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豆本『姑息な企画』

 先月25日の記事に、以下のように書きました。

 ハヤカワ、室町、講談社ときて、あとは元々社を作れば完璧でしょうが……。
 やるなら、函も作らなければならないなあ。2冊のアンソロジーは函じゃなくてカバー装だったけど、元々社はやっぱり函入りだよなあ。函を作るのは難しいなあ。それに本体を真似するのも難しいなあ。う~~~~む、これは手を出さないほうが賢明だなあ。
 そんなわけで、もどき豆本の製作、とりあえずは終了とします。

 あれから10日……。
元々社.jpg 実は右のような画像を作って、遊んでおりました。
 実際に作ろうなんて気持ちはなく、ですから書名(『力二鍋』です)は便宜的なものにしたのですが、眺めていますと、これが実に魅力的&蠱惑的。
 前の記事にも書きましたように、元々社SFシリーズ(正確には、最新科学小説全集)を模した製本をするのは私の手に余ります。函なんて、とんでもない。しかし……。
 普通のソフトカバーにして、函入りじゃなくてカバー装にすれば、それっぽいものができあがるのではないかなあ。――そんなことを考えつつ、カバーや表紙の画像をデザインしてみました。
 豆本製作にあたって時間がかかるのは、テキスト入力を別にすると、まず書式の設定で、続いては製本作業です。こういうデザインでしたら、作るのにほとんど時間はかかりません。
 今回、収録作品のテキストはあります。厄介な書式設定も豆本『不思議な小説』のものを流用すれば、何もしなくてOK。
 こんな条件が揃ってしまったら(笑)。
 左の画像はカバーを付けた状態で表と裏、右はカバーを外して表と裏です。
カバー.jpg 本体.jpg
 よいですなあ(嬉)。
 複数冊を作るのは時間がかかるので、今回作ったのは1冊のみです。いずれ暇なときに、もうちょっと作ろうと思っています。

 もどき豆本4冊。ついでに背の画像も。背文字の有無は重要なポイントなのでありますよ。
豆本4種.jpg
背.jpg

比較画像.jpg【追記】
 この記事だけ読むと、豆本の小ささが実感できませんね。
 それに、もしかすると元々社SFシリーズをご存じない方もおられるかもしれません。そこで、本物と豆本を並べた画像をアップすることにしました。
 デザインが違っているのは、函だと左側が背、カバーだと右側が背になるからです。

【追記2】
 これで、昭和30年代前半に創刊された重要なSF叢書、すべてを「もどき豆本」にできたと思います。
◎室町書房・世界空想科学小説全集/1955年/全2冊
◎元々社・最新科学小説全集/1956~57年/全20冊※うち2冊は宇宙科学小説シリーズ
◎ハヤカワSFシリーズ/1957~74年/全318冊
◎講談社・SFシリーズ/1958年/全6冊
 いずれも私の生まれる前後の創刊です。ハヤカワSFシリーズ以外はすぐに終わってしまいましたし、ハヤカワSFシリーズにしても、私がSFに目覚めたころには末期でした。
 にもかかわらず、ミョーに思い入れがあるんですよね。憧れと言ってもいいでしょうか。あのころ……日本SF黎明期の空気を吸いたかったなと思います。

【追記3】12月7日
 こうすると、サイズを伝えやすいですね。上に表の画像を載せましたので、裏の画像を。
豆本(裏).jpg
コメント(6) 

コメント 6

広島保生

いやー、すごいです。
壮観です!
もどきとはいえ、
完成度の高さに脱帽です。
by 広島保生 (2014-12-05 19:14) 

高井 信

 嬉しいなあ。ありがとうございます。
 広島さんもチャレンジしてみてはいかがですか。意外に簡単なんですよ。
 新しいところでは、ハガSFシリーズもいいなあ。なんちゃって(笑)。

by 高井 信 (2014-12-05 21:57) 

広島保生

僕は手先が不器用なので、
豆本はおろか、普通サイズでも
多分無理です。
ハガSFシリーズにもぜひ挑戦して下さい!
by 広島保生 (2014-12-06 19:50) 

高井 信

 慣れると、意外に簡単なんですよ。場数を踏み、作業手順を工夫し……そんなことをしているうちに、いつの間にやら、あら不思議(笑)。
>ハガSFシリーズにもぜひ挑戦して下さい!
 気が向いたら、作るかもしれません。とりあえずは元々社SFシリーズ(試作品しか作ってない)と東都ミステリー(中身からっぽ)です。なんとか年内に、と思っていますが……。
by 高井 信 (2014-12-06 22:37) 

助手

「蟹鍋」、結構なお手前ですね!
by 助手 (2019-02-17 11:59) 

高井 信

「蟹鍋」と言われると、ちょっと……。なぜか。メッセージで作品をお送りします。
by 高井 信 (2019-02-17 12:05) 

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