンツクラブ出版物リスト 1962年~77年」が掲載されていて、それを見ると、まさに種々雑多です。
「BEAM」「BEACON」「NEW BEACON」「MUTAION」「MUTATION SPECIAL」「MUTYE」などなど。私も少しは持っていますが、その多くは小冊子とも言えないくらいの、はっきり言って紙切れ(←失礼)でして、ちゃんとした雑誌形態のものは正会誌「MUTANTS」、創作専門の「C.A.T.」「SFマガィジン」『宇宙生物分類学』など、ほんの一部です。
ミュータンツ24.jpg 今日は、いちおう冊子形式になっているということで、別冊MUTANTS「Off-S"ake マガジン」を紹介しましょう。上記「ミュータンツクラブ出版物リスト」によりますと、全6冊。幸いなことに、手元に全号が揃っています。
◎壮観号(第1号)/1970年4月26日発行
◎第2号/1970年7月26日発行
◎第3号/1970年9月26日発行
◎第4号/1970年12月5日発行
◎第5号/1971年3月20-21日発行*梶尾真治特集号
◎特別号(Erotica)/1971年6月26日発行
おふざけ1.jpg おふざけ2.jpg おふざけ3.jpg
おふざけ4.jpg おふざけ5.jpg おふざけ特別.jpg
 え~と、内容は……誌名(おふざけ雑誌)の通りです(笑)。ちなみに、特別号の表紙画は「Virgin Finland」によるもの。
 あ、そうだ。ついでに、ミュータンツクラブが主催した日本SF大会のプログラムブックの書影も掲載しておきましょう。
メイコン.jpg◎第5回日本SF大会「MEICON」1966年
◎第11回日本SF大会「MEICONⅡ」1972年
 この2冊は遙か昔、高校生のころ、岡田正哉さんの家に遊びに行った際、いただいたものです。
◎第18回日本SF大会「MEICONⅢ」1979年
 私が初めて参加したSF大会です。いやあ、懐かしいなあ~。
 うちにあるのは、この3冊だけ。以降のことは知りません。
メイコン2.jpg メイコン3.jpg
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「ふらいでぃ」

 古書検索サイト「スーパー源氏」を見ていて、びっくりしました。大量のSFファンジンが登録されているのです。その数たるや(そして値段も)半端ではありません。(興味のある方は、キーワード「SF同人誌」で検索してみてください)
 うちにもファンジンはけっこうあります。こんな値段で売れるのだったら、一財産ですな(嬉)。――などと思いつつ、つらつら眺めました。
 おお、岡田正也さんの「ベム」もあるぞ。「スカイラークシリーズ用語索引」の号。3号と書いてるけど、これは6号の間違いだよ~。
 ミュータンツ関係も多いですね。正会誌「MUTANTS」はもちろん、「SFマガィジン」もありますし、金曜会(ミュータンツの会合)の会報「ふらいでぃ」(1965年7月創刊)も何冊か登録。
「ふらいでぃ」は、うちにも数十冊あります。ほとんどはペラ1枚(特に初期の号)ですが、ちゃんとした冊子になっている号もあります。適当な号を手に取り、眺めていたら――
 24号(1969年4月発行)掲載の会員名簿に「清水義範」の名を発見。26号(1971年4月発行)には梶尾真治のショートショート「御町内の皆様!」が掲載。んで27号(奥付なし。1972年発行?)には岡田さんがペンネームで小説「正也君再び近鉄特急に乗る」を寄稿。
ふらいでぃ24.jpg ふらいでぃ26.jpg ふらいでぃ27.jpg
 うちにある最も新しい号は97号(2011年10月発行)です。金曜会2500回の歴史をコンパクトにまとめてあります。「金曜会参加者リスト」のなかにはビッグネームがずらずら。あんまりすごいので、ご覧に入れましょう(画像クリックで拡大)。私の名前もあり、お、左隣に清水義範。
ふらいでぃ97.jpg
 こんなのを見ていると、いつの間にやら時間が過ぎ去ります。
 やっぱりファンジンって、楽しいなあ。
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『悪魔の陽の下に』

 昨夜はゴシック・ロマンスに想いを馳せました。その流れで本日、ジョルジュ・ベルナノス『悪魔の陽の下に』が気になっています。
 若かりしころ(10代の終わりだったか20歳になっていたか)に読み始めたものの、どうにも物語にはいりこめず、途中で放棄。で、時は流れ、10年くらい前かなあ、もっと前かなあ、映画のビデオを見かけて購入しましたが、こちらも一度も再生しないまま放置。
 ビデオの紹介文を読むと、映画の主人公役はジェラール・ドパルデューと書かれています。おお、この名前は、俳優の名前はなかなか覚えられない私でも、よく覚えています。
 だいぶ前にNHK-BSで観たドラマ『巌窟王 モンテ・クリスト伯』や『レ・ミゼラブル』で主役(エドモン・ダンテス、ジャン・バルジャン)を演じていました。どちらも抜群に面白かったですね。まさに、はらはらどきどき。
 そうか。あの役者が主役なのか。めらめらと興味が湧いてきました。
 今夜、観ようと思います。
悪魔の陽の下に.jpg 悪魔の陽の下に(映画).jpg
 書影は、新潮社・現代フランス文學叢書(54)です。
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『ヴェニスの刺客』

 高校生のころ、M・G・ルイス『マンク』にとんでもないショックを受けたことは、以前に書いた通りです。思うところあって、同じくルイスの『ヴェニスの刺客』牧神社(77)を読み返したくなりました。
ヴェニスの刺客.jpg 牧神.jpg 出口なき迷宮.jpg
 そういえば一時期、いわゆるゴシック・ロマンスを好んで読んでいたなあ。
 当時を懐かしく思い出し、「牧神」創刊号(1975年発行/ 特集●ゴシック・ロマンス―暗黒小説の系譜)、紀田順一郎『出口なき迷宮 反近代のロマン〈ゴシック〉』牧神社(75)も手に取りました。これらを参考に、いろいろ読んだのですよ。
 どんどん懐かしくなり、書棚から――
◎ホーレス・ウォルポール『オトラント城綺譚』牧神社(75)
◎ウィリアム・ベックフォード『呪の王 バテク王物語』角川文庫(76)
◎ジャック・カゾット『悪魔の恋』逍遙書院(48)
オトラント城綺譚.jpg 呪の王.jpg 悪魔の恋.jpg
 うほほほ。懐かしすぎます。
 さて、ノスタルジーに浸ったところで『ヴェニスの刺客』を読みましょうか。
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沖慶介

 昨日買った清水義範『小説家になる方法』ビジネス社(07)から、まずは引用させていただきます。(89~91ページ)

大学二年生の時に柴野氏から、私が『スーパー・ノバ』に書いたSFショートショートを『宇宙塵』に転載させてくれないか、という連絡が入った。―中略―
 私は『冒険狂時代』という、そのショートショートを少し手直しして送り、やがてそれは『宇宙塵』に掲載された。そのころは沖慶介というペンネームを使っていた。
 その転載から一ヶ月後くらいに、ふいに私のところへ、東京の出版社から電話がかかってきた。『推理界』という雑誌の編集長からの電話で、私の『冒険狂時代』を掲載したいという話だった。―中略―
 やがて、私の『冒険狂時代』が掲載された『推理界』が発売された。―中略―
 さらにその雑誌からは、二、三ヶ月後に、またしてもショートショートを書けと依頼が来た。―中略―私は『殺人狂時代』という作品を書いて、約束の日までに送った。―中略―
 私の『殺人狂時代』が載った号は、一応は出た。しかしその号で、その雑誌はおしまいだった。

 でまあ、いろいろあって、1977年7月、ソノラマ文庫の書き下ろし長編『エスパー少年抹殺作戦』で単行本デビューするわけです(112ページ)。それまでに商業誌掲載はありますが、この本がイコール作家デビューと考えたほうがいいかもしれません。
エスパー少年抹殺作戦.jpg 著者紹介.jpg
 自分のデビューと重ね合わせたり、あれこれ思いを巡らせていて――
 ソノラマ文庫以前に清水義範(沖慶介)の作品が掲載された雑誌、うちにも何冊かあるなあ。
 と思いました。書棚をごそごそ。探してきましたので、紹介します。
 まずはファンジンから。
◎「MUTANTS」14号(1968年8月25日発行)――「露出狂時代」沖慶介名義
 名古屋の同人誌「スーパー・ノバ」同人諸氏からの招待作品とのこと。なお、「尊敬の念を持って筒井康隆氏に捧げる」との献辞があります。
◎「宇宙塵」№129(1968年12月号)――「冒険狂時代」沖慶介名義
「スーパー・ノバ」№9より転載。
◎「宇宙塵」№155(1971年6月号)――「待っている」沖慶介名義
「飛行船」6号からの改稿転載。
ミュータンツ.jpg 宇宙塵129.jpg 宇宙塵155.jpg
 続いて商業誌。
◎「推理界」1969年7月号――「殺人狂時代」沖慶介名義
 残念ながら、「冒険狂時代」掲載の「推理界」はありませんでした。実は「推理界」、ほんの少ししか持っていなくて、この号を買ったのはおそらくカミ「處女華受難」が掲載されているから、と思います。
 なお、『小説家になる方法』には――
>私の『殺人狂時代』が載った号は、一応は出た。しかしその号で、その雑誌はおしまいだった。
 と書かれていますが、間違い。次号(8月号)も出ています。怪奇・恐怖小説特集が組まれていて、平井呈一の長編『真夜中の檻』が一挙掲載。これ目当てに買ったものと思われます。
◎「小説ロマン」1976年10月号――「暗黒能力」清水義範名義
 半村良が「著者紹介の辞」を寄せています。この記事のコメント欄に書きましたが、「小説ロマン」は宮崎惇「日本ロスト・ワールド」シリーズを読むために買っていました。この号で終刊。
推理界7月号.jpg 推理界8月号.jpg 小説ロマン.jpg
てんたくるす.jpg 以上ですが、もう1冊――
◎「てんたくるす」№56(1969年8月1日発行)――「KYUCONに寄せて(二)」沖慶介名義
 KYUCONプログラム号。KYUCON(第8回日本SF大会)に寄せた祝辞(無題)なんですが、オチがあり、一種のショートショートと言えないこともありません。

 う~む。
 清水義範アマチュア時代のファンジン「スーパー・ノバ」や「飛行船」が読みたくなってきましたが、入手はほぼ不可能なんでしょうねえ。
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『小説家になる方法』ほか

 ここ3日ほど家に閉じこもり、古文書(笑)の解析に奮闘していました。なかなかの「達筆」なのですが、幸いなことに、家のなかが土だらけになるなんていう事態にはなっていません(ほとんどの方には意味不明と思います。気になる方は田丸雅智のショートショート「みみずの大地」をお読みください)。こういう作業は好きで、楽しいのですけれど、さすがに外の空気が吸いたくなり、そこらをサイクリングしてきました。
 ブックオフに寄って――
小説家になる方法.jpg 日本語発掘.jpg
帯.jpg◎清水義範『小説家になる方法』ビジネス社(07)
 今さら小説家になろうなんて思わないのですが(笑)、ぱらぱらと立ち読みしたところ――おお、清水義範の読書遍歴、SFファン活動遍歴が書かれているではないですか。これは面白い。
 ほおほお、こんな本を読んで過ごしましたか。んで、ファンジン「スーパー・ノバ」を出して、それを柴野拓美に送ったら作品が「宇宙塵」に転載されて、それが今度は商業誌「推理界」に転載されて……。もちろん、師匠・半村良との交流も書かれています。興味深いエピソードが満載!
 本の後半は、小説を書く具体的なノウハウが書かれています。しかしまあ、結局は帯に書かれている3行(右の写真)ですよね。単純なんですよ、作家になる方法なんて。たくさん読んで、たくさん書く。――それしかないんです。「好きな作家は全部読む」って、なかなか鋭いなあと思います。
◎加藤主税編著/中根英登著『日本語発掘 和語の世界』晃学出版(02)
 巷に氾濫するカタカナ言葉を(わかりやすく言えば)漢字や平仮名にしちゃおう、というコンセプトの本です。といっても、一筋縄ではいきません。
 たとえば、コンピュータ用語のトップにあるのは、ずばり「コンピュータ」です。これを単純に「電脳」とするわけではなく、「電脳」→「かしこ」と変換させてしまいます。
 そういうパターンで、たとえば――
 クリック:押釦→ちょん
 ドラッグ&ドロップ:移動投下→つかんでほうりこむ
 レトロ:懐古→なつかし
 カジュアル:普段着→なにげ
 フォアボール:四球→あるけ
 コンプレックス:劣等感→きおくれ
 サービス:奉仕→おもてなし
 とまあ、こんな具合。
 死語に関する考察もあり、これもなかなか興味深いです。
 ショートショートの収穫はありませんでしたが、楽しい本を2冊も買うことができました。嬉しい。
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映画『ザ・ウォーカー』

ジャケット.jpg
 こんなのを読んだら、多くの人は『華氏451』を想起するのではないでしょうか。星新一の読者でしたら、ショートショート「ホンを求めて」(『さまざまな迷路』に収録)も思い浮かべるかもしれません。
 おお、楽しそう。――というわけで、映画『ザ・ウォーカー』を観ました。

 核戦争後の荒廃した世界を旅する1人の偉丈夫。うはっ、『マッドマックス』! 前にも書きましたが、私の大好物です。
 こういった世界観やアクション・シーンは面白いんですよね。しかし……。
ザ・ウォーカー.jpg「最後の本」というのは、本自体が1冊しか残っていないわけではなく、ある特定の本の話です。その本が『××』であろうことは最初から想像でき、違っていたらいいなあと思いながら観ていたのですが、残念、想像は当たっていました。『××』じゃなかったら、何倍も面白い映画だったろうなあ。
 この『××』には予想外の事実が隠されています。それが明らかになったとき――
 えーっ! △△だったの? ってことは、主人公は◇◇?
 う~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。
 絶句してしまいました。

 以下、『華氏451』あれこれです。左から、映画DVD、元々社・最新科学小説全集、ハヤカワSFシリーズ。
華氏451.jpg 華氏四五一度.jpg 華氏451度.jpg
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訃報:石上三登志さん

 喜多哲士さんのブログで石上三登志さんが亡くなられたことを知りました。
 11月6日歿。享年73。
手塚治虫の奇妙な世界(文庫).jpg 若すぎますねえ(悲)。

 書棚を見回し、目についた石上さんの著作を取り出してきました。
『男たちのための寓話 私説ヒーロー論』すばる書房(75)
『吸血鬼だらけの宇宙船 怪奇・SF映画論』奇想天外社(77)
『手塚治虫の奇妙な世界』奇想天外社(77)/学陽文庫(98)
『地球のための紳士録』奇想天外社(80)
『ギャグ&ギャグ』講談社(85)
『SF映画の冒険』新潮文庫(86)
男たちのための寓話.jpg 吸血鬼だらけの宇宙船.jpg 手塚治虫の奇妙な世界.jpg
地球のための紳士録.jpg ギャグ&ギャグ.jpg SF映画の冒険.jpg
 石上さんの著作からは実に多くのことを学ばせてもらいました。
 最も思い出深いのは、なんと言っても『地球のための紳士録』ですね。校正というか校閲というか、私が気になる箇所をチェックするという役目を仰せつかったのですよ。そんなの大好きですから、「任せとけーっ」とゲラを持ち帰り、嬉々として読みました。じーっくり、丹念に。細かいことは全く覚えていませんが、いくつかはミスを発見したような気がします。
 当時のことを懐かしく思い出しつつ――
 ご冥福をお祈り申し上げます。
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映画『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

 映画『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』を観ました。テレビ録画しておいたものです(今月11日放映)。

 もちろん原作は、言わずと知れたアレクサンドル・デュマの『三銃士』(『ダルタニアン物語』の第一部)です。私にとってデュマといえば『モンテ・クリスト伯』で、それとは比べるべくもありませんが、『三銃士』も好きです。
 サブタイトルにもありますように飛行船が出てきて、空中バトルが繰り広げられますし、登場人物のキャラクター設定が違っていて、それによってストーリーに変更が加えられたり、あれこれ違いはありますけれど、ええ、これは紛れもなく『三銃士』ですね。同じく古典の映画化でも、まるっきり別のものになっていた『ガリバー旅行記』とは大違い(笑)。面白かったです。
 ただ、この終わり方はどうなのかなあ。テレビの連続ドラマじゃないんだから(苦笑)。まあ、続編を制作する気が満々なのはわかりますし、期待していますが。
三銃士.jpg 鉄仮面.jpg
 久しぶりにジーン・ケリー版『三銃士』(1948年)を観たくなりました。それとも、サイレント映画『鉄仮面』(1929年)にしようかしらん。
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『海外ミステリ・ゼミナール』

 古書店で、仁賀克雄『海外ミステリ・ゼミナール』朝日ソノラマ(94)という本を見かけました。手に取り、「あとがき」を読みますと――

『海外ミステリ入門』を朝日ソノラマから出版したのは一九七六年のことだった。―中略―
 それから十一年後の一九八七年に増補改訂版『海外ミステリ・ガイド』を文庫版で刊行した。―中略―
 そしてまた七年が経った。

 前著を「ほぼ全面的に書き直し」たのが、この『海外ミステリ・ゼミナール』とのこと。
 う~~ん。『海外ミステリ入門』は読んだなあ。『海外ミステリ・ガイド』はちゃんと読んでないけど、持ってるな。『海外ミステリ・ゼミナール』はどうだっけな。読んでないのは間違いないけど、持ってるかも。
 少々悩みましたが――安いから、買っておこうか。買わずに帰って、持ってなかったら後悔しそうだし。
 で、帰宅して書棚をチェックしましたら……ありました(悲)。覚悟はしていたとはいえ、やはり悔しいですね。
 こんなこと、しょっちゅうです。そのたびに反省するのですが、こればかりはどうしようもありません。だいたい、読んだかどうかすら忘れている本が多いのに、所有しているかどうかなんて……(苦笑)。
 こういう情けないことが少しでも減るように。――と祈りを込めて、この記事を書くことにしました。こうして書いておけば、少なくともこの3冊に関しては、持っているか悩むことはなくなるでしょう。あはははは。←むなしい笑い
 ちょっと調べてみましたら、『新 海外ミステリ・ガイド』論創社(08)という本も出ていると判明。さらなる改訂版なのかしらん。
海外ミステリ入門.jpg 海外ミステリ・ガイド.jpg 海外ミステリ・ゼミナール.jpg
 DVDも、前に借りた映画をまた借りてしまったりします。たま~に、ですけど。
 似たようなタイトルが多いし、内容も似ているし、覚えてられません。
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『われら月面に立つ』

 昨年3月14日の記事・コメント欄に、以下のように書きました。
> アポロ11号にはロマンを感じましたねえ。私がSFに目覚める前でしたが、
>そんなことは関係ありません。もう、わくわくどきどき! そういうことには
>興味のない父親までが関連書籍を買ってきたりして(嬉)。今でも大事に
>持っています。
 ゆえあって、その本を手に取りました。
写真記録 われら月面に立つ』講談社(1969年8月20日発行)
 付録のソノシートとステレオカードが、なんとも時代を感じさせます。ソノシート、聴きたいなあ。しかしプレイヤーがなく……(悲)。
 正規の付録とは別に、大阪万博で展示されていた「月の石」の写真も挟んでありました。私が撮影したものです。1970年。当時、私は中学1年。
 うほほー。これだよ、これ。これを見るために長蛇の列に並んだんだよなあ。
 あまりにも懐かしいです。皆さまにもご覧に入れることにしましょう。
われら月面に立つ.jpg 月の石.jpg
 あ。ふと気づけば、奇しくも今日は亡父の誕生日……。
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映画『メタルマン』

 映画『メタルマン』を観ました。
メタルマン.jpg ジャケット.jpg
 ジャケットの紹介文を読んで――
 ほお。すっごい機能を持つ戦闘用マスクですか。
 私の脳裡に閃いたのはマンガ『エリート』でした。平井和正・作/桑田次郎・画。
 もちろん、こういったマスクが『エリート』の専売特許でなく、類似作品は山のようにあることは承知しています。懐かしいところでは『パーマン』のヘルメットもそうですよね。
 でも私は『エリート』が大好きなんですよ。これまでに何回読んだことか。以下の書影はソノラマ漫画文庫(77)です。第1巻の表紙は戦闘服を着た滝竜太郎(エリートの1人)。桑田次郎のデザイン、どうしてこんなにカッコいいんでしょ。
エリート1.jpg エリート2.jpg エリート3.jpg
 それはともかく――
 わくわくしてDVDをプレイヤーにセットしたんですが……。
 えー? これが2008年の映画? ひと昔前の特撮ヒーローものと大差ないという印象です。「学生の自主制作映画だよ」と言われても、「そっか。それなら仕方がないな」と思ってしまうようなクォリティー(苦笑)。
 ネットで調べてみたところ、映画『アイアンマン』の便乗作品と判明しました。なるほど~。とはいえ『アイアンマン』を観たことがないので、あんまりよくわからないのですが(笑)。
 お口直しに『パーマン』を観ることにしました。モノクロ! 懐かしすぎます。

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映画『バンパイアの惑星』

バンパイアの惑星.jpg 映画『バンパイアの惑星』を観ました。今年8月26日の記事・コメント欄で、「今年じゅうに観られたらいいな」と書いた映画です。
 私の大好きな映画『エイリアン』の元ネタと言われているそうですが、この点に関しては、あんまりピンとこなかったです。といって、楽しめなかったわけではなく、これぞ古き良き時代のSFホラー映画という感じで、楽しく観ることができました。
 前の記事のコメント欄で香川治成さんや山本孝一さんも書かれていましたが、この結末はいいですね。私は映画『猿の惑星』第1作を思い出しました。
ストーリー.jpg

 ビデオを貸してくださったSさん、ありがとうございました。
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