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『アルファベット群島』

アルファベット群島.jpg 7~8年前になるでしょうか。庄野英二『アルファベット群島』偕成社の創作文学(77)という本を図書館で借りて読みました。架空の島々(アルファベット26文字を頭文字とする全26島)を舞台にした連作集です。「欲ばり島(Avarice Island)」から始まり「シマウマ島(Zebra Island)」まで、そのいずれもが、淡々とした口調で語られるオオボラ小説。真面目な顔でホラを吹かれては、これはたまりません。以前に紹介した瀬田貞二『お父さんのラッパばなし』もそうですが、基本的に私、ホラ話が大好きなんですねえ。
アルピエロ群島.jpg 全26編を思い切り楽しみ、続いてはその姉妹編『アルピエロ群島』偕成社の創作文学(81)に手を伸ばしました。こちらは、アルピエロ群島(やはり架空の群島)の調査書という体裁をとっています。地勢、気候、動・植物、言語に始まり、群島に関するあらゆるデータが呈示されます。そこここに挿入されている民話、伝説、民謡も楽しいですね。文体は真面目な調査書を模していますが、もちろん内容はすべてオオボラです。
 物語としての楽しさでしたら『アルファベット群島』に軍配があがりますが、『アルピエロ群島』みたいなのも楽しいですね。
『アルファベット群島』は連作ショートショート集とも言えます。ショートショート・コレクターとしては手元に置いておきたいと思い、探求を開始。これは幸いなことに、ほとんど苦労することなく古書店で発見できました。となると、姉妹編の『アルピエロ群島』も隣に並べておきたくなります。
 ところが、これが売っていないんですねえ。『アルファベット群島』は入手後も何度か古書店で見ましたが、『アルピエロ群島』はさっぱり目にしないのです。
 先日ようやく入手することができ、胸のつかえがとれました。ほっ……。
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