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TV番組『ビーバップ! ハイヒール』

 昨日、新聞のテレビ欄を眺めていたところ、「夏の恐怖 日本ホラー最高峰」という文字が目に飛び込んできました。番組名は「ビーバップ」とあります。ん? ビーバップ? 『ビーバップ! ハイヒール』?
 関西在住時代は楽しく観ていましたが、名古屋に転居してからは観られず、淋しく思っていました。(「星新一は未来を見ていた」なんてテーマで放送されたこともあります。これは絶対に観なくてはならないと思い、関西の知人に録画を頼みました。→この記事
 いつの間に名古屋で放送が始まったのか知りませんが、ともあれ嬉しいことです。録画予約し、先ほど番組鑑賞。あー、『雨月物語』ですか。つい先日、映画を観たばかりということもあり、まさにグッドタイミング。中心となるのは『雨月物語』を現代風にアレンジしたドラマで、とても楽しかったです。
 調べてみますと、今回のは関西では8月2日に放送されたもの。1ヶ月近く遅れた放送ですが、そんなことは気になりません。観られれば満足。もちろん、次週以降も録画するようセットしました。>『ビーバップ! ハイヒール』
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「厭な解説(もっと厭な読書案内)」

 京極夏彦『厭な小説 文庫版』祥伝社文庫(12)の解説――北原尚彦「厭な解説(もっと厭な読書案内)」を楽しんでいます。読者に厭な味わいを与える小説の読書案内です。
>「厭」というのはあくまでも感覚の問題なので、あれが入っていないとかこれはそんなに厭じゃないとかいう、厭な文句は受け付けないので、念のため。
 と書かれています。もちろん承知していますとも。
 でまあ、採り上げられている作品ですが、とにかく私はこんなのが大好きですから、「あ、知ってる知ってる」「あ、読んだ読んだ」と、もう楽しくて楽しくて……。これほど楽しい文庫解説なんて、滅多にないです。
 そんななかで、ん? と思ったのがパトリシア・ハイスミスの短編(というか、ショートショートと言ってもいい長さ)「かたつむり観察者」です。
 このブログでも何度か書いています(たとえばここ)ように、私はショーン・ハトスン『スラッグス』――ナメクジうじゃうじゃ(笑)が大好きです。片や「かたつむり観察者」はカタツムリうじゃうじゃ(笑)。
 懐かしくなり、同作品が収録されている短編集『11の物語』ハヤカワ文庫ミステリアス・プレス(90)/ハヤカワ・ミステリ文庫(05)を手に取りました。
厭な小説.jpg 11の物語(MP).jpg 11の物語(HM).jpg
 目次を眺めて、ぱっと目に飛び込んできたのが「クレイヴァリング教授の新発見」です。巨大カタツムリ小説(笑)。と同時に、ここんところマイブームとなっているレオポルド・ショヴォーの短編「大きなカタツムリの話」を思い出しました。『ショヴォー氏とルノー君のお話集2 子どもを食べる大きな木の話』福音館(86)/福音館文庫(03)に収録。同じくカタツムリを扱っていながら、こちらは全く厭な感じはありません。ユーモラスで、ほのぼのと楽しい小説なんですよね。
子どもを食べる大きな木の話.jpg
 この違いは、たとえば――
 ゴキブリ映画といえば『クリープショー』を筆頭に『ザ・ネスト』『ブラッダ』『ブラック・ビートル』『アベレーション2』など、嫌悪感爆発が当たり前ですが、そんなのばかりではなく、『ジョーズアパートメント』みたいなコメディ映画もあります。――同じような関係なのかなあ、なんて思ったりして(笑)、「厭な解説(もっと厭な読書案内)」のせいで、どんどん妄想が広がっていきます。
クリープショー.jpg ザ・ネスト.jpg ブラッダ.jpg
ブラック・ビートル.jpg アベレーション2.jpg ジョーズアパートメント.jpg


 YouTubeついでに、ナメゴン。


女嫌いのための小品集.jpg このままだと収拾がつかなくなりますので、パトリシア・ハイスミスのショートショート集を紹介して、この記事を終わることにしましょう。
『女嫌いのための小品集』河出文庫(93)

【註】この記事の書影は、すべて同じ縮小率にしました。とんでもなく巨大で、収納場所に困っています。>ショヴォー
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『全1192試合 V9巨人のデータ分析』

V9巨人のデータ分析.jpg 小野俊哉『全1192試合 V9巨人のデータ分析』光文社新書(09)を読んでいます。
 V9時代の読売巨人軍はなぜ強かったのか? リーグ9連覇のみならず、日本シリーズでも負け知らず。
 長嶋茂雄、王貞治がいたから? だとしたら、なぜ2008年の横浜ベイスターズ(本塁打王と首位打者が在籍)は最下位だったのか。
 2004年、巨人は他チームの4番打者(ローズ、ペタジーニ、江藤智、清原和博)を集め、史上最強打線を形成。チーム本塁打259本とプロ野球新記録を塗り替えたが、チームは3位だった。なぜか。
 ということで、V9時代のジャイアンツ全1192試合を詳細にデータ分析したのが、この本です。
 ジャイアンツのV9は1965年~1973年。私の小学校から中学校までの9年間と、ほぼ重なります。物心がついてから(=野球のルールがわかるようになってから)プロ野球セントラル・リーグの優勝チームは、そして日本シリーズで勝つチームも、常にジャイアンツだったわけです。いやあ、本当に強かったです!
 あの時代のジャイアンツを改めて見つめるというのは、プロ野球を知る上で有意義ではないかと思います。実際、この本にはすさまじいデータが掲載されていて、「へえ」「うわあ」「げげげっ」なのです。一応これでも、半世紀近くプロ野球を観てきていますが、まさに「目から鱗」の連続。
 こういったデータを眺めるのは好きで、私の書棚には以下のような本も並んでいます。
 宇佐美徹也『最新版 プロ野球データブック』講談社文庫(95)
 新宮正春『プロ野球を創った名選手・異色選手400人』講談社文庫(99)
プロ野球データブック.jpg プロ野球を創った名選手・異色選手400人.jpg 背.jpg
 V9からは外れますが、私的には巻末の「資料2 セ・リーグ9年区分の成績」も極めて興味深いです。ペナント・レースは1年ごとに順位を決めますが、このデータは、ペナント・レースが9年(およそ1200試合)のスパンで行なわれた場合の順位表なんですね。こういう集計データを見たいな、と以前から思っていたのでした。
 当然のことながら、V9時代のジャイアンツは圧倒的に強いです。9年間のトータルでは、2位のタイガースを、なんと88.5ゲームも引き離して、ぶっちぎりの首位。
 それ以前も以後も、ゲーム差の増減はあり、2位以下のチームに違いはありますけれど、いずれの9年間もジャイアンツが圧倒的に首位です。
 その雲行きが怪しくなるのが1992年~2000年の9年間です。首位の座は死守するものの、2位スワローズとの差はわずか4.0ゲーム! 9年間のトータルが4ゲーム! ほとんど差はないと言ってもいいでしょうね。
 で、その次――21世紀のセ・リーグ。
 本書の発行が2009年ということで、データは2001年~2008年の8年間です。私の個人的な感覚では、「ジャイアンツ、ドラゴンズ、タイガースの戦いで、残り3チームを大きく引き離しているだろうな」で、それは間違っていませんでした。首位はタイガース、5.5ゲーム離れて2位がドラゴンズ、2位から7.0ゲーム離れて3位がジャイアンツ。4位は3位から32.0ゲーム差のスワローズ。――21世紀にはいってからのタイガースは常に優勝を争うチームなんですねえ。
 古くからの熱烈なタイガース・ファンのなかには、今年みたいに成績がふるわないと、「暗黒時代のタイガース」なんて話題を持ち出す人もいます。私の印象でも、確かにタイガースは長期にわたって弱かったですね。かなり強い21世紀のタイガースに比して、「暗黒時代」って、どれくらい暗黒だったんだろ?
 ということで、20世紀のデータを見ますと――
 1950年~1955年、1956年~1964年、1965年~1973年(V9時代)、1974年~1982年:首位は変わらずジャイアンツ。タイガースは3位、2位、2位、3位です。暗黒時代が始まるのは……。
 1983年~1991年:首位はジャイアンツで、167.0ゲーム離されて、最下位はタイガース。1シーズン平均の巨人とのゲーム差は18.6。
 1992年~2000年:首位はジャイアンツで、124.0ゲーム離されて、最下位はタイガース。しかも5位カープとの差も66.0ゲーム。1シーズン平均の巨人とのゲーム差は13.8。5位とのゲーム差は7.3。
 なるほど~。伝統の巨人・阪神戦とか言われながら、20年近い間、こんな状態が続いたのですね。ほんと、めった打ちのサンドバッグ状態。阪神ファンのなかに「巨人、許せん。巨人嫌い。巨人ファンも嫌い」なんて人がいるのもわからなくはないです。逆の成績だったら、巨人ファンが「阪神、許せん」になっていたかも(笑)。
 そんなこんな、あれやこれやで、実に楽しい本です。ジャイアンツが好きとか嫌いとか関係なく、すべてのプロ野球ファンにお勧めします。
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『謎の謎その他の謎』

 新刊です。
◎山口雅也『謎の謎その他の謎』ハヤカワ・ミステリワールド(12)
 タイトルは「リドルのミステリその他のリドル」と読みます。
 この表紙は反則ですよねえ(嬉)。この表紙だけが目的で本を買う人も数多くいるのではないでしょうか。
 以下、裏表紙の惹句より――

ミステリ(謎)に必ずしも答えがあるとは限らない。芥川龍之介「藪の中」のように、謎(リドル)があり、結末を読者の想像に任せる物語をリドル・ストーリーという。本書はそんな脳を刺激し興奮の極致へ誘うリドル・ストーリーばかりを集めた世界でも類を見ない短篇集だ。王女サロメと彼女を巡る人々の選択や、連続殺人鬼が出す謎々、サラリーマンが出会う不条理等奇妙な味の謎(リドル)をご堪能あれ
謎の謎その他の謎.jpg 夜の旅その他の旅.jpg
 右はチャールズ・ボーモント『夜の旅その他の旅』早川書房・異色作家短篇集(61)です。
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映画『恐怖の火星探検』

 DVDショップであれこれ手に取っていたら、気になる映画がありました。
恐怖の火星探検.jpg タイトル.jpg
 1958年のアメリカ映画です。
 何度も書いていますように、もう私、『エイリアン』第1作が大好き! 確実に生涯ベスト10入りします。
 これは観なければ! ――ということで、さっそく鑑賞。
 うわあ、これはビミョー。確かに『エイリアン』との類似点が見受けられ、原点と言えないことはないですね。肝心のエイリアン(というかモンスター)が「あんなの(笑)」というのは、まあ50年代SF映画ということを考えれば許容範囲と思います。
 ただし決定的な違いがあります。『エイリアン』の面白さは圧倒的だけど、『恐怖の火星探検』はさほどではないということです。『エイリアン』があるから観る気になり、『エイリアン』との比較が楽しい。――私にとって、そういう映画でした。

 もう1本、『ヴァンパイアの惑星』という映画(1965年、イタリア/スペイン)も『エイリアン』の元ネタと言われているそうです。まだ観ていないので確かなことは言えませんが、こっちのほうが私好みみたいな……。
 機会があれば、ぜひ観たいと思います。
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『いなかっぺ大将』

 川崎のぼる『いなかっぺ大将(全5巻)』にちぶん文庫(94)を手に取りました。子どものころ、本当に楽しく読み、またアニメも楽しんだマンガです。
初登場.jpg 懐かしいなあ~となるはずだったのですが、1ページ目を開いた途端、目が点になりました。――これが風大左ェ門? あの大ちゃん? ウッソー。
 以下、全5冊の書影をアップします。これらの表紙に描かれているのが、私の記憶に残っている大ちゃんです。皆さんもそうではないでしょうか。なのに、この凜々しい大ちゃんは……?
いなかっぺ大将1.jpg いなかっぺ大将2.jpg いなかっぺ大将3.jpg
いなかっぺ大将4.jpg いなかっぺ大将5.jpg
 その謎は、第5巻の川崎のぼる「●あとがき●『いなかっぺ大将』の思い出」を読んで、明らかになりました。
 もともとの依頼は、『巨人の星』(そのころ川崎のぼるが連載していた)のような熱血スポーツものだったんですね。当初は、柔道少年が田舎から上京し、縦横無尽の活躍をする、男性的でスケールの大きな物語をイメージしていましたが、キャラクター設定に無理がありました。動物の言葉が話せる。都会音痴。下駄履きの着物姿。ふんどし着用……。
 ギャグマンガになる要素満載、というよりもギャグにならざるを得ない(笑)。連載を重ねるうちに「熱血」が「熱血ギャグ物」に進路変更。連載開始から半年も経つころには完全に「ギャグ物」になっていたとのこと。
 なるほど~。熱血スポ根マンガの主人公でしたら、初登場時の顔にも納得できますよね。しかし私、このマンガはかなり初期から読んでいたと思うんですが、完全にギャグのイメージしか残っていません。
 アニメはどうだったのかなあ。全編ギャグ・トーンだったような気がするのですが……。

アニメ「いなかっぺ大将」  OP 投稿者 spyagent0011

【追記】
 初登場の大ちゃんを見たとき、私は『アニマル1』の主人公を思い出しました。

 うわあ。懐かしいなあ。え? 朱里エイコが歌っていたのですか。知りませんでした。
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TVドラマ「国語入試問題必勝法」

国語入試問題必勝法.jpg ビデオテープをチェックしていて、「国語入試問題必勝法」なるタイトルに目がとまりました。清水義範の作品に違いありませんが、はて、どんな内容だったか? 小説を原作とするドラマ? 小説を題材にしたバラエティ番組?
 まるっきり思い出せず、観ることにしました。ああ、単発のTVドラマでしたか。うん、なかなか面白かったです。

 清水義範について書き始めると大変なことになりますので、今回はスルー。とりあえず、ショートショートの資料としてリストアップしている本を紹介します。

『深夜の弁明』実業之日本社(88)/講談社文庫(92)/徳間文庫(99)
『ナウの水びたし』文藝春秋(91)/文春文庫(94)
『新アラビアンナイト』集英社文庫(07)
深夜の弁明.jpg ナウの水びたし.jpg 新アラビアンナイト.jpg
 とにかく清水義範の著作は極めて多く、私が見逃している作品集があると思います。何か気がつかれましたら、ぜひご教示を。 
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映画『デンデラ』



『楢山節考』のサバイバル版と勝手に想像していて、いやそれは決して間違ってはいないのですが、途中から、そんなことはすっかり忘れてしまうような展開となり……。姥捨て映画を観ながら、まさか『アマゾネス』や『グリズリー』を思い出そうとは!(笑)
グリズリー.jpg 期待を上回る面白さ――ではなくて、期待と全く外れた面白さを満喫しました。楽しかったです。
『アマゾネス』は何度も観ていて食傷していますけれど、『グリズリー』は大昔にテレビで観ただけと思います。久しぶりに鑑賞したくなり、ビデオに録画してないかしらん……とチェックしてみましたが、見当たらず。レンタル・ショップで見かけたら、借りようと思います。
 書影はウィル・コリンズ『グリズリー』勁文社・シネマノベルス(76)です。

『グリズリー』を探していて、『レイザーバック』に気がつきました。クマならぬイノシシが人間を襲う映画です。あんまり覚えていないのですが、今ひとつだったような……。
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TV『未知への旅』

 20年以上前(おそらく1990年放送)のTV番組『未知への旅―21世紀へのタイムトラベル―』を観ました。かのアーサー・C・クラークをホストに据えた科学番組です。
未知への旅.JPG クラーク.JPG
 第1話 宇宙 スターチャイルドの誕生
 第2話 地球 ソフト・プラネットの改造
 第3話 生命 進化は加速する
 第4話 機械 もう一つの進化
 最終回 時間 果てしない流れを超えて

 民放の番組なのに、まるでNHKスペシャルみたい(笑)。当然のことながら情報としては古いのですが、しかしそれでも面白い! これは永久保存版にしなければならないと思い、DVD化することにしました。
 番組を観ている途中、本棚から取り出したクラークの著作3冊――
『宇宙文明論』ハヤカワ・ライブラリ(65)
『未来のプロフィル』ハヤカワ・ノンフィクション(66)
『宇宙のオデッセイ2001』ハヤカワ・ノヴェルズ(68)
宇宙文明論.jpg 未来のプロフィル.jpg 宇宙のオデッセイ2001.jpg

 さて。
 アーサー・C・クラークといえば、ご存じの通り、海外SF御三家のひとりです。若かりしころの私は、「クラーク、アシモフ、ハインライン」と念仏のように唱えていました。
 いつのころからか読まなくなってしまいましたが、ショートショートの資料として、短編集だけはチェックしています。

短編集リストを見る。


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映画『トータル・リコール』



トータル・リコール.jpg 先日、映画『トータル・リコール』が公開されました。1990年の同題映画のリメイク。原作はフィリップ・K・ディックの短編「追憶売ります」です。
 なんだか懐かしくなって、オリジナル版を観ることにしました。久しぶりの鑑賞ということもありましょうが、新鮮な気持ちで楽しく観られました。
 リメイク版はDVDで観ようと思っています。う~~~む、楽しみ。

 ふと、原作は何で読んだんだっけ? と首を捻りました。
 ディックの短編集って、日本オリジナルの作品集やら傑作集やら、大量に発行されていて、何が何やら、さっぱりわからないのですよね。
 そのものズバリ、『トータル・リコール』というタイトルの本を書店で見たような気がしますが、もちろん私が読んだ本ではありません。
 とりあえず、うちにある本で「追憶売ります」が表題となっているのは、ドナルド・A・ウォルハイム&テリー・カー編の年次アンソロジー(全4巻)の1冊です。
『時のはざま ワールズ・ベスト1965』ハヤカワ文庫SF(77)
『忘却の惑星 ワールズ・ベスト1966』ハヤカワ文庫SF(78)
『追憶売ります ワールズ・ベスト1967』ハヤカワ文庫SF(78)
『ホークスビル収容所 ワールズ・ベスト1968』ハヤカワ文庫SF(80)
時のはざま.jpg 忘却の惑星.jpg 追憶売ります.jpg ホークスビル収容所.jpg
 あとは……そうですね。新潮文庫で出たディックの日本オリジナル短編集(全3巻)の2冊目『模造記憶』には「追憶売ります」が収録されています。(あくまでも、うちにある本限定の話です)
『悪夢機械』新潮文庫(87)
『模造記憶』新潮文庫(89)
『永久戦争』新潮文庫(93)
悪夢機械.jpg 模造記憶.jpg 永久戦争.jpg
『模造記憶』の解説(浅倉久志)には、「「追憶売ります」が、Total Recallの題名で映画化されることになり、八九年四月にメキシコ・シティで製作にはいったという。主演はなんとあのアーノルド・シュワルツェネッガーで(後略)」とあります。
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「CORE」

 石原藤夫さんの作られたSFファンジン画像集を楽しんでいます。
 画像集には(全冊ではありませんが)「CORE」も収録されています。その昔、荒巻義雄が中心となって発行していたファンジンです。コアクラブ(正式名称は北海道SFクラブ)発行。
 創刊号(1965年2月10日発行)~第11号(1967年1月30日発行)は冊子形態で発行。5年間の休眠ののち復刊。第12号(1972年2月10日発行)~第14号(1972年8月10日発行)はペラ1枚。第13号の裏は「犬神明後援会新聞」創刊号(発行所/コアクラブ)、第14号の裏は「招き熊 北海道SF大会 協賛新聞」創刊号(発行所/イスカーチェリクラブ)です。15号以降が発行されているか知りません。
 荒巻義雄はおもに「荒巻邦夫」名義で活動しています。この名前は私にとっても以前から馴染み深いものです。特に深く考えることなく、「荒巻義雄の本名は邦夫なんだな」と思っていました。ところが……。
 ふと思い立って「CORE」のことをネット検索していましたら――
 え? 荒巻義雄の本名は義雅?
 そこらじゅうに、そう書かれているではありませんか。
 ウッソー。
 書棚を見回し、目についた東雅夫&石堂藍編『日本幻想作家事典』国書刊行会(09)を見ましたら――
>本名邦夫、後に義雅と改名。
 あらら、そうだったのですか。ぜーんぜん知りませんでした。
 古くからのSFファンの多くは、私と同じく「ウッソー」ではないでしょうか。
 そう思って、記事を書くことにした次第です。

          *               *              *

 処女出版『白壁の文字は夕陽に映える』ハヤカワSFシリーズ(72)+いただいたサイン
 処女長編『白き日旅立てば不死』早川書房・日本SFノヴェルズ(72)
 白壁の文字は夕陽に映える.jpg サイン1.jpg 白き日旅立てば不死.jpg
 超傑作長編『神聖代』徳間書店(78)+いただいたサイン
 SF自選集『ある晴れた日のウイーンは』カイガイ出版(78)
神聖代.jpg サイン2.jpg ある晴れた日のウイーンは.jpg
 ほんと、面白かったです。懐かしい!
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映画『ワイルド7』


 映画『ワイルド7』を観ました。望月三起也の同名マンガの実写化です。
 好きでしたねえ、原作マンガ。子どものころ、夢中になって読みました。そういう作品が数十年の時を経て映画化されるとなれば、やっぱり観ておきたくなりますね。
 で、肝心の映画です。好きなマンガだったとはいえ、細かいことは忘れちゃっていて、残っているのは楽しく読んだ思い出だけです。
 う~~~む、どうなんでしょうか。記憶に残っている原作のイメージとはずいぶん違いますけれど、映画は映画として楽しめました。ただ、もうちょっとワイルドな俳優をキャスティングできなかったのかなあ。これでは、スギちゃんが「ワイルドだぜぃ」と言っているのと変わらないような……(笑)。
 あ、同じく望月三起也では『ケネディ騎士団(ナイツ)』も好きでした。もし映画化されたら、観たくなると思います。
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映画『リバイブ 死者蘇生』

リバイブ.jpg 惹句.jpg
 このようなジャケットを見ると、ついつい期待しちゃうのですよ。映画『デッドリー・フレンド』が大好きな人間としては。
 ところが……。
 つまらないことはないのですが、とにかくストーリーが平坦で、私の期待からは外れた映画なのでした。途中から、ほとんどBGM状態。音楽が耳に心地よいのですよね(笑)。
 雰囲気はアンディ・ウォーホール『悪魔のはらわた』に似ているような気もします。といっても、『悪魔のはらわた』は30年くらい前に一度観たきりで、よく覚えていないのですが……。
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『コミック星新一 親しげな悪魔』

親しげな悪魔.jpgコミック星新一 親しげな悪魔』秋田書店(12)が発売されました。星新一のショートショートをマンガ化した作品集です。10人のマンガ家による計10編を収録。
コミック星新一』のシリーズは、これまでに3冊――『午後の恐竜』秋田書店(03)、『空への門』秋田書店(04)、この2冊から11編を選んで再編集した『ショートショート招待席』秋田文庫(08)が出ていて、これが4冊目です。
 今回も楽しませていただきました。
 一点、細かいことですが、199ページ――
>原作 星新一「花とひみつ」
>(角川文庫刊『気まぐれロボット』所収)
 角川文庫のタイトルは『きまぐれロボット』です。(この記事参照)
午後の恐竜.jpg 空への門.jpg ショートショート招待席.jpg
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〈ネオ・ヌル〉の寸評

 古いファンジンに想いを馳せていて(昨日の記事参照)、改めて――
 私の創作者としての原点は〈ネオ・ヌル〉にあるのだなあ。
 と思いました。(この記事参照)
〈ネオ・ヌル〉では、投稿した作品に対して、筒井康隆さんや眉村卓さんに寸評をいただきました。いずれも示唆に満ちた寸評でしたが、なかでも特に以下の2つのお言葉は、あれから40年近く経った現在でも、私の心に深く刻まれています。

 眉村さん――いいのである。が……折角の材料をどうしてこんなに類型的にシメてしまうのか。
 筒井さん――最後に主人公の「まあ、いいさ」で終っている。これは思考停止ではないのか。結末を、もっと苦しんで考えてほしい。

 類型的なのはダメ。思考停止はダメ。結末を苦しんで考える。
 当たり前といえば当たり前のことなんですが、創作を始めたばかりのころに、それを明確に意識させていただいたことは、その後の私の創作人生に大きな影響を与えたような気がします。
 今さらながらに、〈ネオ・ヌル〉に感謝! 筒井さん、眉村さんに感謝! なのであります。
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訃報:ハリイ・ハリスン

 本日、8月15日歿。享年87。
 すっごく好きというほどではないものの、若いころに楽しく読んだ作家の1人です。
 最初に読んだのは『死の世界』3部作だったと思います。最も印象に残っているのは、やはり『人間がいっぱい』――映画『ソイレント・グリーン』の原作でしょうか。あと、『宇宙兵ブルース』とか『テクニカラー・タイムマシン』とか。
 あ。短編集『ロボット戦争』も楽しかったですね。調べてみますと、邦訳短編集はこの1冊だけみたいです。SF界ではけっこうポピュラーな作家と思っているだけに、これは意外でした。
人間がいっぱい.jpg 宇宙兵ブルース.jpg テクニカラー・タイムマシン.jpg ロボット戦争.jpg
 楽しいSFをありがとうございました。御冥福をお祈り申し上げます。
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「チャチャ・ヤング=ショート・ショート」

 石原藤夫さんがSFファンジンのデジタル画像化を進めています。散逸しがちなファンジンを発掘・保存するという作業は極めて有意義かつ重要なことだと思います。
 その最新の画像集には、MBS発行の冊子「チャチャ・ヤング=ショート・ショート」2冊も収録されています。おお、これか!
 拙ブログでも何度も書いています(こことかこことか)ように、この2冊の冊子は私の探求書なんですよね。表紙画像でしたら、たとえば大熊宏俊さんのところなどで見たことがありますが、中身を目にするのは初めてです。ほほお、こんな内容でしたか。
 以下、目次です。単行本『チャチャ・ヤング=ショート・ショート』講談社(72)にも収録されている作品には★印。

◆1971―№1
 願い事 和田宜久
 砂漠 S・A ★深田亨名義
 ひも 岩崎均 ★
 ふたつの空 宇井亜綺夫
 エイプリル・フール 清水順也
 哀愁 藤原健司
 精神病院 藤原祐之介 ★
 さりげない死 安部房公 ★富野房公名義
 連作「青い星」(その二) 小野霧宥
 アイサツもどき 眉村卓

◆1971―№2
 岬 S・A ★深田亨名義
 識別者 大熊宏俊
 誕生 東元庸泰
 仮面 亜梨子
 科学の勝利 変寧夢 ★
 科学者 姫崎仁孝 ★
 わがスタドイド 和田宜久
 永遠と死 南山鳥27
 墓標のこわれる時 雫石鉄也
 時のおくりもの 島田弘明 ★
 喪失 宇井亜綺夫 ★
 潮の響きに 小野霧宥
 あとがき 眉村卓

 №2の「あとがき」に「ことに残念だったのは和田宜久氏の手紙形式の作品である。話しあいのときにも一番人気があったのだが、手紙形式のままでなければ意味がないこと、それに長すぎるために割愛せざるを得なかった」とあります。
 単行本に収録されている「手紙」が、その作品と思われます。16ページ。なるほど、20ページそこそこの小冊子に収録することはできないですね。
 そんなこんなで、あれやこれや非常に楽しく、ますます現物が欲しくなってしまいました。
「譲ってあげるよ~」という方がおられましたら、よろしくお願いします。また、「どこそこに売ってるよ~」という情報も歓迎です。
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『聊斎志異』

 ゆえあって、蒲松齢/柴田天馬訳『完訳 聊斎志異(全4巻)』角川文庫(69~70/改版)を手に取りました。言うまでもなく『聊斎志異』はショートショートの源流とも言える作品群です。複数のバージョンを所有していますが、今日はこの角川文庫の全4巻バージョンでなければなりません。
聊齋志異1.jpg 聊齋志異2.jpg 聊齋志異3.jpg 聊齋志異4.jpg
 ショートショートの研究&収集を始めて間もないころ、西秋生さんと話していて、『聊斎志異』の話題になりました。
「読んだのは何十年も前ですねえ」と私。
「どの訳本?」と西さん。
「子どものころの児童書は忘れたけど、ちゃんと読んだのは平凡社の2巻本。大判で、函にはいっていた。高校生のときだと思う」
背.jpg「柴田天馬のは?」
「読んでません」
「そりゃ駄目ですよ。まさに名訳」
 そうなのか~と、この角川文庫版を買ったのです。(同じく角川文庫で全8巻バージョンもありましたが、私が揃えたのは、ぶ厚~い全4巻バージョン)
 買ったときには読むつもりでした。しかし、ほかに読むべき本がたくさんあり、いつの間にか西さんの「まさに名訳」も忘れてしまい……。
 あれから10年近く(以上?)が経過し、ようやく本日、柴田天馬訳の『聊斎志異』を読みました。といっても、読んだのは「単道士」1編のみ。冒頭「ゆえあって」の「ゆえ」とは、この「単道士」を(全4巻の文庫バージョンで)読むためなんですよね。
 う~~~ん、平凡社版で読んでいると思うのですが、まるっきり覚えておりません。
 平凡社版を確認しようかと書庫をごそごそ。ありゃ? 見当たらないぞ。どこに行っちゃったんだろ。
 あちこち心当たりを探していると――
SFアドベンチャー.jpg あ、こんなところに!
 思いもかけない雑誌が目に飛び込んできたのです。
季刊 SFadventure」1993年春季号
 この号には星新一のショートショート処女作「狐のためいき」が再録されています。昨年、星新一・初出リストを作る際に探したのに見つからず、ずっと気になっていたのでした。
 そうかあ、こんなところにあったのか~。
 嬉しくなって、平凡社版『聊斎志異』のことなどどうでもよくなりました(笑)。処分したとは考えられないので、またいつか、ほかの本を探している際、ひょいと出てくるでしょう。
 まあ、そういうものです。

【追記】
 と書き終わったあと、ピンと閃くものがありました。
 あそこだ~。
 ビンゴ! 平凡社版『聊斎志異』、無事に発見しました。しかも、2種も(笑)。
聊齋志異(1963).jpg 聊齋志異(1973).jpg
 左は1963年発行、右は1973年発行(いずれも初版)。私が読んだのはもちろん、1973年版です。
「単道士」は「魔術を使う道士(単道士)」として、1963年版には下巻に、1973年版には上巻に収録されていました。1973年版にはルビがふられていて、ん? 「ぜんどうし」? 角川文庫版を確認しますと、「たんどうし」となっていました。
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映画『ガリバー旅行記』

 子どものころに読んだ、いわゆる“少年少女世界の名作文学”の面白さは尋常ではありませんでした。『巌窟王』『ああ無情』『十五少年漂流記』『王子とこじき』『宝島』『名犬ラッシー』『家なき子』『ジャングルブック』などなど。もちろん、『ガリバー旅行記』も面白かったですねえ。
 で、映画『ガリバー旅行記』を観ました。2011年劇場公開。
 うっひゃあ。なんじゃ、こりゃ。
 原作とはまるっきり別の作品になっちゃっていて、私が好きだった『ガリバー旅行記』――その魅力の片鱗すらない映画でした。ここまで変えるのであれば、原作者ジョナサン・スウィフトの了承を得なければならないのでは?(笑) とはいえ……。
 これはこれで愉快ですねえ。けっこう楽しんでしまいました。もしスウィフトが観たとしたら、「しょーがねえなあ。300年後のやつらは」と苦笑しつつも、許してしまうのではないでしょうか。
ガリヴァー旅行記(カバー).jpg ガリヴァー旅行記(本体).jpg
 上の書影は1909年(明治42年)、昭倫社刊の『ガリヴァー旅行記』です。
 第壱編 小人國
 第貳編 大人國
 第參編 飛揚島
 第四編 フイーンム國
 完訳です。明治時代からガリバーは日本人に親しまれていたのですね。
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『遊星からの物体X ファーストコンタクト』

 小学生のころ、映画鑑賞といえば春休みや夏休みに、親に連れていってもらう怪獣映画やアニメ映画でした。
 中学や高校のころ、映画といえばテレビで観るものでした。
 大学に入学してからは、月に数回の頻度で劇場(試写会も含めて)に足を運ぶようになりました。学生寮の自室にテレビはなかったこともあり、映画=劇場で観るものでした。
 ビデオが普及し始めてからは、劇場鑑賞、レンタル鑑賞、テレビ鑑賞の使い分け。
 30を過ぎたくらいから極端な出不精になり、ほとんど劇場へは行かなくなりました。もっぱらレンタル&テレビ鑑賞。安価なDVDが出回るようになってからは、ソフトを買うようにもなり、現在に至っています。
 滅多にないことですが、そんな私に、劇場へ行きたいな、と思わせる映画が公開されました。

 この記事にも書きましたが、とにかく私は『遊星からの物体X』が大好きなんですよね。
 名古屋ではどこで上映されているのかしらん。え? 1館だけ? それも、むっちゃ遠い!
 う~~ん、どんな話なんだろ。気になるなあ。あ、ノベライズが出ているのか。とりあえずノベライズで渇を癒そうかな。――これまた滅多にないことです。
 そんなわけで書店に行き、ジョン・W・キャンベル・Jr原作/エリック・ハイセラー脚本『遊星からの物体X ファーストコンタクト』竹書房文庫(12)を買ってきました。
 さっそく読もうかと思いましたが、オリンピックの女子レスリングが始まってしまい……。読書は明日に回します。
 書店では、『傍迷惑な人々 サーバー短篇集』光文社古典新訳文庫(12)も買いました。
 おお、本邦初訳が2編ですか。これは楽しみ。
 傑作「マクベス殺人事件」「虹をつかむ男」も収録されています。もしジェイムズ・サーバーを読んだことのない方がおられましたら、この2編だけでも!
遊星からの物体X.jpg 傍迷惑な人々.jpg ジャパンゴールド.JPG
 女子レスリング、強いなあ。
 ジャパンゴールドを飲みながら応援しています。
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『メルモちゃん2』

 原作:手塚治虫/作画:福山けいこ『メルモちゃん2』徳間書店・RYU COMICS(12)を読みました。2冊目にして最終巻です。『メルモちゃん1』には限定版と通常版がありましたが、第2巻は通常版のみのようです。
 思えば第1巻は、限定版に付けられている「らくがきノート」目当てで買ったのでした。本編がつまらなければ、第2巻を買うことはなかったでしょう。面白かったんですよね。>第1巻
 もちろん第2巻も期待を裏切られることはありませんでした。
「パンジャ」の名前の由来が明らかにされ、その意外さに絶句。また、キャンディの正体も明らかになります。これまた、想像を絶する事実!
 たったの2冊――300ページ足らずで終わってしまったのは残念です。
メルモちゃん2.jpg ふしぎなメルモ.jpg
 右の書影は手塚治虫『ふしぎなメルモ』秋田書店・SUNDAY COMICS(00)です。『メルモちゃん1』を読んだあと、無性に読みたくなって、買ったのでした。
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『浮気なエイリアン』

 ツイッターというものが流行していて、かなりの人が利用しているという話は聞いていますが、私は今のところ、利用しようとは思っていません。
 ふと思うところあって、ある方のツイッター・サイトにアクセス。その後、数珠つなぎ的に何人かの方々のサイトを訪れました。
 すると、山岸真さんのつぶやき――
>聴力といえばウルトラマンとかの能力で東京にいて大阪で針が落ちた音が聞こえる、
>みたいなのがあるけど、それでうるさすぎて困らないということは脳の構造(情報
>処理の仕方)が全然違うのだろう。
 ハンター・アダムスの怪作SF〈惑星からきた伊達男〉シリーズを思い出し、にやにやしてしまいました。
惑星からきた伊達男① 第三帝国の女豹』ダンディ社(76)
惑星からきた伊達男② 虎の尾を踏め!』ダンディ社(76)
第三帝国の女豹.jpg 帯.jpg 虎の尾を踏め!.jpg
「二マイルはなれたところからブラジャーのおちる音を聞くことができ」(『第三帝国の女豹』帯)って、お馬鹿でしょ(笑)。
 2冊とも、新刊が出たときに読みました。書店で手に取り、帯の惹句を読んだ瞬間、迷わずレジに……(笑)。こんなの、大好きなんです。
 ちなみに、この作品は北原尚彦『SF奇書天外』東京創元社(07)でも採り上げられています(133~136ページ)。由緒正しい(?)お馬鹿SFなのですね。
 で、『SF奇書天外』を眺めていましたところ、307ページに――
>豊田行二『浮気なエイリアン』(桃園新書/一九九〇年→桃園文庫/九三年)は、
>ゴールド・レッドスターから地球に来た赤星久太郎が地球の女とヤリまくる、という
>お約束のパターン。かなり笑えます。
 へえ。面白そう。ん? あれ? この本、うちになかったっけ?
 書棚を物色。――あはは。あった(笑)。
SF奇書天外.jpg 浮気なエイリアン.jpg
 これ、買っただけで読んでないですねえ。ほお、連作長編ですか。ふむふむ。
 ちょっと読み始めたら止まらず、次のエピソードへ、次のエピソードへ……。最後まで読んでしまいました。
 主人公のエイリアン(赤星久太郎)はさまざまな能力を持っています。枯葉を念力で1万円札に変えられるという、おまえはキツネかとツッコミたくなるような能力とか(笑)。必要とあれば母星ゴールド・レッドスターに連絡し、ヒミツ道具(笑)を送ってもらいます。また、肉体をミクロ化もすることもでき、女体に潜入して卵子と会話しちゃったりもします。
 SFとして読めば首を傾げざるを得ませんが、この作品にSFの魅力を求めるのは野暮というものでしょう。楽しかったです。
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映画『牛頭』

 友人に、「ゴズという映画を知っているか」と問われました。
「ゴズ?」聞いたこともありません。だいたい、ゴズって何?
「牛の頭と書く。監督は三池崇史」と聞いても、知らないものは知りません。さらに友人は、「名古屋人なら観ておくべき」と言います。
 気になりますよねえ。
 そんなわけで、『極道恐怖大劇場 牛頭GOZU』です。



 なるほど~。「名古屋人なら観ておくべき」とは、こういうことでしたか。いやはや、参りました(苦笑)。
「極道恐怖大劇場」なんてタイトルにありますが、極道映画のようで、ホラー映画のようで、しかし実はナンセンスなギャグ映画。う~~ん、なんとコメントすべきか……。困ってしまいますが、こういうアホらしいのは好きですね。面白かったです。ただ、名古屋のシーンが長すぎるような気がして、その点が残念。異常な名古屋(←もちろんフィクションです!)をアピールするのに必要な時間かもしれませんが、結果として2時間オーバーの映画となり、ちょっと疲れます。
 最初の15分と最後の30分、すごいよ~。あと、エンディングのテーマも(笑)。
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『クトゥルフ神話への招待』

 新刊を買いました。
◎J・W・キャンベルJr.他『クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X』扶桑社ミステリー(12)
クトゥルフ神話への招待.jpg 収録作品は――
 J・W・キャンベルJr.「遊星からの物体X」
 ラムジー・キャンベル「ヴェールを被るもの」
 ラムジー・キャンベル「魔女の帰還」
 ラムジー・キャンベル「呪われた石碑」
 ラムジー・キャンベル「スタンリー・ブルックの遺志」
 ラムジー・キャンベル「恐怖の橋」
 H・P・ラヴクラフト「クトゥルフの呼び声」

 う~~む。ラムジー・キャンベル単独の作品集だったら、何倍も嬉しかったなあ。
 そう思うのは私だけではないと思います。
母親を喰った人形.jpg
【追記】
 ラムジー・キャンベル単独の邦訳は長編『母親を喰った人形』ハヤカワ文庫NV(87)だけかと思っていましたが、『無名恐怖』アーティストハウス(02)なんて本も出ているのですね。知りませんでした。
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映画『雨月物語』

 先日、ブックオフで木原敏江『雨月物語』嶋中書店・アイランド・コミックス(04)という本を見かけ、面白そうなので買いました。ご存じ、上田秋成『雨月物語』のマンガ化です。
 さっそく読み始めたところ、すさまじい既視感が……。巻末をチェックすると――
>書下し単行本『マンガ日本の古典28 雨月物語』1996年、中央公論新社(2001年、中公文庫)より収録
 うへ。中公文庫版、持ってます。読んでます。そういえば、木原敏江・画/紀和鏡・文『イラストで読む 雨月物語』学研(92)なんてのも読んだなあ。
 どちらも完全に忘れていました。いやはや……。
嶋中書店.jpg 中公文庫.jpg 学研.jpg
 内心忸怩たるものを覚え、と同時に、なぜだか溝口健二監督の映画『雨月物語』が気になりました。買っただけで、観ていないのです。
映画.jpg すぐに観ようと思いましたが、折悪しく(ではないけれど)オリンピック開幕。ほとんど毎日、何時間もオリンピック放送を観ているのに、その上映画まで観ていられません。
 で、本日です。柔道の男女が早々に敗退したのを幸い(ではないけれど)と、映画『雨月物語』を観ることにしました。1953年の製作ですから、いまから60年近く昔の映画ということになりますね。
『雨月物語』のなかから「蛇性の婬」と「浅茅が宿」をアレンジして映像化。
 うわあ、傑作! これまで観ずに過ごしてきたのは残念ですが、この映画は若いころに観ても面白いとは思わなかったかもしれません。そういう意味も含め、大満足です。

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海外SF作家20人

「SFマガジン」2012年9月号は――
>ガイド特集・この20人、この5作
>海外SFの歴史を彩ってきた古今東西の作家20人の経歴および代表作5作の
>計100冊を、 20人のレビュアーが紹介する保存版ガイド特集。ほか、20人の
>作家の全邦訳リストもあわせて掲載する。
SFマガジン.jpg だそうです。
 へえ。古今東西の海外SF作家20人ですか。
 20人って、誰が選ばれているんだろ。気になるなあ。そうだ。ネットで調べてみよう。
 う~~~~ん、この20人ですか。→右の画像(ネットにアップされている表紙画像から切り取りました)
 上の4人、それとレムは文句なしと思いますが、ほかの15人に関しては、いろいろと異論があるのではないでしょうか。
 私がセレクトするとしたら……。すぐさま、以下のような名前が浮かびました。
 ジョン・ウインダム、フレドリック・ブラウン、エドモンド・ハミルトン、ロバート・シェクリイ、リチャード・マシスン、A・E・ヴァン・ヴォークト、E・R・バローズ、E・E・スミス、レイ・ブラッドベリ、ポール・アンダースン。
 誰を外せ、とは言いませんけれど、こういう作家もリストアップしてほしかったです。
 古いですか? 古いんでしょうね、きっと。

【追記】8月2日
 ニール・ゲイマン『壊れやすいもの』角川書店(09)
 チャイナ・ミエヴィル『ジェイクをさがして』ハヤカワ文庫SF(10)
壊れやすいもの.jpg ジェイクをさがして.jpg
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