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ノベライズ『僕と妻の1778の物語』

 脚本:半澤律子/ノベライズ:百瀬しのぶ『僕と妻の1778の物語』角川文庫(10)を読みました。同題映画のノベライズです。
 やはり、第1778話「最終回」ですね。
 ノベライズでは、最初の3行のあと――

 朔太郎は万年筆を原稿用紙から離した。ペン先を浮かせたまま、万年筆は原稿用紙の上にゆっくりと丁寧に文字を綴っていく。

 と続き、ほぼ1ページの空白。そして、最後の3行……。
 真っ白に過ぎないページに、何か文字が浮かんでくるような気がしました。1777話の上に存在する第1778話には、そのすべてが凝縮されています。
 眉村さんが奥様のためにショートショートを書かれているころ、ちょくちょくお会いする機会がありました。そのたびに、「××話になった」と……。
 あのころのことを思い出します。「最終回」に接するのは、これで何度目でしょうか。今回も胸に迫るものを感じました。文字数にすれば100字にも満たないのですが、原稿用紙5万枚余の総決算なんですよね。
僕と妻の1778の物語.jpg で、肝心の物語は――
 よくできているとは思います。思いますが……。
 この主人公は眉村卓ではないですね。わかっていたことではありますが、眉村さんはあくまでもモデルであり、映画の牧村朔太郎は別人であるとの思いを強くしました。
 ちなみに――
 私が眉村さんと初めてお目にかかったのは1978年11月20日です。眉村さんが44歳、私が21歳のときでした。

 映画『僕と妻の1778の物語』は明日公開です。

【追記】1月15日
 オリジナル・サウンド・トラック(CD)も発売されているのですね。思いっきり試聴してしまいました(笑)。→ここ
コメント(2) 

コメント 2

雫石鉄也

詳細に覚えておられますね。
私は記憶があいまいですが、初めて眉村さんにお会いしたのは、確か1972年、大阪は梅田の旭屋書店だったです。眉村さん30代だったのですね。映画の草ナギ演じる朔太郎と同年配のころだったのですね。
奥さまの故悦子さんとは、眉村さんのご自宅で勉強会し始めた時ですから、1974年だったと記憶します。
一番最近に、お会いしたのは、6日前、1月8日の講演会です。
by 雫石鉄也 (2011-01-15 03:40) 

高井 信

 いやいや、覚えているのではなくて、大昔にそのことをエッセイに書いていて、最近、たまたまそれを読んだのです(笑)。
 お会いしたのは、ホテル・ニューオータニで催された、とあるパーティーの会場でした。
by 高井 信 (2011-01-15 10:32) 

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