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『宇宙海ぞくパプ船長』

 図書館で借りた本。『テレパシードロップをどうぞ』に続いて、亀山龍樹『宇宙海ぞくパプ船長』岩崎書店・あたらしいSF童話(85)を読みました。
 いきなり現れた宇宙海賊(ドブ星人)の宇宙船に乗りこむことになった少年(地球人。戦国時代?)の冒険譚(?)です。
“けんかなしの木”――宇宙海賊の出身星に植えられていて、1年じゅう花を咲かせている。喧嘩がしたくなると、花の匂いが鼻孔に作用し、くしゃみと洟水が止まらなくなり、喧嘩どころではなくなる。この木のお陰で、戦いのない世界が実現。
“時間ずっこけ”――宇宙海賊の宇宙船のなかでずっこけると、からだが5分か10分先に行ってしまい、時間が追いつくまで、周囲の人からは見えなくなる。
 楽しいガジェットが紹介されつつ、物語は進みます。“けんかなしの木”はともかく、“時間ずっこけ”がこんなに重要な役割を果たすとは思っていませんでした。ユーモラスなスペースオペラ、と言っていいのかな。物語はループ構造になっていて、これまた楽しかったです。
 作者の亀山龍樹さんは1922年生、1980年没。翻訳家としてよく存じていますが、こんな創作もされていたんですねえ。解説(内田庶)によりますと、亡くなられる2~3年前、本格的な創作に取り組みたいと漏らしていたそうで、若くして亡くなられたことが残念です。
宇宙海ぞくパプ船長.jpg
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