コバルトのアンソロジー
久しぶりにハミルトンの短編を再読したせいもあって、最近、ノスタルジーに包まれています。
そんな気持ちで書庫に足を踏み入れたところ、ふと目に止まったのが集英社文庫コバルトシリーズ(現在はコバルト文庫)でした。現在では想像もつきませんが、約30年前、集英社文庫コバルトシリーズはSFファンにとって嬉しい本を続々と刊行してくれていたのです。
特にアンソロジーには目を瞠るものがありました。
ここはショートショートのブログですから、ショートショート関連のアンソロジーから紹介します。
まずは何と言っても、「Cobalt」誌のショートショート・コンテストの入選作品集4冊でしょう。
◎コバルト編集部編『マイ・ショートショート』(82)
◎コバルト編集部編『ベスト・ショートショート』(85)
◎コバルト編集部編『ショートショート・グランプリ』(87)
◎コバルト編集部編『ショートショートショート』(90)*コバルト文庫。
この4冊は『ショートショートの世界』104~105ページで採り上げています。続刊を期待しているのですが、無理でしょうね。残念でなりません。
続いては、アシモフ他編のショートショート・アンソロジーを紹介した際にも挙げましたが、この2冊。
◎アイザック・アシモフ編『海外SFショート・ショート秀作選1』(83)
◎アイザック・アシモフ編『海外SFショート・ショート秀作選2』(84)
ショートショートではなく、中国の志怪小説や落語の小咄の傑作集なんですが、以下のような本もありました。
◎武田武彦『怪異ラブ・ロマン集 中国のコワーイ・ショートショート』(83)*中国の志怪小説傑作選。
◎武田武彦編『お笑いショート・ショート集 ヤング寄席』(84)*落語の小咄集。
◎山住昭文『笑と笑と笑と 江戸小ばなし傑作選』(85)*落語の小咄集。タイトルは“ショートショートショート”と読みます。
見事にショートショートだらけで、こうして書名を打ち込んでいるだけでも嬉しくなってしまいます。特に最後の3冊など、“ショートショート”と銘打てば売れる! そんな時代を反映しているような気がします。いい時代でした。
もちろん、ショートショートだけではありません。集英社文庫コバルトシリーズでは短編のアンソロジーも数多く出ていて、これがまた絶妙のセレクション。なかでも、風見潤(+安田均)編の海外SFアンソロジー4冊は、まさにSFファン垂涎の傑作集でした。
◎風見潤編『魔女も恋をする 海外ロマンチックSF傑作選①』(80)
◎風見潤編『たんぽぽ娘 海外ロマンチックSF傑作選②』(80)
◎風見潤編『見えない友だち34人+1 海外ロマンチックSF傑作選③』(80)
◎風見潤・安田均編『ロボット貯金箱』(82)
コバルトの翻訳アンソロジーに関しては、北原尚彦『SF万国博覧会』青弓社・寺子屋ブックス(00)に詳しい紹介があり、お勧めです。
日本SFのアンソロジーでは豊田有恒、星敬編の6冊。
◎豊田有恒編『ロマンチックSF傑作選』(77)
◎豊田有恒編『ユーモアSF傑作選』(77)
◎豊田有恒編『ホラーSF傑作選』(78)
◎豊田有恒・星敬編『恋する銀河 ロマンチックSF傑作選』(84)
◎星敬編『銀河の夢 新鋭SFオリジナル秀作集』(83)
◎星敬編『タイムトラベルSF傑作選』(85)
『銀河の夢』と『恋する銀河』には拙作も収録されていたりして、懐かしさに身悶えします。
SF以外でも、以下のようなアンソロジーがあります。
◎武田武彦編『海外ミステリー傑作選』(78)
◎武田武彦編『メランコリックな犯罪 海外ミステリー傑作選Ⅱ』(81)
◎武田武彦編『海外版怪奇ファンタジー傑作選』(79)
◎めるへんめーかー企画・編『魔法の鍵』(89)*コバルト文庫。
以上。
ほんと、素晴らしいアンソロジーが目白押しなんですが、こういった本も現在では入手が困難になっているようです。再刊してくれると嬉しいのですが……。
【追記】2011年2月26日
風見潤・安田均編『天使の卵 宇宙人SF傑作選』集英社文庫コバルトシリーズ(81)を入手しました。(コメント欄参照)
そんな気持ちで書庫に足を踏み入れたところ、ふと目に止まったのが集英社文庫コバルトシリーズ(現在はコバルト文庫)でした。現在では想像もつきませんが、約30年前、集英社文庫コバルトシリーズはSFファンにとって嬉しい本を続々と刊行してくれていたのです。
特にアンソロジーには目を瞠るものがありました。
ここはショートショートのブログですから、ショートショート関連のアンソロジーから紹介します。
まずは何と言っても、「Cobalt」誌のショートショート・コンテストの入選作品集4冊でしょう。
◎コバルト編集部編『マイ・ショートショート』(82)
◎コバルト編集部編『ベスト・ショートショート』(85)
◎コバルト編集部編『ショートショート・グランプリ』(87)
◎コバルト編集部編『ショートショートショート』(90)*コバルト文庫。
この4冊は『ショートショートの世界』104~105ページで採り上げています。続刊を期待しているのですが、無理でしょうね。残念でなりません。
続いては、アシモフ他編のショートショート・アンソロジーを紹介した際にも挙げましたが、この2冊。
◎アイザック・アシモフ編『海外SFショート・ショート秀作選1』(83)
◎アイザック・アシモフ編『海外SFショート・ショート秀作選2』(84)
ショートショートではなく、中国の志怪小説や落語の小咄の傑作集なんですが、以下のような本もありました。
◎武田武彦『怪異ラブ・ロマン集 中国のコワーイ・ショートショート』(83)*中国の志怪小説傑作選。
◎武田武彦編『お笑いショート・ショート集 ヤング寄席』(84)*落語の小咄集。
◎山住昭文『笑と笑と笑と 江戸小ばなし傑作選』(85)*落語の小咄集。タイトルは“ショートショートショート”と読みます。
見事にショートショートだらけで、こうして書名を打ち込んでいるだけでも嬉しくなってしまいます。特に最後の3冊など、“ショートショート”と銘打てば売れる! そんな時代を反映しているような気がします。いい時代でした。
もちろん、ショートショートだけではありません。集英社文庫コバルトシリーズでは短編のアンソロジーも数多く出ていて、これがまた絶妙のセレクション。なかでも、風見潤(+安田均)編の海外SFアンソロジー4冊は、まさにSFファン垂涎の傑作集でした。
◎風見潤編『魔女も恋をする 海外ロマンチックSF傑作選①』(80)
◎風見潤編『たんぽぽ娘 海外ロマンチックSF傑作選②』(80)
◎風見潤編『見えない友だち34人+1 海外ロマンチックSF傑作選③』(80)
◎風見潤・安田均編『ロボット貯金箱』(82)
コバルトの翻訳アンソロジーに関しては、北原尚彦『SF万国博覧会』青弓社・寺子屋ブックス(00)に詳しい紹介があり、お勧めです。
日本SFのアンソロジーでは豊田有恒、星敬編の6冊。
◎豊田有恒編『ロマンチックSF傑作選』(77)
◎豊田有恒編『ユーモアSF傑作選』(77)
◎豊田有恒編『ホラーSF傑作選』(78)
◎豊田有恒・星敬編『恋する銀河 ロマンチックSF傑作選』(84)
◎星敬編『銀河の夢 新鋭SFオリジナル秀作集』(83)
◎星敬編『タイムトラベルSF傑作選』(85)
『銀河の夢』と『恋する銀河』には拙作も収録されていたりして、懐かしさに身悶えします。
SF以外でも、以下のようなアンソロジーがあります。
◎武田武彦編『海外ミステリー傑作選』(78)
◎武田武彦編『メランコリックな犯罪 海外ミステリー傑作選Ⅱ』(81)
◎武田武彦編『海外版怪奇ファンタジー傑作選』(79)
◎めるへんめーかー企画・編『魔法の鍵』(89)*コバルト文庫。
以上。
ほんと、素晴らしいアンソロジーが目白押しなんですが、こういった本も現在では入手が困難になっているようです。再刊してくれると嬉しいのですが……。
【追記】2011年2月26日
風見潤・安田均編『天使の卵 宇宙人SF傑作選』集英社文庫コバルトシリーズ(81)を入手しました。(コメント欄参照)
2009-05-23 06:24
コメント(2)
風見潤・安田均編のアンソロジー『天使の卵』もあったことを思い出しました。これは買わなかったようで所有しておらず、すっかり忘れていました。
いいかげんな記事を書いて、申しわけありません。
by 高井 信 (2009-05-26 19:34)
こんにちは。調べ物をしていてたどり着きました。最後に追加されている「天使の卵」についてもう少し詳しく知りたいのですが、他に検索ヒットしません。よろしければ収録作品など教えていただけませんか?
私はコバルト文庫を殆ど読んでないのですが、当時この短編集と「魔女も恋をする」の2冊がとても気に入っていました。可能なら原書で読んでみてもいいと思っているので(イギリス在住)、収録作品の題名や作者名も英語で教えてもらえたら非常に助かります。
いきなりの質問で恐縮ですが、お手数にならない限りでできればよろしくお願いします。
by 木天蓼屋 (2015-08-27 17:54)