SSブログ

『花賣り娘』

 昨年末、堀口大學譯『詩人のなぷきん 仏蘭西短篇小説集』第一書房(29)を買いました(→この記事)。その際に書きましたように、堀口大學訳『詩人のナプキン』ちくま文庫(92)はこの本の大幅増補版です。増補作品8編のうち7編は堀口大學訳『花売り娘』第一書房(40)から採られているそうで、となると、その『花売り娘』が気になります。買うことにしました。
◎堀口大學訳『花賣り娘 仏蘭西短篇集』第一書房(40)
 ちくま文庫『詩人のナプキン』では『花売り娘』となっていましたが、正確には『花賣り娘』でした。全16編収録。これはいいですね。カバーの下に隠れている本体のデザインにも惹かれます。戦前の本ならではの味わい。
花賣娘.jpg 花賣娘(本体).jpg
 堀口大學の翻訳作品に関しては小澤書店『堀口大學全集』の「補巻1~3(翻譯作品Ⅰ~Ⅲ)」があります。ぶ厚くて大きくて重い本。とんでもない数、そして量。とても手を出す気にならず、買っただけで放置しています。
堀口大學全集 補巻.jpg
 読むのはそれぞれの単行本で。
 たとえば――
『シャルル・ルヰ・フィリップ短篇集』近代文明社(23)
『ノアの方舟』第一書房(39)
『現代ブラジル文學代表作選』第一書房(41)
『毛蟲の舞踏會』青磁社(43)
 いずれも日本におけるショートショートの歴史を考える際、重要な本です。
コメント(2) 

コメント 2

香川真澄

わあ、すごい図書が出ていたんですね! 先日はちくま文庫版『詩人のナプキン』を読み、堀口大学訳の詩集や短編はかなりの量読んでいるつもりでいましたが、未読の短編がまだまだありそうです! ご紹介有難うございます!

by 香川真澄 (2022-01-05 14:57) 

高井 信

 世のなかには知らない本がたくさんありますよねえ。
 堀口大學の翻訳作品については全集を買えば全部読めるのですが、あの本を読むのは精神的にも肉体的にも(特に肉体的に!)大変です。私は読むためではなく、リファレンス用に買いました。巻頭には貴重な本の書影(カラー)が掲載されていて、それを見るだけでも眼福です。
by 高井 信 (2022-01-05 16:09) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。