ＴＶドラマ『赤いハイヒール』など

　興味のあるテレビ番組は、とりあえず録画します。このスタンスは、初めてビデオ・デッキを買った30年前から変わりません。
　録画してしまうと、いつでも観られるという安心感から、そのまま観ないで過ごしてしまうというパターンも数多く……。もちろん、完全に放置しているわけではなくて、何かきっかけがあれば観ます。
　先日、眉村卓原作のＴＶドラマ『赤いハイヒール』を観ました。〈現代怪奇サスペンス〉というシリーズの1編で、ネットで調べてみますと、1986年9月29日に放送されたもののようです。
　そんなタイトル、記憶にないなあ。原作のタイトルは違うのかなあ。
　ドラマを観終わっても原作に思い当たりません。エンドロールに――
　原作　眉村　卓（『異郷変化』より　角川文庫刊）
　とあったので、その『異郷変化』角川文庫（76）を書棚から取り出してきました。う～～ん。この本、読んでいないかも。
　目次を見ても、「赤いハイヒール」というタイトルの作品は収録されていません。ざっと目を通し、どうやら原作は「中之島の女」らしいと判明。さっそく原作を読み……。
　あら、大胆にアレンジしていますねえ（笑）。ドラマ終盤のクライマックス・シーンは原作に近いですが、それ以外は（主人公の設定も含め）ドラマのオリジナルです。
　原作「中之島の女」のほうがずっと面白いのでした。

　眉村卓原作のＴＶドラマと言えば、何と言っても『なぞの転校生』ですね。はい、〈ＮＨＫ少年ドラマシリーズ〉です。これまたネットで調べてみますと、放送は1975年。
　これは本当に面白かったです。まさに、わくわくどきどき。
　ちょっと調べてみましたら、ビデオやＤＶＤで全9話の完全版が販売されているようです。これらは持っていませんが、だいぶ前に『ＮＨＫアーカイブス』で総集編が放送され、それは録画した記憶があります。たぶんテープが残っているはず……。
　昨夜、無性に観たくなって、ビデオ収納庫をがさごそ。
『ＮＨＫアーカイブス』では2度、『なぞの転校生』を採り上げています。最初は第1話から第8話までの総集編、2度目は総集編＋最終回（第9話）の放送です。
　幸いなことに、その両方のテープが残っていました。
　久しぶりにドラマ『なぞの転校生』を観て、改めて――傑作！
　機会があれば、ぜひ全話を観たいものです。

　さらに――
『なぞの転校生』を探している途中に目についた『幕末高校生』もビデオ収納庫から取り出しました。1994年、〈ボクたちのドラマシリーズ〉の1編として放送されたドラマです（全5回）。
　原作は名作短編「名残の雪」（『思いあがりの夏』角川文庫（77）などに収録）。――かつて〈ＮＨＫ少年ドラマシリーズ〉で放送された『幕末未来人』以来、2度目のドラマ化ということになりますね。
　これは録画しただけで観ていません。
　で、ちょっとだけ再生してみたところ、むちゃくちゃ違和感が……。完全にコメディ・ドラマではありませんか。
　ん？　眉村卓は原案？
　原作とクレジットされていないということは……。
　観ようか収納庫に戻そうか、思案中です。

コメント 14

夜中にOLたち（？）が行進するやつですね。そういえば赤いハイヒールでしたっけ（うろおぼえ）＞原作
by 大熊宏俊 (2010-07-14 00:37) 

　原作では「赤」と限定していないです。ＯＬの象徴としてのハイヒールですね。対してドラマ版では、「赤」が重要な意味を持っています。
　え～。メールでお知らせしましたが、ドラマをＤＶＤに焼き、お送りしました。今日あたり届くのではないかと思います。どうぞ、お楽しみください。
by 高井　信 (2010-07-14 05:43) 

帰宅したら届いてました。ありがとうございました。
今晩さっそく見させていただきます～(^^）
by 大熊宏俊 (2010-07-14 17:32) 

　大熊さん。
　ＨＰを拝見しました。楽しんでいただけたようで、よかったです。
　さて。
『幕末高校生』と『なぞの転校生』もＤＶＤに焼きましたので、お送りしますね。『赤いハイヒール』と一緒に送ればよかったんですが、発送した時点では、ほかのドラマのことは全く頭にありませんでした（苦笑）。
　あ、そうそう。
『幕末高校生』について、眉村さんに尋ねました。やはり、原作とは全然違った作品になっているとのこと。観る気がどんどん失せております。短ければ観てしまいますが、1時間枠で全5回……。
by 高井　信 (2010-07-15 10:25) 

おお、ありがとうございます(^^）
実は「幕末未来人」の方もちゃんとは見ていないはずです。
「およね平吉……」みました。「おーいでてこい」確認(^^;
by 大熊宏俊 (2010-07-15 22:55) 

初めまして。大熊さんの眉村卓ファンサイトよりたどり着きました。ひとつだけコメントさせて下さい。
民放ドラマ「幕末高校生」ですが、このドラマはそのタイトルから「幕末未来人（原作「名残の雪」）」のリメイク版と思ってしまいますが、全くの別物だったはずです。
眉村卓はこのドラマのためにオリジナルで原案を提供したはずで、「名残の雪」は原作にはなっていなかったはずです。
当時の新聞か雑誌の紹介記事で書かれていたことをボンヤリした記憶ですが覚えています。
「異郷変化」からのドラマは私も見ていた記憶があります。見た時点では眉村卓原作と知らず見ていて、最後のテロップで、眉村卓が原作だったと知った記憶があります。間違いかも．．．
他、テレビドラマで、「明鏡会」だったと思いますが、放映された記憶があります。これも最後のテロップで、「そうだったの！！」と知って後の祭り。ビデオに残せませんでした。
テレビ以外では、ＮＨＫのラジオ・ドラマ「今日も雨（確か原作無しのオリジナル書き下ろし？」」や、ＦＭでの正月の特別企画「ラジオ年賀状」でゲスト出演され、眉村卓本本人が好きな音楽を掛けながら、色々お話された番組は、カセットテープに残せました。
私も「幕末高校生」はビデオに全話残してあるので、久しぶりに見てみようかなと思いました。
紹介記事ありがとうございました。
by 斎藤 (2010-07-18 08:12) 

　斎藤さん、いらっしゃいませ。
　ずいぶんお詳しいですね。
『幕末高校生』、まだ観ていない（苦笑）のですが、『幕末未来人』のリメイクではなさそうに思ったので、「2度目のドラマ化」と書きました。
　眉村さんのドラマへの関与ですが、お聞きした限りでは、ストーリーには関わっておられないようです。原案というのは設定の提供という意味ではないでしょうか。

　楽しい情報をありがとうございました。大熊さん、要チェックですね。
　今後とも、よろしくお願いいたします。
by 高井　信 (2010-07-18 08:44) 

高井さん、今「名残の雪」再読し終わったところです。なんか読み返す必要なかったかもですね(^^;
さて、斎藤さんは拙掲示板に何度か書き込みをしてくださった方だと思います。斎藤さん、見ておられましたらお久しぶりです！　
私の興味は、小説関係に特化していましたので、映像や放送関係の眉村さん情報は殆ど持ちあわせておら、ず皆さんの貴重なご報告はとても勉強になります。ことに「原作のない設定提供」なんて全く盲点でした。そういう情報も、こちらのブログで集積されていくと有り難いですね。よろしくお願いします。
by 大熊宏俊 (2010-07-18 15:28) 

　大熊さん。
「名残の雪」とドラマ『幕末高校生』がまるっきり違う作品になっていることは、眉村さんのお墨付きですよ（笑）。
　私も映像作品については、気が向けば観ますし録画しますし買いますしレンタルしますが、あくまでも「気が向けば」です。きっちりと調べたり系統的に観たりはしないですね。
＞そういう情報も、こちらのブログで集積されていくと有り難いですね。
　いえいえ、眉村作品に関しては大熊さんのところで。ここは（だんだんわけがわからなくなりつつあるとはいえ）一応、ショートショートのブログですから。
　ちなみに、うちにある眉村さん原作のＴＶドラマは、お送りしたものですべてと思います。
by 高井　信 (2010-07-18 17:50) 

高井さん、お早うございます。
＞ずいぶんお詳しいですね。
とんでもないです。
でも、私は小学生の頃にＮＨＫの少年ドラマを「タイムトラベラー」からリアルタイムで見ていましたので、自然とその原作にも興味を持ち、以降「眉村卓」ファンになりまして、その流れで、本以外の眉村卓関連情報にも敏感に飛びつくようになりました。７０年代当時は情報と言っても新聞しかないので、ラジオ番組欄も含めて丹念に目を通していました。
社会人になってからもファンであることは変わらずで、ずっとおっかけしてます。（実際におっかけたことはないですが）
非常に偏りのあるＳＦファンですが、こちらこそよろしくお願いします。

大熊さん、お久しぶりです。
＞さて、斎藤さんは拙掲示板に何度か書き込みをしてくださった方だと思います。斎藤さん、見ておられましたらお久しぶりです！　
はい、大熊さんの掲示版にも何度か投稿させて頂きました。ありがとうございます。
「眉村卓」関連で何か提供出来そうな情報がありましたら、大熊さんの掲示版の方で投稿させて頂きたいと思います。
よろしくお願いします。

by 斎藤 (2010-07-19 09:52) 

　またまた、ありがとうございます。＞斎藤さん
『タイムトラベラー』が放送されたのは確か、私が中学3年のときでした。いやもう、面白かったですね。もともと筒井康隆さんの作品は愛読していましたが、さらに好きになりました。
　1970年代、私もラジオ番組をチェックしていましたね。ＮＨＫの『冷たい方程式』『アルジャーノンに花束を』『マイナス・ゼロ』など、今でもカセット・テープが残っています。
　こういうところで眉村ファンの輪が広がっていくのは、嬉しいことです。大熊さんの掲示板ともども、よろしくお願いします。
by 高井　信 (2010-07-19 10:35) 

斎藤さん
いやー、眉村度（笑）半端じゃありませんですね(^^;　ちなみに「明鏡会」で検索してみたらド頭に右翼団体が出てきてびっくり(^^;。「今日も雨」は「長崎は……」関連ばっかりでした。でもヒントにはなりますので有り難いです。

＞「眉村卓」関連で何か提供出来そうな情報がありましたら
ぜひぜひよろしくお願いいたします。

高井さん
＞大熊さんの掲示板ともども、よろしくお願いします。
いやーこちらこそ改めてよろしくお願いいたします。
by 大熊宏俊 (2010-07-19 21:08) 

初めまして。

赤いハイヒールのドラマに気になる俳優さんが出演されていまして、見てみたいドラマの1つです。
by 平 成子 (2024-10-26 19:48) 

　平さん、いらっしゃいませ。
〈現代怪奇サスペンス〉や〈現代恐怖サスペンス〉では、面白い作品が数多くドラマ化されていました。ソフト化されるといいですね。
by 高井　信 (2024-10-26 22:34)