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古典新訳文庫

 A・E・コッパード『天来の美酒/消えちゃった』光文社古典新訳文庫(09)を買いました。『郵便局と蛇』国書刊行会・魔法の本棚(96)に続く、2冊目の邦訳短編集です。
 コッパードという作家を知ったのは遥か昔、たぶん高校生のころだったと思います。当時は邦訳短編集も出ていなくて、雑誌やアンソロジーで数編の作品を読んだだけなのに、その名前は強く心に残ったものでした。
天来の美酒/消えちゃった.JPG この奇妙な魅力を持つ作家の短編集が文庫本という形で、気楽に手に取れるようになったんですねえ。今回の短編集には11編収録。ショートショートと言えそうな長さの作品もいくつかあり、読むのが楽しみです。
 コッパードに限らず、光文社古典新訳文庫は「え? こんな作家の本を出すの?」と驚くような短編集を次々に出してくれています。
 なかでも、イタリア幻想短編集の3冊――ジャンニ・ロダーリ『猫とともに去りぬ』(06)、ディーノ・ブッツァーティ『神を見た犬』(07)、プリーモ・レーヴィ『天使の蝶』(08)には驚きましたし、嬉しかったです。特にブッツァーティはショートショートの見地からも重要な作家と思います。
 ほかにも、シュペルヴィエル『海に住む少女』(06)、O・ヘンリー『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』(07)、アーサー・マッケン『白魔』(09)……。いやあ、嬉しくなりますねえ。(O・ヘンリーは今さら感がありますが)
 光文社古典新訳文庫の今後のラインナップに、大いに期待しています。
猫とともに去りぬ.JPG 神を見た犬.JPG 天使の蝶.JPG 白魔.JPG
 冒頭に、コッパードの最初の邦訳短編集『郵便局と蛇』に触れました。国書刊行会の〈魔法の本棚〉の1冊です。洒落た造本で、値段はかなり高め。コッパードのような作家の本って、こういう叢書でしか読めないものだと思っていました。
 最後に、〈魔法の本棚〉全6巻のリストを掲載しておきます。現在は比較的容易に入手できますが、何年かのちには入手困難になるかも、です。
◎A・E・コッパード『郵便局と蛇』(96)
◎ヨナス・リー『漁師とドラウグ』(96)
◎H・R・ウエイクフィールド『赤い館』(96)
◎リチャード・ミドルトン『幽霊船』(97)
◎ロバート・エイクマン『奥の部屋』(97)
◎アレクサンドル・グリーン『消えた太陽』(99)
郵便局と蛇.JPG 漁師とドラウグ.JPG 赤い館.JPG
幽霊船.JPG 奥の部屋.JPG 消えた太陽.JPG
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