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ネオ・ベム回想

 ネオ・ベムは、岡田正也さんの書かれたものを出版することを目的として作られた組織です。正式メンバーは私ひとりですが、顧問だのアドバイザーだの広報担当だの、私が勝手に思い込んでいる方は数名いらっしゃいます。いつも私のわがままなお願いを聞いていただき、感謝感謝。>皆さま
 今回、ネオ・ベムの新刊『ジンテン1★図録』巻末には「ネオ・ベム好評既刊」というページが設けられています(文庫版限定)。
 こんなのです。
     ↓
ネオ・ベム好評既刊.jpg おお、『ジンテン1★図録』(文庫版)が10冊目なのですね。で、軽装版が11冊目。
 この機会に、これまでの歩みを回想してみます。
◎『正也君再び近鉄特急に乗る』2012年3月15日発行/B5
 記念すべきネオ・ベム第1弾は岡田さんの小説集。こんなのを作るのは久しぶりですし、ワープロソフトやプリンタの機能もよく理解していなかったため、両面印刷してホチキスで綴じ、背に和紙を貼りつけるだけという、情けないくらいの簡易版です。これを見ると、いまはすさまじくスキルアップしてるなあ(笑)。詳しくはこの記事を。
 よく覚えていませんが、作ったのは10冊くらいだったと思います。販売せず、適当に進呈しました。
◎『愛しのベムは今何処』2012年4月15日発行/B5
 第2弾はエッセイ集。詳しくはこの記事を。これも同じような発行部数で、販売せず、適当に進呈。
◎『ベム創刊号・復刻版』2012年4月25日発行/A5
 岡田さんが発行されていたファンジン「ベム」創刊号を復刻してみました。全ページをスキャンし、印刷、製本。こんな作業は全くの初めてで、あれこれ試行錯誤しました。いまなら、この程度のものは気楽にひょひょいと作ってしまいますけれど、あのときは本当に苦労しました。詳しくはこの記事を。
◎『ベムAGAIN』2012年6月1日発行/A5
 岡田さん一周忌の追悼出版。手作りではなく、業者に発注しました。詳しくはこの記事を。
 おもな販売方法は北原尚彦さんの行商、ちくさ正文館での委託販売、昨年の日本SF大会での販売です。あ、そういえば、SF大会での販売分、まだ売り上げ報告が来てないなあ。もう1年も経つのに……。これ読んでたら、よろしくお願いいたします。(ちなみに、少しだけですが在庫あります)
◎『SF雑誌99の謎』2014年3月31日発行/A6(文庫サイズ)
 2013年の夏から、私のなかで手作り本がブームになりました。どさどさ作っているうちに、めきめきとスキルアップし……(笑)。そんな折、岡田さんの新刊も作りたいなと思いました。購入希望者が多ければ前回と同じく業者に頼もう、少なければ手作りしちゃおう。で、ブログにてリサーチしてみたところ、希望者皆無に近い! がっくり。……限定10部の手作りにし、事前希望者には販売ではなく進呈という形にしました。詳しくはこの記事を。
◎『SF雑誌99の謎〈軽装版〉』2014年4月1日発行/B6
 詳しくはこの記事を。ブログで希望を募りましたが、やはり皆無に近く……。寄稿者の希望もあり、必要分のみ製作。すべて進呈しました。(正確にはその後、事情があって少しだけ販売用を製作。200円)
 このあとネオ・ベムの出版物はこういう形式(文庫版限定10部+必要分は軽装版の発行)を採ることになります。岡田さんは素晴らしい仕事をされました。多くの方に読んでもらうのは嬉しいけれど、たくさん作るには業者に委託する必要があり、費用はかかるし販売は面倒臭いし在庫は場所をとるし……。といって放っておいたら陽の目を見ることはないでしょう。とにもかくにも形として残すことを最優先しようと思ったのです。その後、ほいほいと新刊を出せています。大部数発行でしたら販売や在庫管理もあり、それは無理(というか、面倒だから嫌)なわけで、私の能力・性格からして、この判断は正解だったと思っています。
◎『タイム・マシン随想』2014年4月4日発行/A6(文庫サイズ)
『愛しのベムは今何処』の再編集版。作ったのは15冊くらいだったかな。販売せず、『SF雑誌99の謎』に興味を持ってくれた方々に進呈しました。詳しくはこの記事を。
◎『エスペラントSF入門』2014年4月30日発行/A6(文庫サイズ)
◎『エスペラントSF入門〈軽装版〉』2014年5月1日発行/B6
 詳しくはこの記事を。『SF雑誌99の謎』でがっかりしたショックが残っていたため、最初から販売する気はありませんでした。(その後、事情があって少しだけ販売用を製作。100円)

 そして今回、『ジンテン1★図録』です。『SF雑誌99の謎』のショックも癒え、読みたい方がいれば販売してもいいかなと思いました。→昨日の記事参照。
 とはいえ、いちいち作るのは面倒なので勘弁してほしいです。希望者が10名を超えた時点で製作します。
 あ、そうそう。ネオ・ベム広報担当(笑)北原尚彦さんが今日か明日、ツイッターで内容紹介をされると思います。それもご参考に。
 とりあえず紙とインクを買っておくことにしましょう。

 さて、次回のネオ・ベムは……。毎度のことながら先のことは全くの白紙です。究極の目標は『宇宙生物分類学・完全版』ですが、いつになるやら。

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コメント(11) 

コメント 11

高井 信

 日本SF大賞のエントリー募集。
 2013年9月1日から2014年8月31日までに発表された作品で、なに、同人誌も可!?
 ということは『SF雑誌99の謎』『エスペラントSF入門』『ジンテン1★図録』も対象になるわけですね(笑)。
by 高井 信 (2014-09-02 13:40) 

北原尚彦

了解致しました!>広報担当(笑)

残念ながら本日は届かなかったのですが、届き次第紹介に務めたいと思います。

とにかくもう、楽しみでなりません。
by 北原尚彦 (2014-09-02 17:42) 

高井 信

>了解致しました!>広報担当(笑)
 よろしくね。>広報担当さん
 ちなみに今回、最高顧問にもご寄稿いただいております。いやもちろん、私が勝手に最高顧問と思っているだけですが(笑)。

>残念ながら本日は届かなかったのですが、
 北原さんはゆうメールですから、たいていは翌日(つまり今日)届くんですけどね。まあ、明日にはたぶん。
 で、明日にはメール便の方々にも届くと思います。
 楽しみにお待ちください。
 私は手に取られた方々の感想が楽しみ。ブログへのコメントでもメールでもいいので、よろしくお願いします。
by 高井 信 (2014-09-02 20:17) 

高井 信

> とりあえず紙とインクを買っておくことにしましょう。
 ネット注文したインクが届きました。で、さっき紙を買ってきました。これで、いつでも増刷できます。
by 高井 信 (2014-09-03 15:44) 

北原尚彦

本日、無事に届きました!
(届くまで30分おきに郵便受けをのぞきに行っていたのはヒミツです。)
中身も外身(製本)も、両方素晴らしいです。
わたしのように、SFファンダムに顔を出すようになったのが遅い人間にとっては、貴重な話ばかりです。
図版は、とにかく眺めていて楽しいし。
そして何より、高井さんの製本スキルの向上速度の速さ!
いやはや、脱帽致しました。
これからも、こういう本をどんどん出してください。
広報しますから(笑)
by 北原尚彦 (2014-09-03 20:28) 

高井 信

 お待たせしました!
>中身も外身(製本)も、両方素晴らしいです。
 ありがとうございます。
 存分にお楽しみください。
by 高井 信 (2014-09-03 22:35) 

山本孝一

「ジンテン1」本日届きました。ありがとうございます。
すばらしい出来です。
私はMEICONⅡに参加しましたが、一番おぼえているのは(「ジンテン1」の思い出話にも書きましたが)来日中のSF作家のジュディス・メリル女史に英語の問題をたずねたことです。
大学受験用の英文和訳のわからなくてたずねたのですが「無意味ね(ノー・ミーン)」と突っ返されました。
たしかに「なぞなぞ」みたいな英文だったので「英語として無意味」ということだと思っていましたが、今になって思うと「こんな判じ物みたいな英文を勉強しても無意味ね」と言いたかったのかなぁと思います。
高校の宿題をSF作家に訊いたなんてファンは我々ぐらいだろうなぁ。
しかしその会場で開催されていた「ジンテン(第1回日本SFファンジン総展示会)」のことはまったく覚えていません。
そのころはファンジンが周りに一杯あって珍しくもなんともなかったせいかもしれません。
それが今となってはファンジンは日本のSFの流れを語る上で貴重な資料です。
当時のファンジンはガリ版刷りが多く、紙の劣化だけでなく印刷インクも劣化しています。
1970年代に「半村良のお客になる会」が出していた会誌「半村良秘録」などは、我が家の保管状況が悪かったせいか、ガリ版刷りのインクが化学変化を起こして字がほとんど消えた号があります。
岡田正也さんは、古今東西のSF本を収集し、翻訳し、創作し、評論し、そしてファンジンを出すという多方面の才能をお持ちでしたが、ファンジンについてもいずれ消えてしまい、忘れ去られるかもしれないという危惧感を持っておられたという事が分りました。
当時そこまで考えておられたのかと今更ながら感心しました。
現在ファンジンを収集し整理しておられる石原藤夫さんの仕事は大きいですねぇ。
そして、そんな岡田さんの思いがこもった文献をまとめられた(こうして冊子にすると後世に残りますからね)高井さんの仕事もまたたいへんに大きい。
ありがとうございました。
by 山本孝一 (2014-09-05 15:43) 

高井 信

 ようやく今日ですか。ほとんどの方には一昨日に届いているようで、たぶん山本さんが最後です。ご寄稿いただいたのに、すみません。
 感想、ありがとうございます。ほんと、まとめればまとめるほど、岡田さんの素晴らしさを実感します。こんな方に高校時代にSFの手ほどきを受けた私は幸せ者です。
by 高井 信 (2014-09-05 17:26) 

高井 信

『ベムAGAIN』――
> おもな販売方法は北原尚彦さんの行商、ちくさ正文館での委託販売、昨年の日本SF大会での販売です。
 昨年の日本SF大会での売れゆき報告がありました。
 げっ! 1冊だけ? ショック、なんてものではありません。
 その後、記事本文にも書きましたように、新たな本は少部数を手作りすることにしましたが、これは大正解だったみたいです。淋しいけれど、現実は受けとめなくては。
 岡田さんの本は、あと2冊出す予定です。『宇宙生物分類学・完全版』と『恐竜+その他のエッセイ(タイトル未定)』。
 もう少し、頑張ります。売る気もないし、まあ、気楽に。
by 高井 信 (2014-11-21 23:04) 

広島保生

『ベムAGAIN』は、ちくさ正文館で買いました。

> 岡田さんの本は、あと2冊出す予定です。『宇宙生物分類学・完全版』と『恐竜+その他のエッセイ(タイトル未定)』。

もしよろしければ、購入させていただきたいと思います。
ご無理のない程度に、頑張って下さい。
by 広島保生 (2014-11-22 19:36) 

高井 信

 広島さん、ありがとうございます!
 広島さんのような方が何十人かいらっしゃいましたら……と思いますけれど、現実は厳しいです。
>ご無理のない程度に、頑張って下さい。
 無理をする気は全くありません。気が向いたら、のたのたと(笑)。
by 高井 信 (2014-11-22 22:25) 

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