『オーストラリアから来た男』
前の記事『絹のように美しく』で、「入手は難しそう」と書いた竹内紘子・編著『オーストラリアから来た男 ―W・A・フィニン 人と作品―』私家版(00)ですが、早くも入手できてしまいました。
細かい事情は省きますが、もしかしたら……と一縷の望みを抱いて編著者の竹内さんに連絡したところ、「在庫はある。フィニンに興味を持ってくれるのは嬉しいので、差し上げる」と。
それではあまりにも申しわけなく、固辞したのですが、結局、お言葉に甘えることになりました。竹内さん、本当にありがとうございます!
本は今日の昼過ぎに届きました。500ページもある厚い本ですが、文章は読みやすいし内容は面白いし、一気に最後まで読んでしまいました。
本書は「人物編」と「作品編」の二部構成です。「人物編」約100ページ、「作品編」約400ページ。
私はまず「作品編」を読みました。
「SHORT SHORT」2編、「文化紹介」18編、「時事・レポート」9編、「伝承を自然科学の芽でみる」16編。ショートショートとして掲載されているのは2編だけですが、エッセイのなかにもショートショートとして読めるものもあり、楽しませていただきました。いや、ショートショート云々なんて関係なく、読み物として面白かったです。
「文化紹介」では松尾芭蕉、千利休、喜多川歌麿……。「時事・レポート」では日本人と魚に関する考察……。「伝承を自然科学の目でみる」では狐つき、タヌキ、河童、化け猫、『竹取物語』……。フィニンの日本文化や伝承に関する造詣の深さに驚かされました。
フィニンの見方は、まさに外国人ならでは、と言えるでしょう。こういった物の見方が厖大なショートショートのバックボーンにあると考えると、非常に興味深いものがあります。
「人物編」を読むと、フィニンは生前、日本語が達者ではなかったとあり、これまた驚きですが、彼の知識欲や好奇心を支えた多くの日本人も紹介されていて、なるほどと納得しました。地域に根づいた外国人だったのですね。
「英文毎日」にフィニンが投稿を始めたきっかけにも触れられています。同紙の当時の部長はアメリカ育ちの二世で、フィニンとは飲み友だちだったとのこと。フィニンはかなりの酒豪だったようです。
そんなわけで――
実に楽しく充実した時間を過ごさせていただきました。
最後に書いておきますと、竹内さんと『絹のように美しく』の訳者・田村泰さんは職場の(元)同僚だそうです。こういった縁は素晴らしいと思います。
おふたりに、感謝!
細かい事情は省きますが、もしかしたら……と一縷の望みを抱いて編著者の竹内さんに連絡したところ、「在庫はある。フィニンに興味を持ってくれるのは嬉しいので、差し上げる」と。
それではあまりにも申しわけなく、固辞したのですが、結局、お言葉に甘えることになりました。竹内さん、本当にありがとうございます!
本は今日の昼過ぎに届きました。500ページもある厚い本ですが、文章は読みやすいし内容は面白いし、一気に最後まで読んでしまいました。
本書は「人物編」と「作品編」の二部構成です。「人物編」約100ページ、「作品編」約400ページ。
私はまず「作品編」を読みました。
「SHORT SHORT」2編、「文化紹介」18編、「時事・レポート」9編、「伝承を自然科学の芽でみる」16編。ショートショートとして掲載されているのは2編だけですが、エッセイのなかにもショートショートとして読めるものもあり、楽しませていただきました。いや、ショートショート云々なんて関係なく、読み物として面白かったです。
「文化紹介」では松尾芭蕉、千利休、喜多川歌麿……。「時事・レポート」では日本人と魚に関する考察……。「伝承を自然科学の目でみる」では狐つき、タヌキ、河童、化け猫、『竹取物語』……。フィニンの日本文化や伝承に関する造詣の深さに驚かされました。
フィニンの見方は、まさに外国人ならでは、と言えるでしょう。こういった物の見方が厖大なショートショートのバックボーンにあると考えると、非常に興味深いものがあります。
「人物編」を読むと、フィニンは生前、日本語が達者ではなかったとあり、これまた驚きですが、彼の知識欲や好奇心を支えた多くの日本人も紹介されていて、なるほどと納得しました。地域に根づいた外国人だったのですね。
「英文毎日」にフィニンが投稿を始めたきっかけにも触れられています。同紙の当時の部長はアメリカ育ちの二世で、フィニンとは飲み友だちだったとのこと。フィニンはかなりの酒豪だったようです。
そんなわけで――
実に楽しく充実した時間を過ごさせていただきました。
最後に書いておきますと、竹内さんと『絹のように美しく』の訳者・田村泰さんは職場の(元)同僚だそうです。こういった縁は素晴らしいと思います。
おふたりに、感謝!
2009-08-24 18:31
コメント(0)
コメント 0