SSブログ

「Hard SF Laboratory」145号

「Hard SF Laboratory」145号が届きました。石原藤夫さんが主宰する〈ハードSF研究所〉の公報(会誌)です。石原さん、いつもありがとうございます。今号もぶ厚く、本文168ページ!
 私の「日本ショートショート出版史」は第8回。今回は1984年から1987年です。本稿で詳細に記述するのは(星新一さんが亡くなられた)1997年までですから、あと3回で最終回を迎えそうです。
 森田裕さんの連載「コレクターの本棚から」は第17回。今回のメインはリチャード・パワーズですが、私としては森田さんのファンジン話に興味津々です。世界最初のファンジン「The Comet」創刊号(1930年5月)を入手されたそうで、内容を詳しく紹介してくれています。
 藤元直樹さんの「日本SFの父」は連載2回目は「柴野為亥知の巻(1)」です。柴野拓美さんのご尊父! いやいやいやいや、私の知らないことばかりです。
 前号で堀晃さんが「堀龍之 人と作品―幻のハードSF作家・堀龍之の全体像―」にて実兄・龍之さんの紹介をされました。本号から堀龍之さんの実作品の復刻連載が開始。第1回は「技術と経済」誌1972年7月号に掲載された「地球号発進命令」です。
 ほかにも復刻連載は、瀬川昌男さんの『未知は銀河へ』『人造神オメガ』(後者は今回が最終回)、高垣眸+深山百合太郎『恐怖の地球』もあります。それと、石原藤夫さんが以前に地方新聞に寄稿したショートショートの連載も始まりました。ウェルズの翻訳連載もあります。
 もちろん、石原さんによるSF研究(海野十三など)や資料(「少年少女譚海」など)も充実。さらに、大宮信光さん、福江純さん、橋本淳一郎さん……。
 こうして簡単に紹介するだけでも、濃密なSF空間が広がっていることがおわかりいただけると思います。ほんと、毎号、手にするのが楽しみで楽しみで。
 これは多くのSFファンに読んでもらいたいなあ。――ということで、いきなりですが、入会(購読)アナウンスをすることにしました。

HSFL.jpg◆ ハードSF研究所公報「Hard SF Laboratory」
季刊・年4回発行(2月、5月、8月、11月)
年会費:8000円
郵便振替:00220―0―16059

 最近のSFにしか興味がない方にはお勧めしませんけれど、古くからのSFファンでしたら、思い切り楽しめると思います。
 8000円という会費は高いと思われるかもしれませんが、1冊2000円以上の価値は充分すぎるくらい充分にあります。購読ご希望の方は郵便振替をご利用ください。

【追記】
 151ページの「難解SFクイズ」では、何かと話題の岩田賛が採り上げられています。
<岩田賛の『科学と空想』に掲載されている七篇の作品の題名とその初出を示せ>
 うはははは。お手上げです。(詳細な解説とともに答えも書かれていて、ほっ)
 170ページ「POSTSCRIPT」では、「空想科学小説」という言葉はいつごろから使われているのか、なんて話題が書かれています。戦前の一例として、「週刊朝日」昭和14年7月10日号の目次画像が掲載。ただデータを記すのではなく、現物の画像を掲載しちゃうのが石原さんですね。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。