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田中光二さん

 ご快復をお祈り申し上げます。

異星の人.jpg 血と黄金.jpg ぼくはエイリアン.jpg
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キース・ローマー

 リイ・ブラケットレイ・カミングスのことを書き、心は遥か昔――1970年代のハヤカワSF文庫へ……。
 当時、レイ・カミングスはクラシック、リイ・ブラケットはセミ・クラシックという感覚でしたが、今やどちらもクラシックです。さらに言えば、当時は現代SFの感覚で読んでいた作家たちですら、現在ではクラシックSFになっちゃうんですね。――そんな、言わば当たり前のことに気づきました。
 そっか。てことは、たとえば……そう、キース・ローマーも現在ではクラシックSFなのかあ。――そう考えると、なんだか奇妙な気分です。
 ブラケット、カミングスに続き、キース・ローマーの邦訳書を調べてみました。

『タイム・マシン大騒動』ハヤカワSFシリーズ(67)
『インベーダー』ハヤカワSFシリーズ(68)
インベーダー② 宇宙からの侵入者』ハヤカワSFシリーズ(68)
『前世再生機』ハヤカワSF文庫(71)
タイム・マシン大騒動.jpg インベーダー.jpg インベーダー②.jpg 前世再生機.jpg
『多元宇宙SOS』ハヤカワSF文庫(71)
『銀河のさすらい人』ハヤカワSF文庫(74)/ハヤカワ文庫SF(05)*新装版
混線次元シリーズ〈1〉多元宇宙の王子』ハヤカワ文庫SF(75)
混線次元シリーズ〈2〉混線次元大騒動』ハヤカワ文庫SF(75)
多元宇宙SOS.jpg 銀河のさすらい人.jpg 多元宇宙の王子.jpg 混線次元大騒動.jpg
『突撃! かぶと虫部隊』ハヤカワ文庫SF(75)
『優しい侵略者』ハヤカワ文庫SF(76)
『多元宇宙の帝国』ハヤカワ文庫SF(78)
『時の罠』ハヤカワ文庫SF(78)
『星の秘宝を求めて』ハヤカワ文庫SF(79)
突撃!かぶと虫部隊.jpg 優しい侵略者.jpg 多元宇宙の帝国.jpg 時の罠.jpg
 ブラケットやカミングスと同様、見事に1970年代に出版が集中しています。最も新しい――といっても1979年刊ですが――『星の秘宝を求めて』以外の本は、うちにありました。けっこう好きな作家だったんですよね。>キース・ローマー
 1979年というと、私が商業誌デビューをした年です。その前後、翻訳小説にはほとんど手を伸ばさず、日本人の小説――特に当時の新人SF作家たち(1970年代後半デビュー)の作品を手当たり次第に読んでいたという記憶があります。
 ずっと買い続け、楽しく読んでいたキース・ローマーを買わなかったのは、そういう時期だったからだと思います。正直、この記事を書くために邦訳書を調べるまで、『星の秘宝を求めて』という本の存在すら知りませんでした。
 今さら読もうとは思いませんが、1冊だけ欠けているのは、なんだか落ち着きませんね。どこかで見かけたら買ってしまうかも(笑)。

【追記】4月21日
『星の秘宝を求めて』を買いました。→この記事
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レイ・カミングス

 リイ・ブラケットというと、なぜかセットのように名前が出てくるのがレイ・カミングスです。理由は定かではありませんが、SFを読み始めて間もないころ、ほぼ同時期にハヤカワSF文庫で出会い、名前の語感が何となく似ていると、まあそんなところでしょう。一種の刷り込み現象と言えるかも。いいかげんなもんです(苦笑)。
 カミングスもけっこう好きだったなあ――と、邦訳書を調べてみました。

『時の塔』ハヤカワSFシリーズ(69)
『宇宙の果てを超えて』ハヤカワSF文庫(70)
『時間を征服した男』ハヤカワSF文庫(72)
『燃えつきた水星人』久保書店・Q-TブックスSF(75)
『月面の盗賊』ハヤカワ文庫SF(76)
『水星征服計画』久保書店・Q-TブックスSF(79)*『燃えつきた水星人』の続編。
時の塔.jpg 宇宙の果てを超えて.jpg 時間を征服した男.jpg 
燃えつきた水星人.jpg 月面の盗賊.jpg 水星征服計画.jpg
 子ども向けの訳書も何冊かあるようですが、1冊も持っていないので、ここでは割愛。
 ブラケットにしてもカミングスにしても、その邦訳の刊行は1970年代に集中しています。私が海外クラシックSFを読み耽っていた時代とぴたり合致するんですね。日本の第一世代SF作家たちの本が続々と文庫化され始める時期とも重なり……。いまにして思えば、最高に幸せな時代でした。

 この記事を書いていて、ハヤカワ文庫の3冊では「カミングス」、それ以外では「カミングズ」だということに気がつきました。私のファースト・コンタクトはハヤカワ文庫ですから、もちろん「カミングス」としてインプットされています。
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リイ・ブラケット

 昨日、青心社文庫SFシリーズのことを記事に書き、久しぶりにリイ・ブラケットの著作を手に取りました。
 すーっごく懐かしくなり、リイ・ブラケットの邦訳書を簡単に調べてみました。

『文明の仮面をはぐ』元々社・最新科学小説全集(57)
『地球生まれの銀河人』ハヤカワSF文庫(71)
『長い明日』ハヤカワSFシリーズ(72)
『恐怖の火星争奪戦』久保書店・Q-TブックスSF(76)
『リアノンの魔剣』ハヤカワ文庫SF(76)
『赤い霧のローレライ』青心社文庫(91)
『非情の裁き』扶桑社ミステリー(03)
地球生まれの銀河人.jpg 長い明日.jpg 恐怖の火星争奪戦.jpg リアノンの魔剣.jpg
 もっと出ているような印象がありますが、意外に少ないですね。
 私が最初に読んだのは、間違いなく『地球生まれの銀河人』です。1971年の発行というと、私は中学2年生。スペースオペラを中心とする海外クラシックSFに夢中だったころで、ハヤカワSF文庫の新刊は片端から読んでいました。
 書影を掲載していない3冊のうち、『文明の仮面をはぐ』は、確か以前は持っていましたが、書棚に見当たらないところを見ると、処分してしまったようです。『赤い霧のローレライ』は昨日の記事にアップ済み。『非情の裁き』は、出ていることすら知りませんでした。SFではないようです。

 SFファンならご存じと思いますが、リイ・ブラケットはエドモンド・ハミルトン夫人です。2人のなれそめについて、『恐怖の火星争奪戦』の「解説 スペース・オペラの貴婦人たち」(土田研一)に、以下のように書かれています。
>なんと二人とも、まだほんの幼い頃からの熱狂的なエドガー・ライス・バロウズの
>ファンだったのである。
 おお! こんなところにもバローズの影響が!(嬉)
 作風に関して言いますと、ハミルトンよりもブラケットのほうがバローズの影響を大きく受けているように思います。
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青心社文庫SFシリーズ

 ゆえあって、水鏡子『乱れ殺法SF控』青心社文庫(91)を手に取りました。何気なく本のカバー袖を見て――
 ん? SFシリーズ? へえ、青心社文庫にSFシリーズがあったのか。知らなかったなあ。
 うちにある青心社文庫をチェックし、SFシリーズに分類されるのは、『乱れ殺法SF控』以外にリイ・ブラケット『赤い霧のローレライ』(91)とR・A・ラファティ『トマス・モアの大冒険』(93)の2冊らしいとわかりました。
 ほかにも出ているのか、ちょっぴり気になります。
乱れ殺法SF控.jpg 赤い霧のローレライ.jpg トマス・モアの大冒険.jpg
 この3冊以外で、うちにある青心社文庫は――
 大瀧啓裕編『怪奇幻想小説シリーズ ウィアード』1~4(90~91)
 大瀧啓裕編『暗黒神話大系シリーズ クトゥルー』1~13(88~05)
青心社文庫.jpg
 何はともあれ、刊行予定に書名の挙がっている『ウィアード5』を出してほしいです。
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東海ラジオ「星新一の世界」

 昨夜、東海ラジオ「星新一の世界」が最終回を迎えました。

「スターライトストーリーズ 星新一の世界」
 月曜から金曜の帯番組。2010年10月4日~2011年4月1日。計130回。

「月曜朗読サロン 星新一の世界」
 毎週月曜日の放送。2011年4月4日~2012年3月26日。計48回。

 総計178回。いやあ、すさまじいボリュームですね。
 最初のころは毎日を楽しみにしていましたが、いつの間にやら、ただ録音するだけになってしまいました。もったいないなあと思います。
 以下、放送作品リストです。どうぞ、ご参考に。

リストを見る。


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TVドラマ『家族八景』

 TVドラマ『家族八景』を観ました。――と書くと、今年1月にスタートしたドラマ(主演:木南晴夏)かと思われるでしょうが、違います。だいぶ前に放送された、堀ちえみが主人公の火田七瀬を演じたドラマです。
 今回の木南晴夏バージョンは私の住む名古屋では放送されず、関西在住の知人に録画を依頼しました。先週が最終回。すでに全10話を録画したDVDを受け取っていますが、何を思ったのか、堀ちえみバージョンが無性に懐かしくなり……。
今夜は家族八景.JPG 家族八景.JPG
 堀ちえみの火田七瀬は原作から私が受けているイメージとは違いますが、それは別として、やはり面白かったですねえ。
 木南晴夏はどんな火田七瀬を演じてくれているのでしょうか。1話完結ドラマとのことで、数話ずつ観ていこうと思っています。楽しみ~。
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『愛の贈りもの』

 O・ヘンリーのマンガ化作品集については、この記事に書きました。
 これだけかなと思っていたら、友人から「こんな本を見つけたから、買っておいたよ」と連絡が。
◎O・ヘンリー・原作、水野英子・画『愛の贈りもの ―O・ヘンリー短編集―』ユニコン出版・世界名作コミック(78)
愛の贈りもの.jpg 全5編収録。へえ、こんな本がありましたか。全く知りませんでした。
 O・ヘンリーはショートショートの歴史上、極めて重要な作家です。情報提供だけでも嬉しいのに現物提供までしてくれて、それも100円だったりするわけで、感謝するしかありません。
 何度も書いていますが、私のショートショート研究&収集は、よき理解者たる友人たちに支えられています。
 私が知らない本、まだまだたくさんありそうです。
 今後ともよろしくお願いいたします。>皆さま
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『星鶴vsマンボウ』

大衆文学研究.jpg 星鶴vsマンボウ(カバー1).jpg 星鶴vsマンボウ(カバー2).jpg
 星新一ファンの友人が「星さんの座談会が載ってるよん」と、「大衆文学研究」1962年1月号の画像を送ってくれました。ありがとうございます。
 どこかで見たような表紙で、「こんなの、うちにもあるような……。でも、この座談会は載ってなかったな」と沈思黙考すること数秒、すぐに、うちにあるのは「大衆文学論叢」だと気づきました。「大衆文学論叢」の書影はこちらにあります。似てません?
 で、肝心の座談会は――
 今日泊亜蘭・北杜夫・星新一「座談会 科学小説の夢」
 この参加メンバーとタイトルを見た途端、「こんなの、どこかで読んだぞ」。
 心当たりを探すと……。ここに載っていました。
 星新一・北杜夫『星鶴vsマンボウ』東京エヌ氏の会/1977年10月17日発行
 星新一と北杜夫、両者に共通するあれこれを集めた読み物&資料集で、お互いの著書への解説や書評、それに対談や座談会などなどが収録されています。付録には『宇宙船シリカ』の楽譜。
 ちょっと読み始めたら止まらず……。読み耽っております。

狐狸庵VSマンボウ.jpg【註】『星鶴vsマンボウ』はダブル・カバー仕様で、本体に水色のカバーがかけられ、その上にモノクロのカバーがかけられています。

【追記】2012年7月5日
 書棚を眺めていて――
 あれ? こんな本を持っていたっけ? 
 と、『狐狸庵vsマンボウ』講談社(74)を手に取りました。
 おお! 『星鶴vsマンボウ』はこの装丁を模倣していたのですね。いま初めて気がついたのか、だいぶ前に気がついていたけれど忘れていたのか(笑)。
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樹立社ショートショートコンテスト

 樹立社ショートショートコンテストの結果が発表されています。→樹立社サイト

 1等星 最優秀作品賞 「海酒」作・田丸雅智(東京都)  
 2等星 優秀作品賞 「異常事態発生」作・橋本喬木(大阪市)
 3等星 優秀作品賞「凍結空間」作・あとみっく(京都市)

 上位3作品の作者、どなたとも個人的な付き合いがあります。ほかに入選17作も発表されていて、そのなかにも知人がちらほら。
 びっくりしましたねえ。嬉しいですねえ。
 皆さん、おめでとうございます!
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ジョン・レノンのショートショート集

 唐突ですが、ジョン・レノンのショートショート集です。はい、あのジョン・レノンです。
 ショートショートというよりユーモア・スケッチに近いかもしれません。ともあれ、面白いです。

『絵本ジョン・レノンセンス』晶文社(75)/ちくま文庫(11)
『らりるれレノン ジョン・レノン・ナンセンス作品集』筑摩書房(02)
絵本ジョン・レノンセンス.jpg 絵本ジョン・レノンセンス(文庫).jpg らりるれレノン.jpg
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『マンク』の映画化

 新刊書店をふらついていて、M・G・ルイス『マンク』国書刊行会(95/新装版)のカバーが変わっていて、帯に大きく「映画化!」の文字があることに気がつきました。
 うへえ。『マンク』が映画化されたんですか。知りませんでした。
『マンク』、強烈でしたねえ。読んだのは高校生のときだったか。世のなかにはこんな小説があるのか……と唖然呆然の世界に叩きこまれたものです。
 う~~~ん、『マンク』が映画化ですか。う~~~~ん、う~~~~ん。
 観たいような、観たくないような……。おそらく観ちゃうんでしょうが。

 以下の書影は――
『マンク』国書刊行会(95/新装版)*書影は新装版第1刷。書店で見たのは新装版第2刷で、表紙に映画のスチールを使用。
『マンク ―破戒僧―(上)』東京創元社(60)
『破戒僧 マンク(上)』東京創元社(60)
『破戒僧 マンク(下)』東京創元社(61)
マンク.jpg マンク上1.jpg マンク上2.jpg マンク下.jpg 背.jpg
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岡田正哉・編著リスト

 岡田正哉さんの追悼ファンジン発行に向けて、盛り上がっております。実作業はほとんど進んでいないのですが、気分的に(苦笑)。
 今日は岡田さんの編著リストを作ってみました(昆虫関係は除く)。

【著作】
『宇宙生物分類学』ミュータンツクラブ・MUTATION BOOKS(1965年11月発行)
『正也君再び近鉄特急に乗る』ネオ・ベム(2012年3月発行)

【編集】
「ベム」創刊号(1966年11月発行)
「ベム」第2号(1967年3月発行)
「ベム」第1増刊号(1967年3月発行)
「ベム」第3号(1967年5月発行)
「ベム」第4号(1967年8月発行)
「ベム」第5号(1967年11月発行)
「ベム」第6号(1968年7月発行)―『スカイラークシリーズ用語索引』
「ベム」第7号(1968年12月発行)
「ベム」第8号(1969年4月発行)
「クラシックSF鑑賞会テキスト」第1巻(1969年発行)*現物未確認
「ミュータンツ」第18号(1970年8月発行)
「ミュータンツ」第19号(1970年10月発行)
「ミュータンツ」第20号(1971年3月発行)
「ミュータンツ」第21号(1971年8月発行)
「ミュータンツ」第22号(1971年12月発行)
「ベム」第9号(1972年1月発行)
「ベム」第10号(1973年12月発行)―『空中驚異物語繪入索引』
「ベム」第11号(1974年7月発行)

 簡単にまとめますと――
・1965年:『宇宙生物分類学』刊行(22歳)
・1966年~1969年:「ベム」編集・発行(23~26歳)
・1970年~1971年:「ミュータンツ」編集(27~28歳)
・1972年~1974年:「ベム」編集・発行(28~31歳)
 岡田さんのSFファン活動の状況が一目瞭然です。
 活動期間は約10年と短かったのですが、岡田さんがSFファンダムに残した足跡は決して小さくはないと思います。
 やはり特筆すべきは『宇宙生物分類学』『スカイラークシリーズ用語索引』『空中驚異物語繪入索引』――この3冊でしょうね。もし将来、ファンジン展が催されるとしたら、ぜひとも展示していただきたいものです。
宇宙生物分類学.jpg スカイラークシリーズ用語索引.jpg 空中驚異物語繪入索引.jpg
 私が初めて岡田さんに会ったのは1973年の夏――岡田さんのファン活動末期でした。ちょうど『空中驚異物語繪入索引』を編集しているときで、ほんと、楽しそうに作業をされていたことを思い出します。
 全く意識していませんでしたが、あのとき岡田さんは30歳だったのですねえ。若尾天星さんによれば、私は岡田さんの「最後の弟子」だそうで、確かにそうかもしれません。
 弟子はその後、1974年9月に『ペルシダー・グロッサリー』、1977年10月に『〈ムーン・シリーズ〉用語辞典』、1979年3月に『《世界大ロマン全集》解説総目録』を発行します。間違いなく、岡田さんの影響です。
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思い出の生原稿

 若かりし日、昭和30年代前半に東京創元社から刊行されていた〈世界大ロマン全集〉に魅せられ、『《世界大ロマン全集》解説総目録』を編集・発行したことはこの記事に書きました。奥付には昭和54年3月31日発行と記されています。大学2年最後の日ですね。
 この目録の巻末には「付録」として、5人の方々の思い出話が掲載されています。
世界大ロマン全集解説総目録.jpg 目次.jpg 
 先ほど、ふと思い立って古~いダンボールを開けてみたら――おお! 生原稿だ~!
 目録に寄稿していただいた際の原稿を見つけたのです。厚木淳さんはインタビューでしたので、私の手書きですが、ほかの方々のものは紛うことなき直筆原稿です。

 大ロマン全集について 大瀧啓裕/ハガードとの出会い 岡田正哉
大瀧啓裕.jpg 岡田正哉.jpg
 大ロマンよ、もう一度! 鏡明/「大ロマン」の時代 柴野拓美
鏡明.jpg 柴野拓美.jpg
 岡田さん、鏡さんの原稿のタイトルは私の字です。覚えていないんですが、たぶんいただいた原稿にタイトルが付けられてなく、電話か何かで相談して、こう決めたのだと思います。
 ご寄稿いただいた方々には、それぞれのページにサインをいただきました。お目にかけましょう。ほぼ原寸大です。
厚木淳(サイン).JPG 大瀧啓裕(サイン).JPG 柴野拓美(サイン).JPG
岡田正哉(サイン).JPG 鏡明(サイン).JPG
 このうち3人の方は鬼籍に入られ……。時の流れを感じずにはいられません。
 今さらながらですが、ありがとうございました。>皆さま
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映画『13日の金曜日 ジェイソンの命日』

 2010年8月13日の記事で――

 その昔、ホラー映画ファンの人気を二分したシリーズがありました。『13日の金曜日』シリーズと『エルム街の悪夢』シリーズです。
 私は圧倒的に『エルム街の悪夢』シリーズ――フレディ派でした。『13日の金曜日』シリーズは、第1作こそ新鮮で面白かったですけれど、すぐに食傷しました。基本的に、シリアル・キラーものは好きではないんですね。
 しかし、『13日の金曜日』シリーズで唯一の例外があります。――『ジェイソンX』です。

 と書きましたが、こう言い切るのは問題がありました。私は『13日の金曜日』シリーズをちゃんと観ていないんですよね。正直、どれを観たのか、それすらあやふや。
 思うところあって、シリーズ第9作『13日の金曜日 ジェイソンの命日』を観ました。これは確実に、初めて観る作品です。そのあとに、宇宙空間を舞台にした『ジェイソンX』、フレディとの共演『フレディVSジェイソン』も作られていますが、これらは番外編と言ってよく、『ジェイソンの命日』は実質上の最終作と言えるでしょう。
ジェイソンの命日.jpg この映画、私の印象に残っている『13日の金曜日』シリーズとは、全く違っていました。
 ジェイソンの心臓がまるで独立した生物のように動いて人間の体内に潜入し、その人間を支配します。次から次へと(口から口へと)別の肉体に乗り移り……。――私が大好きなタイプのSFホラーではないですか(嬉)。
 いやあ、びっくりしたなあ。面白かったなあ。
 なんとなくウィキペディアを読んでみたら、『ジェイソンの命日』の豆知識に「前作のラストとも全く繋がらず、シリーズとしては雰囲気も違う、番外編のような作品」と。
 あら、そうなんですか。『ジェイソンX』『フレディVSジェイソン』、そしてこの『ジェイソンの命日』。どうやら私は番外編が好きなようです。
 ウィキペディアを読んでいて、『13日の金曜日PART7 新しい恐怖』もけっこう好きだったことを思い出しました。ジェイソンVS超能力少女。――これまたSFホラーであります(嬉)。
 私の好みで言えば、『エルム街の悪夢』シリーズは第1作がマックスでした。しかし『13日の金曜日』シリーズは逆に、徐々に私好みに変貌していったのかも。
 認識を改める必要がありそうです。>『13日の金曜日』シリーズ

【追記】
> ジェイソンの心臓がまるで独立した生物のように動いて人間の体内に潜入し、その
>人間を支配します。次から次へと(口から口へと)別の肉体に乗り移り……。――私が
>大好きなタイプのSFホラーではないですか(嬉)。
 当然と言いましょうか、映画『ヒドゥン』を強烈に思い出し、そういえば久しく観てないなあ、と。
 で、観ました。やはり傑作です。>『ヒドゥン』
ヒドゥン.jpg
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映画『マスク・オブ・デビル』

 映画『マスク・オブ・デビル』を観ました。2007年製作。
 スティーヴンスンの名作『ジキル博士とハイド氏』が原作ですが、舞台は現代で、思い切り新要素が加えられています。最先端の医学が絡むと、こういう古典ホラーもSFになっちゃうんですね。原作とは別物という感覚ですが、まあまあ楽しめました。しかし、どうしてこんなジャケットにしたんでしょう。青塗りの人、出てきません。ついでに言えば、マスクを被った人も出てきません。

 書棚を見回し、古~い邦訳本を取り出してきました。
『寶島他三篇』改造社・世界大衆文學全集(28)*「寶島」「ヂェキル博士奇談」「新アラビヤ夜話」を収録。
『ジキル博士とハイド氏』大泉書店・新選世界大衆文學集(49)*ポオ「黄金蟲」を併録。

マスク・オブ・デビル.jpg 宝島.jpg ジキル博士とハイド氏.jpg
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映画『リーカー』

 映画『リーカー 地獄のモーテル』『リーカー ザ・ライジング』を観ました。1ヶ月ほど前に観た『恐怖の足跡 ~霊魂の祭典~やそのリメイク版『死魂』と同様、結末でビアス「アウル・クリーク橋の事件」を想起させられ……。とりあえず「アウル・クリーク型」と名づけることにしますが、邦画でも『荒野のダッチワイフ』なんてのもありましたし、こういう結末の映画って、けっこう多いのでしょうか。
『リーカー』シリーズは「アウル・クリーク型」の亜流で、スプラッタ全開です。私はアウル・クリーク大好き。スプラッタも大好き。
 当然のことながら、楽しかったです。しかし、この結末を使うと、どんな不条理な展開もオーケーになっちゃうなあ(苦笑)。


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「耽奇小説」

 2009年10月14日の記事に、以下のように書きました。

 昨日発売された「野性時代」11月号は「特集 原稿用紙15枚のワンダーランド」として、ショートショートの大特集を組んでいます。
 ―中略―
「野性時代」を眺めていて、ショートショート特集とは別に、とんでもないページに出食わしました。日下三蔵のコラム「ショートショート初紹介」です(351ページ)。
 日本にショートショートという名称が紹介されたのは「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年1月号掲載の都筑道夫「舶来小咄由来」とされていましたが、それ以前に、「耽奇小説」1958年11月号に掲載された一文で、「ショート・ショート」という名称が紹介されているとか。無署名ですが、都筑道夫の文章に間違いないようです。
 いやあ、知りませんでした。驚きました。

 その「耽奇小説」1958年11月号をゲット!
 ええ、確かに、アーネスト・レーマン「通話状態良好」の解説「原作者アーネスト・レーマンについて」には――
耽奇小説.jpg
 これはアメリカの雑誌で、ショート・ショートと呼ばれている形式の作品です。短篇小説よりもずっと短く、大判の雑誌で、挿絵を入れて見ひらき二ページにおさまるぐらいになっています。
 わずか二ページで、読者のこころをつかみ、意表をついた結末をつけなければならないのですから、普通の短篇小説とおなじくらい、ときにはそれ以上に難かしい形式です。無駄があってはいけない。泥臭くてはいけない。洗練されつくした、カミソリのように冴えた技巧が必要です。

 と書かれています。わかってはいても、現物を確認できたことは大きな収穫ですね。
 なお、「ショート・ショート・ストーリイ」となりますと、その遥か前に紹介されています。2010年9月23日の記事『コント文學と創作法』をご参照ください。
「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年1月号については、この記事を。
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『荒川アンダー ザ ブリッジ』

 中村光のマンガ『荒川アンダー ザ ブリッジ』がよく読まれているという話は聞いていました。
 今年の正月、その実写ドラマ(全10話)が放送されました。なんとなく気になって録画はしたものの、そのまんま放置。観たい映画がたくさんあるし、原作マンガを読んでから観ようかなあ、とか。ま、よくある話です。
 何冊も読むのは面倒だなあと思っていたら、あらら、傑作選が出ているのですね。
『荒川アンダー ザ ブリッジ REMIX (上下)』ヤングガンガンコミックスリミックス(11)
荒川アンダーザブリッジ.jpg
 ほお。実写ドラマ化に合わせて発行されたものですか。これなら手ごろです。
 さっそく読んで――
 う~~~ん、ビミョーですねえ。つまらなくはないし、どちらかと言えば面白いのですけれど、今ひとつ物語世界にはいりこめません。ギャグの感性が私とは少々合わないようです。
 ただし、それは別として、マンガを読んだことによって、実写ドラマには興味が湧いてきたんですよね。このマンガがどんなふうにドラマ化されているのでしょう。
 というわけで、実写ドラマを観始めました。――あはは、マンガよりも好き(笑)。
 数日かけて、最後まで観ようと思います。


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映画『ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート』

 そもそも私は、『プラネット・テラー in グラインドハウス』を観て、グラインドハウス映画なる言葉を知りました。うわあ、面白い! と続いて『デス・プルーフ in グラインドハウス』、さらには『プラネット・テラー』に挿入されていたフェイク予告編を映画化しちゃった『マチェーテ』も。いずれも抜群に面白かったですね。
プラネット・テラー.jpg デス・プルーフ.jpg マチェーテ.jpg
 私の好みで順番をつけるならば、1番『マチェーテ』、僅差の2番『プラネット・テラー』、少し離れて3番『デス・プルーフ』となりますが、3本とも私好みであることは間違いありません。
 グラインドハウス映画という言葉から受けるのは、好印象のみだったのです。
 ということで――
悪魔の調教師(惹句).JPG
悪魔の凶暴パニック(惹句).JPG
ラストハウス・オン・デッドエンドストリート(惹句).JPG
 上から、『悪魔の調教師』『悪魔の凶暴パニック』『ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート』のDVDジャケットに踊っている惹句です。
ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート.jpg 見事に同じですねえ。調べてみて、この3本は『グラインドハウス・ムービー』なるDVD-BOXに収録されているタイトルと知りました。『悪魔の調教師』『悪魔の凶暴パニック』は鑑賞済み。すでにそれぞれの記事に書いていますので、ご参照いただきたいと思います。
 とまあ、そのような経緯があって、本日、最後に残った『ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート』を観ました。DVDジャケットには「この作品は非常に危険な映画です。本作を観てなんらかの異常をきたしても、責任を負いかねますので、ご了承ください」と書かれています。いや~な予感がしますねえ(苦笑)。
 う~~~ん、残念ながら、その予感は当たってしまいました。あくまでも私の好みの問題なんですが――こういうのは苦手です。
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『正也君再び近鉄特急に乗る』

正也君再び近鉄特急に乗る.jpg 岡田正也『正也君再び近鉄特急に乗る』なるファンジンを作りました。全8編を収録した小説集です。
 先月18日の記事で、岡田さんのファンジン初登場は「宇宙船」第8号(1962年3月15日発行)であることが判明したと書きました。つまり本書は、岡田さんのファンジン・デビュー50周年記念作品集ということになります。
 今年3月がファンジン・デビュー50周年とわかってから、追悼ファンジン(ベムや古典SFの研究や論考を中心に収録)を3月に出すのは無理だけど、何か記念になるようなことができないかと思案した末、このようなものを……。ファンジンが大好きなんですね、私。
 全8編の内訳は短編2本、ショートショート6本。――最も古い作品は50年前、新しくても40年前に書かれたという、もはや古典SFと言ってもいい作品群です。
 手作りファンジンですから、多くの部数を出すことはできません。しかしまあ、若気の至り爆発の作品群ゆえ、不特定多数にばらまくと天国の岡田さんに叱られそうな気もしますし、少部数発行(ほんと、超・少部数です)にしておくべきかも……とも思います。
 もちろん販売する気はありません。岡田さんを偲んでいただくという意味で、関係各位に進呈しようと考えています。数日中に発送しますので、しばらくお待ちください。>関係各位
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映画『アルティメット・プレデター』

 映画『アルティメット・プレデター』を観ました。ともあれ、「プレデター」の5文字ですね。「エイリアン」「スピーシーズ」「ターミネーター」などと同じく、そういう文字列を含むタイトルの映画を見かけると、つい観たくなってしまうんです(苦笑)。
アルティメット・プレデター.jpg もちろんこの映画も、あの『プレデター』とは全く関係なくて、出てくるのはシムロック(ロック鳥)です。観始めてすぐ、CMカットと思しき暗転シーンがあり、あ、TV映画なのか。――と、期待値は限りなく0に近づいたのですが、意外に楽しくて、ついには驚愕の(と言えないこともない)ラストまで。
 え~と。登場人物すべてが愚かで、揃いも揃って、信じられないような行動をしまくります。それゆえ先の展開が読めず、楽しめたのかもしれません(笑)。
 うん、TV映画にしてはよくできているのではないでしょうか。


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訃報:河野典生さん

 大熊宏俊さんのところで、河野典生さんの逝去を知りました。今年1月29日、嚥下性肺炎のため。77歳。
 正直、そんなに多くの著作を読んだわけではないのですが、それでも印象に残っている作品は少なくありません。(SFファンの目で見て)代表作は『街の博物誌』のシリーズでしょう。
『街の博物誌』早川書房(74)/ハヤカワ文庫JA(79)/ファラオ企画・原点叢書(91)
『続・街の博物誌』早川書房(79)
 幻想的な短編は魅力的でしたね。うちにある最も新しい河野典生の本は、おそらくファラオ企画版『街の博物誌』と思います。買ったのは7~8年前だったでしょうか。古本屋を回っていて見かけ、「へえ、こんな本が出てたのか。原点叢書か。確かに原点だよなあ」と購入したものです。
 ほか、個人的に強く印象に残っているのは、「怪腕探偵(ターザン)シリーズ」と銘打たれたユーモア・ハードボイルド長編です。ターザンといっても、もちろんあのターザンではなくて、私立探偵・田沢太一の通称(笑)。私はE・R・バローズ(ターザンの作者)の大ファンですから、「ターザン」という4文字に惹かれて手に取りました。さほど期待はしていなかったのですが、これがけっこう楽しかったんですよね。
『探偵(ターザン)はいま鉄板の上』ノン・ノベル(76)/徳間文庫(84)
『幻夢・肥満狂死曲』ノン・ノベル(85)
街の博物誌(早川書房).jpg 街の博物誌(ファラオ企画).jpg 探偵はいま鉄板の上.jpg 幻夢・肥満狂死曲.jpg
 以下、ショートショート集リストです(参考書も含む)。
『緑の時代』ハヤカワSFシリーズ(72)/角川文庫(75)*1編割愛。/ハヤカワ文庫JA(79)*ハヤカワSFシリーズ版と同じ。
『ペインティング・ナイフの群像』新潮社(74)
『町の案内図 声、そして彼らの旅』徳間書店(80)
『ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ』集英社(81)
緑の時代.jpg 緑の時代(角川文庫).jpg 緑の時代(ハヤカワ文庫).jpg ペインティング・ナイフの群像.jpg
街の案内図.jpg ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ.jpg
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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『本棚探偵の生還』

 ここ半年ほど、古本屋を回る頻度が激減していたのですが、だいぶ暖かくなってきたこともあり、出かける機会を増やそうかな、なんて思いました。
本棚探偵の生還.jpg 思い立ったが吉日。――ではありますが、あいにく今日は朝から雨模様(今にも雨が降り出しそうな空模様)。正午前には実際に雨が降り始めました。出かけなくて正解です。
 古本への気持ちを盛り上げるため、というわけでもありませんが、今日は喜国雅彦『本棚探偵の生還』双葉社(11)を読むことにしました。『本棚探偵の冒険』双葉社(01)、『本棚探偵の回想』双葉社(04)に続く、古本エッセイ第3弾です。
 喜国雅彦も私も古本バカですが、同じ古本バカでも種類が違うバカですね。バッカだなあと思いつつ、楽しく読んでいます。
 175ページまで読み進んだところで、思わず「おお、これか」と小さな声を漏らしました。この記事に森下一仁さんからいただいたコメントを思い出したのですね。
>喜国雅彦さんの『本棚探偵の生還』では北原さんも日下さんも大活躍ですが、
>あの本によれば日下さんが本を買う動機は「売っていたから」なんですってね。
>知らなかったので、びっくりしました。
 売っていなければ買わない(買えない)わけで、「買うのは、売っていたから」というのは当たり前のことなんですが、それにしても……(笑)。
 古本話って、どうしてこんなに楽しいんでしょ。
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『第六ポンプ』と『窓鴉』

第六ポンプ.jpg 遅ればせながら、パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』新☆ハヤカワ・SF・シリーズ(12)を買いました。懐かしのハヤカワ・SF・シリーズの装丁を模しているということで話題になった新叢書の第2弾です。いやはや、ノスタルジジイのハートを直撃します。
 でもなあ……。確かにハヤカワ・SF・シリーズを模しているのはわかるけど、表紙が全然違うんだよなあ。どうせなら徹底的にやってくれれば、もっともっと嬉しかったのに……。
 ちょっぴり不完全燃焼ではありますが、時代が違いますから、仕方がないのかもしれませんね。

 ハヤカワ・SF・シリーズの装丁を模した本といえば……。
 ファン出版ですが、ハルコン・SF・シリーズ(はるこん書房)はすごいです。
◎チャールズ・ストロス『雪玉に地獄で勝算はあるか?』2010/4/10刊
◎ロバート・J・ソウヤー『見上げてごらん。』2011/4/9刊
 なんと、函まで作っちゃっているんですよ。どうぞ、お手元のハヤカワ・SF・シリーズと見比べてください。この凝り具合には脱帽&拍手。
雪玉に地獄で勝算はあるか?.jpg ストロス(函).jpg 見上げてごらん。.jpg ソウヤー(函).jpg
 もう1冊、これは昨年でしたか、近所のブックオフで見かけ、「なんじゃ?」と買ったものです。
◎岡田斗司夫『岡田斗司夫のひとり夜話 Vol.2』ロケットマンプレス(2010/8/15刊)
 もろにハヤカワ・SF・シリーズなんですよね。こんなのを目にしたら、買っちゃうでしょう(笑)。Vol.2というからにはVol.1は出ているでしょうし、Vol.3以降も出ているかもしれません。
 ハヤカワ・SF・シリーズというのは、SFファンに愛され、忘れられない叢書なのですね。以上4冊の背表紙の画像も掲載しておきます。
ひとり夜話Vol.2.jpg 背.jpg
          *               *               *
『第六ポンプ』と一緒に、式貴士『窓鴉 式貴士抒情小説コレクション』光文社文庫(12)も買いました。
 この記事にも書きましたように、私は式貴士の大ファンです。4年前、『カンタン刑 式貴士怪奇小説コレクション』光文社文庫(08)が出版され、傾向別の傑作集が出るのかなと期待していましたが、その後は音沙汰なく……(淋)。
 ようやく! 2冊目が! 出ました! 嬉しい! ぜひぜひ! 3冊目を!
カンタン刑.jpg 窓鴉.jpg
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映画『地球の危機』

 映画『地球の危機』を観ました。子どものころ、かすかに観た覚えのある海外TVドラマ『原子力潜水艦シービュー号』の元となった映画とのことです。映画そのものの出来は、正直に言って今ひとつと思いましたが、全編に流れる懐かしい雰囲気は捨てがたいですね。好きです。

 シオドー・スタージョン『原子力潜水艦シービュー号』創元推理文庫(65)は映画『地球の危機』のノベライズです。スタージョンというのは意外性がありますね。
 ポール・W・フェアマン『シービュー号と海底都市』創元推理文庫(68)の「訳者あとがき」には「本編は独立した長編小説」と書かれています。ノベライズではなく、シービュー号のオリジナル冒険譚なのでしょうか。
地球の危機.jpg 原子力潜水艦シービュー号.jpg シービュー号と海底都市.jpg
 子どものころ、潜水艦もののマンガも好きでした。小沢さとる『サブマリン707』とか『青の6号』とか。
 小沢さとるといえば、潜水艦マンガではありませんが、『エムエム三太』も好きでしたねえ。ああ! 読み返したくなってきました。>小沢さとる
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『マンボウ大漁旗』

 樹立社さまより、江坂遊編『北杜夫 短編掌編アンソロジー マンボウ大漁旗(全5巻)』樹立社大活字の〈杜〉(12)を送っていただきました。ありがとうございます。
マンボウ大漁旗.jpg 1マンボウ山々を愛す.jpg 2マンボウ躁病を駆ける.jpg
3マンボウ共和国をつくる.jpg 4マンボウ氷海を行く.jpg 5マンボウ夢を紡ぐ.jpg
 この記事にも書きましたように、私も一時期、北杜夫の本を好んで読んでいましたので、めちゃ懐かしい&嬉しいです。「短編掌編アンソロジー」となっていますが、正確には「短編掌編&エッセイ・アンソロジー」ですね。第3巻「マンボウ 共和国をつくる」には、かの傑作「マブゼ共和国建国由来記」も収録されています。
 各巻の巻頭には写真が4ページ。躁状態の北さん(笑)やマンボウ・マブゼ共和国グッズの写真が楽しいです。もちろん、生原稿や色紙の写真もあります。
 久しぶりに北杜夫を読んでみようかな。――そんな気持ちになりました。

パンフレットを見る。


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押川春浪

 昨日の記事の続きです。
 日本SFの父が海野十三であるならば、日本SFの祖といえばこの人――押川春浪です。本棚を眺め、適当に本を取り出してきました。
 押川春浪も高校から大学にかけて、よく読んでいましたね。ものすごく好きというわけでもないのですが、当たり前のように……。実際、海野十三もそうですが、SFファンなら読んで当然というか、読んでおかなければならないという感覚でした。
 海野十三と同じく、読んでいたのは桃源社の本です。
『海底軍艦』桃源社・日本ロマンシリーズ(70)*「海底軍艦」+「武侠の日本」
『武侠艦隊』桃源社・日本ロマンシリーズ(72)*「新造軍艦」+「武侠艦隊」
『東洋武侠団』桃源社・日本ロマンシリーズ(72)*「新日本島」+「東洋武侠団」
『怪人鉄塔』桃源社・日本ロマンシリーズ(72)*「千年後の世界」+「怪人鉄塔」+「北極飛行船」
海底軍艦.jpg 武侠艦隊.jpg 東洋武侠団.jpg 怪人鉄塔.jpg
 大学生のころ、戦前の本(石書房版とか)も何冊か買いましたけれど、SFコレクターを廃業した際に処分してしまったので、手元にはありません。
 研究書も読みました。作品以上に、人間が魅力的なんですよね。>押川春浪
 横田順彌・會津信吾『快男児 押川春浪』パンリサーチ(87)/徳間文庫(91)
 横田順彌『熱血児 押川春浪 野球害毒論と新渡戸稲造』三一書房(91)
快男児押川春浪.jpg 快男児押川春浪(文庫).jpg 熱血児押川春浪.jpg
 以下、蛇足ですが……。
 ショートショートの資料を集めるために古本屋回りを再開し、以下のような本を買いました。ほんと、なんとなく。
『海底軍艦』ほるぷ出版(74)*初版(明治33年)の復刻版。
『海底軍艦・武侠の日本 押川春浪・軍艦全集1』桃源社(79)
『新造軍艦・武侠艦隊 押川春浪・軍艦全集2』桃源社(79)
『新日本島・東洋武侠団 押川春浪・軍艦全集3』桃源社(79)
海底軍艦(ほるぷ).jpg 軍艦全集1.jpg 軍艦全集2.jpg 軍艦全集3.jpg
 海野十三も押川春浪も、懐かしい! それに尽きます。
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海野十三

 ほぼ毎日訪れるサイトがいくつかあり、石原藤夫さんの掲示板もそのひとつです。
十八時の音楽浴.jpg 毎日1冊、石原さんは蔵書を紹介してくれます。その本が、さすが石原さん! なんですよね。
 ちょっと前は香山滋の本でした。このブログにも何度か書きましたように、私は香山滋が大好きですから、少しは古本屋で買い求めましたし、持っていなくても先輩SFファンに見せていただいたりして、ほとんどの本は現物を手にしたことがあります。それでも初めて見る本が何冊もあり、楽しかったですねえ。
 で、現在は海野十三です。もちろん海野十三も楽しく読みましたが、古い本はあまり持っていません。見たことがないどころか、存在すら知らない本がずらり。書影フェチにはたまりません(嬉)。
 海野十三を積極的に読んでいたのは高校から大学にかけての数年間でした。最初に読んだのは『十八時の音楽浴』ハヤカワSFシリーズ(65)です。はっきり覚えていませんが、おそらく1974年あたり。面白いなあ~と、続けて桃源社の本に手を伸ばし……。
『深夜の市長他 海野十三傑作集Ⅰ』桃源社・大ロマンの復活(69)
『地球要塞他 海野十三傑作集Ⅱ』桃源社・大ロマンの復活(69)
『火星兵団全 海野十三傑作集Ⅲ』桃源社・大ロマンの復活(70)
『地球盗難』桃源社・日本ロマンシリーズ(71)
深夜の市長.jpg 地球要塞.jpg 火星兵団.jpg 地球盗難.jpg
 面白かったですねえ。日本SFの父と言われているという知識はあったものの、実感としてはわかりませんでした。読んで納得! なのです。
 新刊で初めて買ったのは講談社の少年倶楽部文庫『浮かぶ飛行島』(75)や『太平洋魔城』(76)だったと思います。両作品とも桃源社『地球要塞』に収録されていて、それにもかかわらず買ったのは、かなり気に入っていたということでしょう。
 しかし、そこまででした。もっと読みたい気持ちはありましたが、海野十三の古い本は高価で、学生には手が出ません。そうこうしているうちに古典SFに対する興味が薄れ、さらにはSFコレクターも廃業し……。
浮かぶ飛行島.jpg 太平洋魔城.jpg 海野十三集.jpg
 とはいえ好きな作家ではあり、古本、新刊にかかわらず、目につくと買っちゃったりもしています。最近(でもないけど)買った海野十三の本は『海野十三集 三人の双生児』ちくま文庫・怪奇探偵小説傑作選(01)です。ありゃ、もう10年以上も前ですか。
 その解説(日下三蔵)を読んでいたら――
>このちくま文庫版以前には、海野の大人ものをまとめて読める短編集は、
>『十八時の音楽浴』(ハヤカワ・SF・シリーズ/昭和四十年十一月→ハヤ
>カワ文庫JA/昭和五十一年一月)一冊のみ。
 と書かれていて、へえ、そうだったんだ。
 あ、そうそう。あと、こんなのも。
海野十三生誕百年記念出版 JU通信◎復刻版』海野十三の会(98)
歿後五十年追悼特別出版 海野十三メモリアル・ブック』海野十三の会(00)
生誕一一〇年記念 日本SFの父 海野十三展』徳島県立文学書道館(08)
 いずれもファン感涙の超絶資料集です。
JU通信◎復刻版.jpg 海野十三メモリアル・ブック.jpg 海野十三展.jpg
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