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〈世界ユーモア文学選〉の謎

 筑摩書房〈世界ユーモア文学選〉の2冊――マーク・トウェーン/E・コールドウェル『西部旅行綺談/ジョージア・ボーイ』、アーノルド・ベネット『当世人気男』を入手しました(ともに1969年刊)。
西部旅行綺談/ジョージア・ボーイ.jpg 当世人気男.jpg
 謎に包まれた――というほど大袈裟なものではありませんが、この〈世界ユーモア文学選〉には悩まされます。
 2009年3月6日の記事には、以下のように書きました。
>〈世界ユーモア文学全集〉は1969年には〈世界ユーモア文学選〉として、さらに1977年から78年にかけては〈世界ユーモア文庫〉として、全10巻の再編集新装版が刊行された(両者は同一ラインナップ。いずれもソフトカバー)。
 しかし、2009年8月10日の記事で――
> 先日、〈世界ユーモア文学選〉版の『エッフェル塔の潜水夫』を入手しました。巻末に既刊目録があって、それを見ると、『ふらんす小咄大全』『にっぽん小咄大全』『アメリカほら話』の3冊も〈世界ユーモア文学選〉に含まれています。――つまり、〈世界ユーモア文学選〉は全10巻ではなくて、全13巻(あるいは、全10巻+別巻3冊)だったんですね。
 と訂正しています。
 それに加え、今回、『当世人気男』の巻末目録に、『兵士シュベイクの冒険(全2巻)』も〈世界ユーモア文学選〉として掲載されていることに気がつきました。(『エッフェル塔の潜水夫』の巻末にも掲載されているのですが、見過ごしていました)
 まとめますと――

『ふらんす小咄大全』
『にっぽん小咄大全』
『アメリカほら話』
『兵士シュベイクの冒険(全2巻)』
 以上5冊は1968年刊。すべて〈世界ユーモア文学全集〉の新装版です。この時点では〈世界ユーモア文学選〉という叢書はなく、のちに〈世界ユーモア文学選〉に組み込まれます。ただし、私の所有している『ふらんす小咄大全』『にっぽん小咄大全』『アメリカほら話』、いずれにも〈世界ユーモア文学選〉とは記されていません。
 以下は1969年刊。〈世界ユーモア文学全集〉の新装版、あるいは再編集版です。帯に〈世界ユーモア文学選〉と記されています。
『山賊株式会社社長/二ペンスの切手』
『西部旅行綺談/ジョージア・ボーイ』
『おれは駆けだし投手/おやじ天下』
『エッフェル塔の潜水夫』
『雪の中の三人男/ガス屋クニッテル』
『ボートの三人男』
『当世人気男』
『マリナー氏ご紹介/トッパー氏の冒険』
『十二の椅子』
『マルタン君物語/泣き笑い人生』

 う~~~~ん。
 以上の15冊のうち、私が所有しているのは8冊だけです。すべての現物確認ができていない現在、確かなことは言えないのですが、正式な〈世界ユーモア文学選〉は全10冊(のちの〈世界ユーモア文庫〉と同一ラインナップ)と見るのが正しいのでしょうね。ただし、〈世界ユーモア文学選〉発刊以前に出た5冊も含め、全15冊という見方もできる、と。
 これでもう間違いないと思うんですが……。
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